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力をつけるために
第129話 成長?若返り?
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レアルさんの言葉にあたしは改めて自分の身体を確かめた。鏡が無いので自分で全身の見た目を確認することは出来なかったけど、思ったより背が伸びていたり胸が大きくなってきていたりと思い当たるところはある。でも、それは単に成長期だからだと思っていたのだけど……。
「い、いいから。姐御なんて呼び方やめてくださいよね」
そう言って、いったんレアルさんから離れた。
「アサミ様、その、わたしの目から見ても初めてお会いした時と比べかなり成長されたように思います。それにヨウ様もかなり若返られているかと……」
レアルさんから離れて、声が届かないくらいの場所に移動したところで、マルティナさんが、あたしにそっと告げてきたわ。うん、実は瑶さんについてはあたしも思ってたのよね。この世界に一緒に転移して初めて会った時、あの時より明らかに若返ってるって。あの時はパパより年上って思ったもの。でも今ではレアルさんより少し年上くらいに見えるのよね。見た目だと30台前半くらいかしら。
あたしは、ちょっと深呼吸をしてマルティナさんに向き合った。
「ねえ、マルティナさん。そのあたしが成長したとか瑶さんが若返ったとかって事について教えてもらえる?」
「ご存じないんですね。ハンターの間では、割と有名な話ではあるのですが……」
そう言ってマルティナさんが、話してくれた内容はちょっと驚くようなことだったわ。
ハンターがある程度以上強くなっていくと、人として一番強い年代に成長したり若返ったりするらしいということ。その強さというのがどの程度かはよくわかっていないそうだけど、大体20台前半くらいの身体になっていくそうなのね。だったら寿命はどうなるのかって聞いたら、程度問題だけど強くなればなるほど寿命も延びるそうなの。伝説レベルだと300歳超えて現役だったハンターがいたとか。ただ、当時はハンターという制度が明確じゃなかったうえ生まれた年代とかも曖昧で本当に伝説レベルの話ってことね。
そして、現実的な話だと、3級ハンターとかには普通に80歳くらいのはずなのに20台前半の容姿で現役の人がいるらしいのよね。というより、3級ハンターだと実年齢にかかわらず、みんな見た目は20台前半なんだって。
でも3級ハンターの人数は凄く少ないらしい。なんでもそれぞれの国に1人か2人いるかいないかで、国によってはいないそうなのよね。その数全部で12人。その上の2級ハンターは1人だけ。そして1級ハンターは今はいないとのこと。
そして何より、3級以上のハンターには国も口を出せないそうなの。正確には強引なことが出来ないってことかしらね。無法が許されるわけじゃないけど、自由を縛ることは出来ない。それが3級ハンター。戦力として3級ハンター1人で1国の軍にも匹敵するって言われているらしい。
そして、レアルさんの口から洩れた、あたしの見た目年齢が20歳。マルティナさんの感覚でもそれに近いらしいのよね。ということは、あたし達にも国に口出しさせない存在になれる可能性があるってことよね。
「うん、がんばる」
そんな翌日の朝、あたし達は北の森の探索を始めようと門をでた。
「あ、姐御。オレ達も一緒に連れて行ってください」
レアルさん達「辺境の英雄たち」が揃って待ち構えていた。
え?困ったわね。連れていくと色々とバレるわよね。あたし達は目を見合わせて頷きあう。
「また今度ね」
そして、補助魔法掛けて、走り出した。
「あ、姐御お」
そしてレアルさん達を振り切って狩場につくと、瑶さんがニヤニヤしている。
「朝未、懐かれたね」
「いや、あれ極端じゃないですか?最初はケンカ売ってきたと思ったら、翌日からは犬がご主人様にしっぽ振って寄ってくるみたいにすり寄ってくるなんて」
「案外、その指摘あってるかもしれないね。レアルさんはあれ犬とか狼の獣人ぽいから」
「え?マルティナさん。レアルさんってそっち系の獣人なんですか?」
「そうですね。昔聞いた時には狼だって言い張ってましたけど、仲間内では、あれは絶対に犬だって言ってました」
「それは、やっぱり何かで簡単に懐いちゃったことでもあったんですか?」
「まあ、そうですね。本人の名誉のために内容は口に出来ませんが」
はあ、獣人、獣耳モフモフと一瞬でも考えた自分が恥ずかしいわね。それに考えてみたら男の獣人さんをモフるってちょっと絵面が危なそう。これは獣耳女子を探すべき?
