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第174話 やってやるよ
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後半、東京バンデットFCU18ボールでのキックオフ。
ライトウィングのポジションに着いた愛翔の逆サイドに振った。明らかに愛翔とのマッチアップを嫌った動きだ。愛翔や時枝としてはせっかく動揺してくれているのだからプレーを進めて落ち着かせるつもりはない。
「住吉」
時枝が大きく腕を振り愛翔に呼びかける。愛翔は自陣中央にポジションを移動、相手のパスコースを潰す。正確には多少のコースはあえて開けてあるのだけれど、愛翔のスピードなら……。ステラスターFCディフェンダーに追い詰められた東京バンデットFCフォワードが愛翔があえて開けていたパスコースにすがるようなパスを、そして当然のように愛翔がパスカットに成功する。そして、ステラスターFCU18 のメンバーは、それが当然というかのように全員が既に敵陣に向かい走り始めていた。愛翔はチラリと確認するとレフトウィング本田に大きくフィード。そのまま前線に向かう。本田も中々の勢いで敵陣奥に切り込んでいくもののディフェンダーの動きが良い。攻めあぐねたところで愛翔から声が掛かった。
「本田、こっちに戻せ」
本田は躊躇することなく愛翔に戻す。愛翔はいつものエリアに向かうように一瞬みせかけ、中央をドリブルで抉る。慌てて東京バンデットFCU18 の4バックディフェンダーのうちセンターバック2人が愛翔の前をふさぐ。
それを見た愛翔の口角が上がる。病み上がりの自分を45分しかプレイを許されない自分をサッカー選手として本気で評価してくれている。それが嬉しい。ならば尚更と愛翔は正面突破をはかる。未だ完全復活とは言えないものの白血病を患う前にはU18アメリカ代表クラスのディフェンダー2人を相手に1歩も引かず、抜ききった経験を活かし持ち前のテクニックでクルクルと体を入れ替えボールを支配下に置き続ける。相手ディフェンダーもじりじりしつつも不用意なチャージは行わない。最近の愛翔は相手のチャージをいなすことで相手を崩すことを得意としているし、相手チームにもそれは把握されているのだろう。
しかし、だからと言ってフェイントが苦手になったわけでは無い。基本のボディフェイント、ファルカンフェイント、シザースフェイント身に着けたテクニックで東京バンデットFCU18のディフェンダーを翻弄する。愛翔についていけずどんどんディフェンダーの態勢がくずれていく、先ほど本田の前を塞いだ相手ディフェンダーライトサイドバックの選手が慌ててフォローに入る。その瞬間愛翔の左足が小さく鋭くボールをアウトサイドで蹴った。愛翔に3人も掛かればステラスターFCU18の他のメンバーがフリーになる。完全フリーになった本田の目の前に愛翔からのパスがつながった。すかさず左45度ミドルシュートを放つ本田。しかし、今シーズンの東京バンデットFCU18のディフェンスの硬さはゴールキーパーも含めての話だった。フリーで撃った本田のミドルシュートは横っ飛びで飛び込んだゴールキーパーのファインセーブにより防がれてしまった。とは言えさすがにキャッチまでは出来ずゴール前に転がるボール。そこに愛翔が3人のディフェンダーを引きつけているうちにゴール前にたどり着いた今シーズンステラスターFCU18センターフォワードに定着した富澤圭一(とみざわ けいいち)がボールをキープ、そのままゴールに押し込む。”ピー”後半開始7分。ステラスターFCU18が先取点を獲得した。
愛翔は、自陣に戻りつつ敵陣の様子を観察し時枝と軽く打ち合わせをする。
「今の得点でバンデット側は落ち着いちまったみたいだな」
「ま、流石にEASTランキング3位だけのことはあるか」
「となると、ここからが本番だな」
愛翔は、いつものポジションでなく自陣中央右側にポジショニングする。
すると自然な動きでステラスターFCU18のメンバーがポジションを移動していた。
「時枝」
愛翔が、なんとなく察した顔で時枝を呼ぶ。
「俺が練習に参加していないときに何かしてたか?」
時枝はそれには何も答えず笑顔で不器用に右目を瞑ってみせた。
「へったくそなウィンクだな」
