56 / 314
第56話 イジメの後
しおりを挟む
「花火大会の時のを見られたんだな。華押さんごめん、あんな場所で俺が迂闊だった」
部活も終わった放課後の帰り道、剣崎がボソリと桜に対して謝罪の言葉を口にした。
「え?ううん。剣崎君が悪いわけじゃないよ。そこは分かってるから」
「そう、桜の言う通りよ。剣崎君は桜に告白して振られただけ。それは恋愛では普通にあること。他人がどうこう言うこと自体がおかしいの。悪いのはあくまでも悪意を持って行動して嫌がらせをしてきた誰かよ」
剣崎に罪は無いと諭す桜と楓。
「それでも俺の華押さんへの告白が切っ掛けになっているのは間違いないよな」
「そうね。あと、ひとつだけ言うとすれば剣崎君が自分の人気に無頓着すぎたってのはあるわね」
「う、そ、それは。なんというか申し訳ない」
「ま、そうは言っても嫌がらせをしていい理由にはならないけどね」
「それで、どうしたら……」
「う~ん、対処法は多分あってると思うけど、うまくやれるかどうか。私の目の届く範囲では嫌がらせをさせないように出来ると思うけど……」
「相手の人数次第なところもあるわね」
理子も心配そうに口を挟む。
「愛翔早く帰ってきて」
小さく呟く楓の声は誰の耳にも届かず風に消えていった。
そこに剣崎が意を決したように口を開く。
「華押さん」
その声に5人が顔を向ける。
「このタイミングで言うのは卑怯かもしれないけど、俺と付き合ってくれませんか」
「な、何を言い出すの」
楓が憤然とする。
「剣崎君、あたしの返事は変わらないわ。剣崎君を恋愛対象としては見られないもの」
桜も否定的な言葉を返す。
「うん、何もいきなり本当の恋人になってくれって事でもないんだ」
桜も楓も怪訝な表情だ。
「お試し的に付き合ってもらうのもダメかな。そこまで可能性無いかな?それに俺と付き合っているって事になればこの嫌がらせもある程度収まるんじゃないかって思うんだよ」
「剣崎君、それはあまりにも……」
楓が否定を言葉を口にするけれど
「あたしはアリだともうわよ桜。それにこれだけ慕ってくれている剣崎君にも少しはチャンスをあげてもいいんじゃない?」
理子は肯定的だ。
「まあ無理にとは言えないけど、俺も剣崎にチャンスをやって欲しいとは思う」
藤島もここがチャンスと肯定の言葉を口にした。
「で、でも……」
困惑顔の桜は助けを求めるように楓を見る。
「私は反対ね。ここでそんなふうに付き合ったら桜絶対に後悔するわよ」
楓は完全に否定的だ。
「そんな硬く考えなくてもいいんじゃないか?剣崎も正式にってことじゃなくお試し的にって言っているわけだし」
多賀もそこまで頑なにならなくてもと剣崎の肩を持つ。それでも楓が再度否定の言葉を口にした。
「硬くもな何もそんな事をしたら桜は後で絶対に後悔する。きっと死にたいと思う位に。だから私は反対よ」
そんな楓の言葉に理子が被せる。
「そんな大げさな。剣崎君てカッコいいから付き合っていれば好きになれるんじゃない?それにあくまでもお試しなんだから」
「桜、愛翔との約束があるでしょう」
「う、うん」
桜にとっても愛翔との約束はとても大切なもの、そう簡単に忘れられるものではない。
「愛翔ってあの住吉愛翔のことか?」
剣崎の反応が大きい。
「桜、これははっきり言っちゃったほうが良いわよ」
そこから桜は愛翔がアメリカに渡るときに告白したこと、3年で戻り、その時に返事をもらう約束をしていることなどを話した。
「でも3年だろう。そんな前の話、向こうだって忘れてるんじゃないの?」
藤島は疑問を口にし、さらに続けた
「それにMLSでのインタビューでも女の子にもててたし、住吉も向こうで彼女つくってたりするんじゃないのか?てかそもそも本当に帰ってくるのか、あいつ将来有望なサッカー選手だろ?あのままむこうでプロになるんじゃねぇの」
「愛翔は帰ってくるわよ。愛翔はあたし達には嘘つかないもの」
「いや、この場合は嘘ってのとは違うだろう。さすがに将来の進路のことだからな」
藤島が食い下がる。
「愛翔は、日本で大学卒業してから決めるって手紙に書いて来てたもの」
「3年越しの約束ってとってもロマンチックだけど、あたしもさすがに無理があると思うな」
理子も追撃をする。
「それにあくまでもお試しだから、そんな固く考えないで欲しいかな」
剣崎もここは引かない。
・
・
・
翌日、剣崎の横に並んで登校する桜の姿があった……
部活も終わった放課後の帰り道、剣崎がボソリと桜に対して謝罪の言葉を口にした。
「え?ううん。剣崎君が悪いわけじゃないよ。そこは分かってるから」
「そう、桜の言う通りよ。剣崎君は桜に告白して振られただけ。それは恋愛では普通にあること。他人がどうこう言うこと自体がおかしいの。悪いのはあくまでも悪意を持って行動して嫌がらせをしてきた誰かよ」
剣崎に罪は無いと諭す桜と楓。
「それでも俺の華押さんへの告白が切っ掛けになっているのは間違いないよな」
「そうね。あと、ひとつだけ言うとすれば剣崎君が自分の人気に無頓着すぎたってのはあるわね」
「う、そ、それは。なんというか申し訳ない」
「ま、そうは言っても嫌がらせをしていい理由にはならないけどね」
「それで、どうしたら……」
「う~ん、対処法は多分あってると思うけど、うまくやれるかどうか。私の目の届く範囲では嫌がらせをさせないように出来ると思うけど……」
「相手の人数次第なところもあるわね」
理子も心配そうに口を挟む。
「愛翔早く帰ってきて」