「ま、気持ちを切り替えて探索に入ろうか」
瑶さんの言葉に、深呼吸をひとつして、探知魔法を展開する。
「この近辺には、ほぼ魔物も魔獣も動物もいません」
「縄張りがあるんだろうね。一気に狩ったから、空白地帯が出来たんだと思う。そのうち少しずつ入ってっ来るだろうと思うよ」
3層の探索を進め、10日程たった時、あたしの探知魔法の端に今までと違った反応があった。
「今まで出会ったことの無さそうな魔物の反応があります」
「まずは撤退経路を作ってから、その新しい的にアプローチしようか」
少しだけ考えた瑶さんの言葉に、あたしの探知で分かる範囲の敵の位置を地面に絵を描いて説明。
「わかった。じゃあ、まず右方向の敵をここまで殲滅して、そのあと、こっちの方から近づくよ。そこからはいつも通り、朝未に目視で確認してもらって、その状況に合わせてまず取り巻きを殲滅。それが終わったらその新しい敵をこの地点まで引き寄せて、どんな攻撃が効くのか、何が効かないのかを確認しながら攻撃をするということでいいかな?」
「い、いいから。姐御なんて呼び方やめてくださいよね」
そう言って、いったんレアルさんから離れた。
「アサミ様、その、わたしの目から見ても初めてお会いした時と比べかなり成長されたように思います。それにヨウ様もかなり若返られているかと……」
レアルさんから離れて、声が届かないくらいの場所に移動したところで、マルティナさんが、あたしにそっと告げてきたわ。うん、実は瑶さんについてはあたしも思ってたのよね。この世界に一緒に転移して初めて会った時、あの時より明らかに若返ってるって。あの時はパパより年上って思ったもの。でも今ではレアルさんより少し年上くらいに見えるのよね。見た目だと30台前半くらいかしら。
あたしは、ちょっと深呼吸をしてマルティナさんに向き合った。
「ねえ、マルティナさん。そのあたしが成長したとか瑶さんが若返ったとかって事について教えてもらえる?」
「ご存じないんですね。ハンターの間では、割と有名な話ではあるのですが……」
そう言ってマルティナさんが、話してくれた内容はちょっと驚くようなことだったわ。
ハンターがある程度以上強くなっていくと、人として一番強い年代に成長したり若返ったりするらしいということ。その強さというのがどの程度かはよくわかっていないそうだけど、大体20台前半くらいの身体になっていくそうなのね。だったら寿命はどうなるのかって聞いたら、程度問題だけど強くなればなるほど寿命も延びるそうなの。伝説レベルだと300歳超えて現役だったハンターがいたとか。ただ、当時はハンターという制度が明確じゃなかったうえ生まれた年代とかも曖昧で本当に伝説レベルの話ってことね。
そして、現実的な話だと、3級ハンターとかには普通に80歳くらいのはずなのに20台前半の容姿で現役の人がいるらしいのよね。というより、3級ハンターだと実年齢にかかわらず、みんな見た目は20台前半なんだって。
でも3級ハンターの人数は凄く少ないらしい。なんでもそれぞれの国に1人か2人いるかいないかで、国によってはいないそうなのよね。その数全部で12人。その上の2級ハンターは1人だけ。そして1級ハンターは今はいないとのこと。
そして何より、3級以上のハンターには国も口を出せないそうなの。正確には強引なことが出来ないってことかしらね。無法が許されるわけじゃないけど、自由を縛ることは出来ない。それが3級ハンター。戦力として3級ハンター1人で1国の軍にも匹敵するって言われているらしい。
そして、レアルさんの口から洩れた、あたしの見た目年齢が20歳。マルティナさんの感覚でもそれに近いらしいのよね。ということは、あたし達にも国に口出しさせない存在になれる可能性があるってことよね。
「うん、がんばる」
そんな翌日の朝、あたし達は北の森の探索を始めようと門をでた。
「あ、姐御。オレ達も一緒に連れて行ってください」
レアルさん達「辺境の英雄たち」が揃って待ち構えていた。
え?困ったわね。連れていくと色々とバレるわよね。あたし達は目を見合わせて頷きあう。
「また今度ね」
そして、補助魔法掛けて、走り出した。
「あ、姐御お」
そしてレアルさん達を振り切って狩場につくと、瑶さんがニヤニヤしている。
「朝未、懐かれたね」
「いや、あれ極端じゃないですか?最初はケンカ売ってきたと思ったら、翌日からは犬がご主人様にしっぽ振って寄ってくるみたいにすり寄ってくるなんて」
「案外、その指摘あってるかもしれないね。レアルさんはあれ犬とか狼の獣人ぽいから」
「え?マルティナさん。レアルさんってそっち系の獣人なんですか?」
「そうですね。昔聞いた時には狼だって言い張ってましたけど、仲間内では、あれは絶対に犬だって言ってました」
「それは、やっぱり何かで簡単に懐いちゃったことでもあったんですか?」
「まあ、そうですね。本人の名誉のために内容は口に出来ませんが」
はあ、獣人、獣耳モフモフと一瞬でも考えた自分が恥ずかしいわね。それに考えてみたら男の獣人さんをモフるってちょっと絵面が危なそう。これは獣耳女子を探すべき?
「ま、気持ちを切り替えて探索に入ろうか」
瑶さんの言葉に、深呼吸をひとつして、探知魔法を展開する。
「この近辺には、ほぼ魔物も魔獣も動物もいません」
「縄張りがあるんだろうね。一気に狩ったから、空白地帯が出来たんだと思う。そのうち少しずつ入ってっ来るだろうと思うよ」
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「今まで出会ったことの無さそうな魔物の反応があります」
「まずは撤退経路を作ってから、その新しい的にアプローチしようか」
少しだけ考えた瑶さんの言葉に、あたしの探知で分かる範囲の敵の位置を地面に絵を描いて説明。
「わかった。じゃあ、まず右方向の敵をここまで殲滅して、そのあと、こっちの方から近づくよ。そこからはいつも通り、朝未に目視で確認してもらって、その状況に合わせてまず取り巻きを殲滅。それが終わったらその新しい敵をこの地点まで引き寄せて、どんな攻撃が効くのか、何が効かないのかを確認しながら攻撃をするということでいいかな?」
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