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9話 球技大会
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”ダン”
白いボールがコートに落ちホイッスルが鳴る。
”ピー”
「ナイスアタック住吉」
「田河もナイストス」
ハイタッチを交わす愛翔と田河。応援席では黄色い声援が止まらない。
「ねね、あの2人凄いね」
「あの2人のどちらかにボールが回るともう決まりよね」
球技大会バレーボール学年別3クラスでのリーグ戦。やはり全員が中学に入ってから体育で初めて体験した程度の横並びの経験では愛翔の運動能力は頭一つ以上抜けている。そして田河が思いのほかセンスを発揮し対A組、対C組の2試合とも2人の活躍で勝利しB組が学年別優勝した。
「さすが愛翔ね。大活躍じゃない」
楓が手を上げながら笑顔を向ける。
「ありがとう。田河とのコンビネーションが思いのほかうまくかみ合ったからな。桜は?」
楓の手に手を合わせハイタッチを交わしながら笑顔で答える愛翔。桜は隣のコートでバレーの助っ人に入っている。楓が目線で示す先にはちょうどセッター役の女子のトスがズレ、それに合わせ体を動かしスパイクを決める桜の姿があった。
「相変わらず桜の運動神経も桁外れだな」
苦笑する愛翔。普段は引っ込み思案でコミュ障気味の桜が、スポーツでは嘘のように好戦的に動き回るのを見慣れているからこその言葉。そして
「桜ナイスアタック」
しっかりと応援する愛翔の声にはにかむ笑顔で手を上げて答える桜。コートサイドの応援席にはそんな光景をみて小さく溜息を吐く高野の姿があった。
「ひーちゃん、なに溜息なんかついてるのよ。うちのクラスが得点したんだから応援しなきゃ」
横から高野に突っ込みを入れているのは高野が普段から一緒にいる友人のひとり赤坂奈津美。
「そんなんじゃないわよ。華押さんがあんまり鮮やかに決めたので驚いただけよ」
「ふーん。あたしはてっきり華押さんが住吉君に応援されているのを見て羨ましがっているのかと思ったんだけどね」
赤坂は高野を揶揄うように笑う。
「そ、そんなんじゃ……」
語尾が小さくなる高野に赤坂が追撃を行う。
「うふふ、ひーちゃんかわいいなぁ。そんなに住吉君のこと気に入っちゃった?」
「ち、違うからね。ただ、その……」
「ただ、なによ?」
「う、うぅぅ」
「ここまで言っちゃったんだから。全部言っちゃいなさいよ」
「だ、誰にも言わない?」
「はいはい、誰にも言わないから」
「絶対だからね。言ったら絶交だからね」
「言わないから」
呆れたような言い方で促す赤坂に、高野はついに陥落。
「そ、その住吉君ってあの幼馴染のふたりを凄く大事にしてるじゃない」
「そうね、それは分かるわ」
「で、あんなハイスペックな男の子にあんな風に大事にされるってどんな感じかなって言うのとちょっと羨ましいなって。それだけよ」
「ふーん、それだけ……ね」
微妙に頬を染める高野の言葉に、赤坂は何やら感じ取りニヤニヤと温かい目で高野を見ていた。
白いボールがコートに落ちホイッスルが鳴る。
”ピー”
「ナイスアタック住吉」
「田河もナイストス」
ハイタッチを交わす愛翔と田河。応援席では黄色い声援が止まらない。
「ねね、あの2人凄いね」
「あの2人のどちらかにボールが回るともう決まりよね」
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「さすが愛翔ね。大活躍じゃない」
楓が手を上げながら笑顔を向ける。
「ありがとう。田河とのコンビネーションが思いのほかうまくかみ合ったからな。桜は?」
楓の手に手を合わせハイタッチを交わしながら笑顔で答える愛翔。桜は隣のコートでバレーの助っ人に入っている。楓が目線で示す先にはちょうどセッター役の女子のトスがズレ、それに合わせ体を動かしスパイクを決める桜の姿があった。
「相変わらず桜の運動神経も桁外れだな」
苦笑する愛翔。普段は引っ込み思案でコミュ障気味の桜が、スポーツでは嘘のように好戦的に動き回るのを見慣れているからこその言葉。そして
「桜ナイスアタック」
しっかりと応援する愛翔の声にはにかむ笑顔で手を上げて答える桜。コートサイドの応援席にはそんな光景をみて小さく溜息を吐く高野の姿があった。
「ひーちゃん、なに溜息なんかついてるのよ。うちのクラスが得点したんだから応援しなきゃ」
横から高野に突っ込みを入れているのは高野が普段から一緒にいる友人のひとり赤坂奈津美。
「そんなんじゃないわよ。華押さんがあんまり鮮やかに決めたので驚いただけよ」
「ふーん。あたしはてっきり華押さんが住吉君に応援されているのを見て羨ましがっているのかと思ったんだけどね」
赤坂は高野を揶揄うように笑う。
「そ、そんなんじゃ……」
語尾が小さくなる高野に赤坂が追撃を行う。
「うふふ、ひーちゃんかわいいなぁ。そんなに住吉君のこと気に入っちゃった?」
「ち、違うからね。ただ、その……」
「ただ、なによ?」
「う、うぅぅ」
「ここまで言っちゃったんだから。全部言っちゃいなさいよ」
「だ、誰にも言わない?」
「はいはい、誰にも言わないから」
「絶対だからね。言ったら絶交だからね」
「言わないから」
呆れたような言い方で促す赤坂に、高野はついに陥落。
「そ、その住吉君ってあの幼馴染のふたりを凄く大事にしてるじゃない」
「そうね、それは分かるわ」
「で、あんなハイスペックな男の子にあんな風に大事にされるってどんな感じかなって言うのとちょっと羨ましいなって。それだけよ」
「ふーん、それだけ……ね」
微妙に頬を染める高野の言葉に、赤坂は何やら感じ取りニヤニヤと温かい目で高野を見ていた。
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