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第42話 特集
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「おい、住吉がとんでもないことしたらしいぞ」
朝の喧騒の中、桜と楓を掴まえた多賀が叫んでいる。
「とんでもないこと?」
「アメリカのプロサッカーリーグの公式戦に出たらしい」
「それ本当なの?」
楓が確かめる。
「まだ俺も正確には知らないんだ。でも今日夕方のサッカーチャンネルでなんかやるらしい」
騒ぐ多賀をぼんやり眺めながら
「愛翔がプロ?」
桜がつぶやいた。
放課後、部活も終わり空も茜色に変わり始めているなか、6人の少年少女がワイワイと騒ぎながら歩いている。先頭に多賀、そのすぐ後ろに桜と楓、そして藤島と理子のカップルが腕を絡めながらついていき、最後尾に剣崎がいた。
「いや、サッカー部は今日その話題で練習にならなかったんだよ」
藤島が愚痴のように口に乗せる。
「そうそう、15歳の日本人プロサッカー選手が……ってな」
剣崎も興奮気味だ。
「そしてそれが俺の中学時代からのライバルだ……イテ」
多賀が言いかけたところで藤島が頭にチョップを入れた。
「お前のは、一方通行だろうが。そもそも住吉は多賀の事を覚えているかどうかさえ怪しいっての」
「うぉ、そ、それは言っちゃだめな奴だから」
胸を抑えて蹲る演技をする多賀。なんだかんだ言って楽しそうだ。一方桜と楓は未だに不安そうにしている。
「愛翔、向こうでプロになっちゃうのかな?」
「そんなわけないじゃない。愛翔は帰ってくるって約束したんだもの。愛翔が約束を破ったことないでしょ」
不安を口にする桜に楓が大丈夫だとなだめる。
「さ、適当に座ってくれ」
リビングにメンバーを招き入れテレビのスイッチを入れる多賀。愛翔の出場したゲームが特番として放送されるということで多賀の家に集まったメンバーも目を見張っている。
「多賀の家には、初めてきたけど結構豪華だな」
「ここだけな。親父が凝ってるんだ。そのおかげで俺も大画面、高画質、高音質で色々見れるんだけどな。地上波だけじゃなく、BS、CS、ネット配信までここに繋いでくれてるから、こういう時には助かるし」
「で、その特番ってのは?」
「18時からだから、そろそろだな」
そう言うと多賀はチャンネルを合わせた。テレビから流れるノリのいいテーマソングに続いてアナウンサーが挨拶をする。
「今回は、MLSに彗星のように現れた現代のシンデレラボーイ、住吉愛翔さんをご紹介します」
愛翔のプレーのスチルがカットインしアナウンサーによる愛翔の紹介が始まった。
「住吉愛翔さん。〇〇〇〇年7月28日生まれの15歳。アメリカのハイスクール10thG、日本でなら高校1年生です。アメリカは9月始まり6月終わりですので来月で10thGは終了ですね。小学校時代は幼馴染さんと一緒にミニバスケットで活躍し、全国大会MVPとなったこともあるスポーツマンです。今でも時に街角でストリートバスケットボールを楽しむこともあり、地域のナンバーワンセンターとワンオンワンで競い合い勝ち越しているとか」
そこで愛翔の小学校時代ミニバスケットでMVPに選ばれ表彰台に立つ姿が映る。その隣には小学校時代の桜の姿も写っている。
「あ、あれ桜じゃん。小学6年生のミニバス全国大会のMVP表彰の時だ」
楓の指摘に桜がいきなり照れ始める。
「中学に入りサッカー部に入ったのがサッカーとの出会いだそうですが、親御さんの仕事の都合で中学1年の夏に渡米し、地元のクラブチームに所属。そして先日U18に昇格。直後にトップチームのフォワードが体調不良で戦線離脱したため急遽招聘され今回スポットでのMLSデビューとなりました」
それに対しゲストの女性がコメントを挟む。
「15歳でMLSにスポットとは言え参戦って凄いですね。……あれ?15歳ですよね。9thGじゃないんですか?」
「そこが住吉愛翔さんの素晴らしいところのひとつです。なんと学業も優秀で3年目にして1年スキップして10thGに在籍しているんです」
「サッカーで活躍しながら学業もって凄いですね」
「そうなんです。では、そんな住吉愛翔さんの日常をハイスクールでの生活からピッチでのプレイまでご覧いただきましょう」
そこからは明るいBGMを背景に愛翔の日常が写された。ハイスクールでクリスやケイトをはじめ男女問わず多くの友人たちと笑顔で会話し肩を組み笑い合う愛翔。真剣な顔で講義を受け質疑応答をする愛翔。ハイスクールでの様々なシーンで生き生きと過ごす愛翔が映し出された。
そこでカメラが切り替わりクラブでの練習シーンが映される。ライン際1回りも2回りも大きな選手を相手にボールを運ぶ、鋭く切り込み決定的なパスを送る、フィールド中央で大人と子供ほども対格差のある相手と1対1でボールを奪う、相手ディフェンダーを躱しミドルシュートを決める。愛翔の活躍が映し出されていた。
「このようにハイスクールやクラブのU18で活躍されているんですね」
「凄いですね、ハイスクールでもグラウンドでも人の中心にいて」
「そして、そんな住吉愛翔さんがMLSにスポットで参戦された時の映像がこちらになります」
キックオフ直後にフリーでパスを受けシュートをする、パスを受けラインぎわを駆けあがりアーロンにセンタリングを上げる、後半に入り執拗なマークにボロボロになりながらもタイムアップ直前のロスタイムにシュートをする。ゲーム後に両チームから祝福を受ける存在感を示した愛翔が映る。
そんな愛翔を見て
「これ、本当に俺たちと同学年なのか?」
ぽつりともらす藤島の声にサッカー部のふたりは大きく頷いていた。
そして特番は進み
「では、最後にMLS参戦時の住吉愛翔さんのインタビューをご覧いただきましょう」
そこには堂々とインタビューに答える愛翔の姿があった、そして最後のインタビューに移ろうかという時に愛翔の両サイドから美少女ふたりが抱きついた。そして愛翔の口からこぼれた言葉は
「They are my girlfriends」
日本語訳でこそ
『彼女たちは友達です』
とされていたものの桜にも楓にも聞こえてしまっていた。
朝の喧騒の中、桜と楓を掴まえた多賀が叫んでいる。
「とんでもないこと?」
「アメリカのプロサッカーリーグの公式戦に出たらしい」
「それ本当なの?」
楓が確かめる。
「まだ俺も正確には知らないんだ。でも今日夕方のサッカーチャンネルでなんかやるらしい」
騒ぐ多賀をぼんやり眺めながら
「愛翔がプロ?」
桜がつぶやいた。
放課後、部活も終わり空も茜色に変わり始めているなか、6人の少年少女がワイワイと騒ぎながら歩いている。先頭に多賀、そのすぐ後ろに桜と楓、そして藤島と理子のカップルが腕を絡めながらついていき、最後尾に剣崎がいた。
「いや、サッカー部は今日その話題で練習にならなかったんだよ」
藤島が愚痴のように口に乗せる。
「そうそう、15歳の日本人プロサッカー選手が……ってな」
剣崎も興奮気味だ。
「そしてそれが俺の中学時代からのライバルだ……イテ」
多賀が言いかけたところで藤島が頭にチョップを入れた。
「お前のは、一方通行だろうが。そもそも住吉は多賀の事を覚えているかどうかさえ怪しいっての」
「うぉ、そ、それは言っちゃだめな奴だから」
胸を抑えて蹲る演技をする多賀。なんだかんだ言って楽しそうだ。一方桜と楓は未だに不安そうにしている。
「愛翔、向こうでプロになっちゃうのかな?」
「そんなわけないじゃない。愛翔は帰ってくるって約束したんだもの。愛翔が約束を破ったことないでしょ」
不安を口にする桜に楓が大丈夫だとなだめる。
「さ、適当に座ってくれ」
リビングにメンバーを招き入れテレビのスイッチを入れる多賀。愛翔の出場したゲームが特番として放送されるということで多賀の家に集まったメンバーも目を見張っている。
「多賀の家には、初めてきたけど結構豪華だな」
「ここだけな。親父が凝ってるんだ。そのおかげで俺も大画面、高画質、高音質で色々見れるんだけどな。地上波だけじゃなく、BS、CS、ネット配信までここに繋いでくれてるから、こういう時には助かるし」