小さく呟く楓の声は誰の耳にも届かず風に消えていった。
そこに剣崎が意を決したように口を開く。
「華押さん」
その声に5人が顔を向ける。
「このタイミングで言うのは卑怯かもしれないけど、俺と付き合ってくれませんか」
「な、何を言い出すの」
楓が憤然とする。
「剣崎君、あたしの返事は変わらないわ。剣崎君を恋愛対象としては見られないもの」
桜も否定的な言葉を返す。
「うん、何もいきなり本当の恋人になってくれって事でもないんだ」
桜も楓も怪訝な表情だ。
「お試し的に付き合ってもらうのもダメかな。そこまで可能性無いかな?それに俺と付き合っているって事になればこの嫌がらせもある程度収まるんじゃないかって思うんだよ」
「剣崎君、それはあまりにも……」
楓が否定を言葉を口にするけれど
「あたしはアリだともうわよ桜。それにこれだけ慕ってくれている剣崎君にも少しはチャンスをあげてもいいんじゃない?」
理子は肯定的だ。
「まあ無理にとは言えないけど、俺も剣崎にチャンスをやって欲しいとは思う」
藤島もここがチャンスと肯定の言葉を口にした。
「で、でも……」
困惑顔の桜は助けを求めるように楓を見る。
「私は反対ね。ここでそんなふうに付き合ったら桜絶対に後悔するわよ」
楓は完全に否定的だ。
「そんな硬く考えなくてもいいんじゃないか?剣崎も正式にってことじゃなくお試し的にって言っているわけだし」
多賀もそこまで頑なにならなくてもと剣崎の肩を持つ。それでも楓が再度否定の言葉を口にした。
「硬くもな何もそんな事をしたら桜は後で絶対に後悔する。きっと死にたいと思う位に。だから私は反対よ」
そんな楓の言葉に理子が被せる。
「そんな大げさな。剣崎君てカッコいいから付き合っていれば好きになれるんじゃない?それにあくまでもお試しなんだから」
「桜、愛翔との約束があるでしょう」
「う、うん」
桜にとっても愛翔との約束はとても大切なもの、そう簡単に忘れられるものではない。
「愛翔ってあの住吉愛翔のことか?」
剣崎の反応が大きい。
「桜、これははっきり言っちゃったほうが良いわよ」
そこから桜は愛翔がアメリカに渡るときに告白したこと、3年で戻り、その時に返事をもらう約束をしていることなどを話した。
「でも3年だろう。そんな前の話、向こうだって忘れてるんじゃないの?」
藤島は疑問を口にし、さらに続けた
「それにMLSでのインタビューでも女の子にもててたし、住吉も向こうで彼女つくってたりするんじゃないのか?てかそもそも本当に帰ってくるのか、あいつ将来有望なサッカー選手だろ?あのままむこうでプロになるんじゃねぇの」
「愛翔は帰ってくるわよ。愛翔はあたし達には嘘つかないもの」
「いや、この場合は嘘ってのとは違うだろう。さすがに将来の進路のことだからな」
藤島が食い下がる。
「愛翔は、日本で大学卒業してから決めるって手紙に書いて来てたもの」
「3年越しの約束ってとってもロマンチックだけど、あたしもさすがに無理があると思うな」
理子も追撃をする。
「それにあくまでもお試しだから、そんな固く考えないで欲しいかな」
剣崎もここは引かない。
・
・
・
翌日、剣崎の横に並んで登校する桜の姿があった……
0
あなたにおすすめの小説
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
∞
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の逢坂玲人は入学時から髪を金色に染め、無愛想なため一匹狼として高校生活を送っている。
入学して間もないある日の放課後、玲人は2年生の生徒会長・如月沙奈にロープで拘束されてしまう。それを解く鍵は彼女を抱きしめると約束することだった。ただ、玲人は上手く言いくるめて彼女から逃げることに成功する。そんな中、銀髪の美少女のアリス・ユメミールと出会い、お互いに好きな猫のことなどを通じて彼女と交流を深めていく。
しかし、沙奈も一度の失敗で諦めるような女の子ではない。玲人は沙奈に追いかけられる日々が始まる。
抱きしめて。生徒会に入って。口づけして。ヤンデレな沙奈からの様々な我が儘を通して見えてくるものは何なのか。見えた先には何があるのか。沙奈の好意が非常に強くも温かい青春ラブストーリー。
※タイトルは「むげん」と読みます。
※完結しました!(2020.7.29)
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
この男子校の生徒が自分以外全員男装女子だということを俺だけが知っている
夏見ナイ
恋愛
平凡な俺、相葉祐樹が手にしたのは、ありえないはずの超名門男子校『獅子王院学園』からの合格通知。期待を胸に入学した先は、王子様みたいなイケメンだらけの夢の空間だった!
……はずが、ある夜、同室のクールな完璧王子・橘玲が女の子であるという、学園最大の秘密を知ってしまう。
なんとこの学園、俺以外、全員が“訳アリ”の男装女子だったのだ!
秘密の「共犯者」となった俺は、慣れない男装に悩む彼女たちの唯一の相談相手に。
「祐樹の前でだけは、女の子でいられる……」
クールなイケメンたちの、俺だけに見せる甘々な素顔と猛アプローチにドキドキが止まらない!
秘密だらけで糖度120%の学園ラブコメ、開幕!
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる