幼馴染の初恋は月の女神の祝福の下に

景空

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第106話 練習

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 ステラスポーツセンターのフィールドの隅で愛翔は身体を動かしていた。
軽いジョギングから動的ストレッチ、短い距離のダッシュ&ターンでウォーミングアップをすませる。
そこからはボールを使った基礎トレーニング。
マーカーを置いたドリブル。
ボールを地においてのボールタッチ。
インサイドキック、アウトサイドキック、肩、背中、額、足裏、身体のあらゆる部分を使ったリフティング。
そのあとは各種ドリブルテクニックの確認。
ボールをサイドに確保し逆サイドに転がす、そのボールを跨いで足裏で止め、更に逆方向に切り返す、ファルカンフェイント。アウトサイドでボールを押し出しつつそのまま素早くインサイドで切り返すエラシコ。右足つま先でボールを引き寄せ左足の足裏で受けつつ右足を軸にターン、体の回転に合わせて左足裏でボールを引き寄せ回転後の右足でフォロータッチを行いながら目的方向に抜ける、マルセイユルーレット。右左右左とボールを跨ぎ運ぶシザースフェイント。ドリブルからボールを軸足のくるぶしの後ろ側と逆足の内側で進行方向に対して斜めに挟みながら擦り上げ浮き上がったボールを軸足の踵で蹴り上げるヒールキック。ボールを軸足のくるぶしの後ろ側と逆足の前方内側で進行方向に対して斜めに挟みながら、軸足のふくらはぎに沿って擦り上げ浮き上がったボールを軸足の内側でさらに巻き上げさらに逆足のかかとで蹴り上げる、ダブルヒールキック。
左右をかえ角度を試し何度も何度も繰り返し反復練習を行う。

そしてしばらく反復練習を行った後、少し目を瞑り頭の中でイメージをつくり、今までとは違った動きを行う愛翔。ボールを前に運びながら少し後方に引いて止め縦に抜けるモーションを交え軸足の内側でボールを逆足の内側に勢いよく当てて浮かし、それを軸足のかかとで進行方向へ蹴り上げ……そこね、ボールはあらぬ方向に転がった。
「んん、いきなりうまくはいかないか。難しいなやっぱり」
そこに愛翔と同じく自主練をしていたステラスターFCU18メンバーの1人、乃村とセンターフォワードを争う芦原が愛翔に声を掛けてきた。
「住吉。今のは?」
「ん?おう芦原か」
「よう。で、今のはなんだ?あまり見たことのないヒールキックに見えたけど」
芦原の疑問に
「ん、ネットで見つけたフットサルの映像に映ってたんだ。で、出来ないかと思ってトライしたんだが、思ったより難しかった」
「ふぅん、住吉でもそういうのあるんだな」
芦原の言いように愛翔は眉をしかめ
「俺を何だと思ってるのかわからないけど、新しい技術は何度も練習して身に着けているんだからな。俺だって最初からなんでもできる訳じゃないぞ」
愛翔の言葉に芦原も気まずくなったのか
「いや、すまん。そういうつもりじゃなかった」
「まあ、いいや。それよりせっかくいるなら、軽く1対1の相手してくれないか?」
そこからは、芦原と愛翔がオフェンス・ディフェンスを交代しながら1対1を行った。
しばらく1対1を続け
「ふぅ、こんなもんかな。芦原ありがとう。今日はフィールドはこれくらいにしとく」
愛翔は芦原に手を振りフィールドから引き揚げステラスポーツセンター内にあるジムに移動した。途中で桜に”基礎トレ終わった。今からジム”と簡単にメッセージを飛ばす。
ジムに入ると、愛翔は受付に会員証を提示して個別カルテを受け取りトレーニングエリアに移動した。項目ごとにインストラクターに声を掛け黙々とメニューをこなす愛翔。額に球の汗が光り鍛えた身体が決められた動きを正確に追う。
決められたメニューを全てこなし全身の筋肉をイジメ抜いた愛翔はトレーニングエリアからレストエリアに移動しスマホを確認した。
『お弁当持って向かってる。でも楓に見つかって、一緒に行くことになったの。2人きりでのお弁当とプールじゃなくなったのはちょっと残念』
可愛らしいクマがいじけているスタンプが一緒に送られてきていた。
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