「で、その特番ってのは?」
「18時からだから、そろそろだな」
そう言うと多賀はチャンネルを合わせた。テレビから流れるノリのいいテーマソングに続いてアナウンサーが挨拶をする。
「今回は、MLSに彗星のように現れた現代のシンデレラボーイ、住吉愛翔さんをご紹介します」
愛翔のプレーのスチルがカットインしアナウンサーによる愛翔の紹介が始まった。
「住吉愛翔さん。〇〇〇〇年7月28日生まれの15歳。アメリカのハイスクール10thG、日本でなら高校1年生です。アメリカは9月始まり6月終わりですので来月で10thGは終了ですね。小学校時代は幼馴染さんと一緒にミニバスケットで活躍し、全国大会MVPとなったこともあるスポーツマンです。今でも時に街角でストリートバスケットボールを楽しむこともあり、地域のナンバーワンセンターとワンオンワンで競い合い勝ち越しているとか」
そこで愛翔の小学校時代ミニバスケットでMVPに選ばれ表彰台に立つ姿が映る。その隣には小学校時代の桜の姿も写っている。
「あ、あれ桜じゃん。小学6年生のミニバス全国大会のMVP表彰の時だ」
楓の指摘に桜がいきなり照れ始める。
「中学に入りサッカー部に入ったのがサッカーとの出会いだそうですが、親御さんの仕事の都合で中学1年の夏に渡米し、地元のクラブチームに所属。そして先日U18に昇格。直後にトップチームのフォワードが体調不良で戦線離脱したため急遽招聘され今回スポットでのMLSデビューとなりました」
それに対しゲストの女性がコメントを挟む。
「15歳でMLSにスポットとは言え参戦って凄いですね。……あれ?15歳ですよね。9thGじゃないんですか?」
「そこが住吉愛翔さんの素晴らしいところのひとつです。なんと学業も優秀で3年目にして1年スキップして10thGに在籍しているんです」
「サッカーで活躍しながら学業もって凄いですね」
「そうなんです。では、そんな住吉愛翔さんの日常をハイスクールでの生活からピッチでのプレイまでご覧いただきましょう」
そこからは明るいBGMを背景に愛翔の日常が写された。ハイスクールでクリスやケイトをはじめ男女問わず多くの友人たちと笑顔で会話し肩を組み笑い合う愛翔。真剣な顔で講義を受け質疑応答をする愛翔。ハイスクールでの様々なシーンで生き生きと過ごす愛翔が映し出された。
そこでカメラが切り替わりクラブでの練習シーンが映される。ライン際1回りも2回りも大きな選手を相手にボールを運ぶ、鋭く切り込み決定的なパスを送る、フィールド中央で大人と子供ほども対格差のある相手と1対1でボールを奪う、相手ディフェンダーを躱しミドルシュートを決める。愛翔の活躍が映し出されていた。
「このようにハイスクールやクラブのU18で活躍されているんですね」
「凄いですね、ハイスクールでもグラウンドでも人の中心にいて」
「そして、そんな住吉愛翔さんがMLSにスポットで参戦された時の映像がこちらになります」
キックオフ直後にフリーでパスを受けシュートをする、パスを受けラインぎわを駆けあがりアーロンにセンタリングを上げる、後半に入り執拗なマークにボロボロになりながらもタイムアップ直前のロスタイムにシュートをする。ゲーム後に両チームから祝福を受ける存在感を示した愛翔が映る。
そんな愛翔を見て
「これ、本当に俺たちと同学年なのか?」
ぽつりともらす藤島の声にサッカー部のふたりは大きく頷いていた。
そして特番は進み
「では、最後にMLS参戦時の住吉愛翔さんのインタビューをご覧いただきましょう」
そこには堂々とインタビューに答える愛翔の姿があった、そして最後のインタビューに移ろうかという時に愛翔の両サイドから美少女ふたりが抱きついた。そして愛翔の口からこぼれた言葉は
「They are my girlfriends」
日本語訳でこそ
『彼女たちは友達です』
とされていたものの桜にも楓にも聞こえてしまっていた。
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