ま、事前に練習していたのは察した。愛翔は少し空を見上げ視線を戻したときには真剣な表情に戻しす。
「やってやるよ」
ライトウィングのポジションに着いた愛翔の逆サイドに振った。明らかに愛翔とのマッチアップを嫌った動きだ。愛翔や時枝としてはせっかく動揺してくれているのだからプレーを進めて落ち着かせるつもりはない。
「住吉」
時枝が大きく腕を振り愛翔に呼びかける。愛翔は自陣中央にポジションを移動、相手のパスコースを潰す。正確には多少のコースはあえて開けてあるのだけれど、愛翔のスピードなら……。ステラスターFCディフェンダーに追い詰められた東京バンデットFCフォワードが愛翔があえて開けていたパスコースにすがるようなパスを、そして当然のように愛翔がパスカットに成功する。そして、ステラスターFCU18 のメンバーは、それが当然というかのように全員が既に敵陣に向かい走り始めていた。愛翔はチラリと確認するとレフトウィング本田に大きくフィード。そのまま前線に向かう。本田も中々の勢いで敵陣奥に切り込んでいくもののディフェンダーの動きが良い。攻めあぐねたところで愛翔から声が掛かった。
「本田、こっちに戻せ」
本田は躊躇することなく愛翔に戻す。愛翔はいつものエリアに向かうように一瞬みせかけ、中央をドリブルで抉る。慌てて東京バンデットFCU18 の4バックディフェンダーのうちセンターバック2人が愛翔の前をふさぐ。
それを見た愛翔の口角が上がる。病み上がりの自分を45分しかプレイを許されない自分をサッカー選手として本気で評価してくれている。それが嬉しい。ならば尚更と愛翔は正面突破をはかる。未だ完全復活とは言えないものの白血病を患う前にはU18アメリカ代表クラスのディフェンダー2人を相手に1歩も引かず、抜ききった経験を活かし持ち前のテクニックでクルクルと体を入れ替えボールを支配下に置き続ける。相手ディフェンダーもじりじりしつつも不用意なチャージは行わない。最近の愛翔は相手のチャージをいなすことで相手を崩すことを得意としているし、相手チームにもそれは把握されているのだろう。
しかし、だからと言ってフェイントが苦手になったわけでは無い。基本のボディフェイント、ファルカンフェイント、シザースフェイント身に着けたテクニックで東京バンデットFCU18のディフェンダーを翻弄する。愛翔についていけずどんどんディフェンダーの態勢がくずれていく、先ほど本田の前を塞いだ相手ディフェンダーライトサイドバックの選手が慌ててフォローに入る。その瞬間愛翔の左足が小さく鋭くボールをアウトサイドで蹴った。愛翔に3人も掛かればステラスターFCU18の他のメンバーがフリーになる。完全フリーになった本田の目の前に愛翔からのパスがつながった。すかさず左45度ミドルシュートを放つ本田。しかし、今シーズンの東京バンデットFCU18のディフェンスの硬さはゴールキーパーも含めての話だった。フリーで撃った本田のミドルシュートは横っ飛びで飛び込んだゴールキーパーのファインセーブにより防がれてしまった。とは言えさすがにキャッチまでは出来ずゴール前に転がるボール。そこに愛翔が3人のディフェンダーを引きつけているうちにゴール前にたどり着いた今シーズンステラスターFCU18センターフォワードに定着した富澤圭一(とみざわ けいいち)がボールをキープ、そのままゴールに押し込む。”ピー”後半開始7分。ステラスターFCU18が先取点を獲得した。
愛翔は、自陣に戻りつつ敵陣の様子を観察し時枝と軽く打ち合わせをする。
「今の得点でバンデット側は落ち着いちまったみたいだな」
「ま、流石にEASTランキング3位だけのことはあるか」
「となると、ここからが本番だな」
愛翔は、いつものポジションでなく自陣中央右側にポジショニングする。
すると自然な動きでステラスターFCU18のメンバーがポジションを移動していた。
「時枝」
愛翔が、なんとなく察した顔で時枝を呼ぶ。
「俺が練習に参加していないときに何かしてたか?」
時枝はそれには何も答えず笑顔で不器用に右目を瞑ってみせた。
「へったくそなウィンクだな」
ま、事前に練習していたのは察した。愛翔は少し空を見上げ視線を戻したときには真剣な表情に戻しす。
「やってやるよ」
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