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第179話 合格
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「姉さんT大合格おめでとう」
「「「丘先輩、T大合格おめでとうございます」」」
「ありがとう。ちょっとホッとしたわ。自信はあったけど合格が決まるまではさすがに落ち着かなかったから」
愛翔たち4人は丘のT大合格祝いのミニパーティーをしようと愛翔の家に集まっている。
「T大だと学部って専門課程に移行するときに本格的に決めるんですよね。文系に入ればどこからでも成績次第で行きたい学部に上がれるとか」
楓が良く分からないシステムねとつぶやいた。
「フフフ、それでも一応の流れはあるのよ。文科1類なら法律、2類なら経済、3類なら文学がそれぞれの基本的な進路よ。ただどうしても変えたい人は頑張れば変えられる。そういうシステムなの」
「へえ、じゃあある程度の方向性さえ決めれば普通の大学に進むより2年長く考えられるんだ」
丘の説明に愛翔は何か感じるものがあったようだ。
「そうね、それに、あなた達3人とも狙えるのでしょ?志望に合うようだったらどうかしら?合格したら大学も一緒に通えるわよ。特に教養課程だと多少学部が違っても共通の講義もあるみたいだから一緒に受講もできるかもしれないわよ。中には学年が違っても受けられる講義もあるみたいだから私も一緒に……」
丘は途中で気づいて言葉を止めた。頬がほんのりと桃色に染まっている。
「丘先輩」
桜が丘に抱きついていく。楓もそっと丘の後ろから桜ごと抱き寄せる。そして愛翔が
「姉さん。去年まで別々の人生を送ってきた姉弟だけど、これからは……」
そう言いながら3人をそっと抱え込むように抱き寄せる。
「あ、でも姉さんは姉さんだからね」
愛翔は自分がちょっと勘違いをしていないか心配になって一言加える。
「くす、当たり前じゃない。3人と仲良くしたいって思っているだけよ。あ、愛翔君まさか私を桜ちゃんや楓ちゃんと同じだって思った?」
「姉さん。言い方。それとなんで微妙に頬を染めてんのさ。誤解してくれって言ってるようなもんだろうそれ。ひょっとしてわざとやってる?」
愛翔がため息をつきつつ言い返す。
「ふふふ、愛翔君とは姉弟だけど、姉弟らしい生活してきてないじゃない。少しでも世間の姉弟に近づきたいかなって。それに桜ちゃんや楓ちゃんとももっと仲良くなりたいしね」
丘はいたずらっ子の顔で綺麗なウィンクを返す。
「ま、いいや。とりあえずテーブルについてよ。簡単なものだけど俺たち3人で作ったから」
いつまでも止まりそうもなかったのを愛翔がテーブルに誘う。
テーブルには3人で作って持ち寄った料理が並んでいる。テーブルの真ん中にはホールのフルーツタルト。タルトを囲むようにローストチキン、ミートローフ、アサリのパエリア、パンプキンポタージュスープ、カットフルーツ盛り合わせ。
「うわあ、本当にこれ全部3人の手作り?」
「イエス。フルーツタルトとミートローフが桜。ローストチキンとパンプキンポタージュが楓。アサリのパエリア、とカットフルーツが俺。む、こうやって並べると俺だけちょっとしょぼいな」
愛翔がちょっとだけ考え込んだ。
「あはは、そこはさ、あたしと楓は女の子だからって事にしようよ」
「そうそう、そんなことよりすわろ。丘先輩も」
桜と楓が話を戻し丘が嬉しそうに微笑んでいる。
「じゃ、あらためて。姉さん、T大合格おめでとう」
「「丘先輩おめでとうございます」」
「ありがとう。嬉しいな」
そして、愛翔たち3人がそれぞれラッピングされた箱を取り出す。
「これ、合格祝いのプレゼント」
「「あたし(私)も」」
愛翔からはボールペンと万年筆のセット。桜からはブランド品のピンクのパスケース、楓からはシステム手帳だった。
愛翔、桜、楓それぞれから渡されたプレゼントに丘の瞳が潤む。
「ありがとう。大切にするね」
「それにしても、愛翔君とこんなふうに話せるようになるなんてね。あの時勇気を出してよかったわ」
「確かにね。俺も当時”姉”がいることは知ってたけど。まさか光野でこうやって仲良くなれるなんて思ってなかったな。しかも命の恩人に……」
「ああ、そっちは言いっこなし。愛翔君が逆の立場でも同じことしてくれたでしょ」
そう言われてしまえば愛翔としても黙るしかなくて
「ああ、もう姉弟でイチャイチャしてないでよ」
桜が頬をぷっくりとふくらませ愛翔の左腕に抱きつきながら文句をつけた。そんな桜を愛翔はそっと抱き寄せ頭を撫でる。
「桜。姉さんは姉さんだよ」
そして隣にいる楓に
「楓も、そんな顔しないでくれよ」
苦笑しつつ手を伸ばし抱き寄せる。
「分かってるけど。やっぱり、ね。」
自身も苦笑しつつ楓も応えた。
「まあねえ、姉と言っても、実際のところ桜ちゃんと楓ちゃんが一緒に居た時間のほうが何倍も長いのだものね。頭では分かっていてもってところかしら。あなた達の中で愛翔君の家族枠には中々入らないってことねきっと」
”でも”と丘は続ける
「愛翔には桜ちゃんと楓ちゃんと幸せを作っていってほしいと思ってるのは分かってね」
「「「丘先輩、T大合格おめでとうございます」」」
「ありがとう。ちょっとホッとしたわ。自信はあったけど合格が決まるまではさすがに落ち着かなかったから」
愛翔たち4人は丘のT大合格祝いのミニパーティーをしようと愛翔の家に集まっている。
「T大だと学部って専門課程に移行するときに本格的に決めるんですよね。文系に入ればどこからでも成績次第で行きたい学部に上がれるとか」
楓が良く分からないシステムねとつぶやいた。
「フフフ、それでも一応の流れはあるのよ。文科1類なら法律、2類なら経済、3類なら文学がそれぞれの基本的な進路よ。ただどうしても変えたい人は頑張れば変えられる。そういうシステムなの」
「へえ、じゃあある程度の方向性さえ決めれば普通の大学に進むより2年長く考えられるんだ」
丘の説明に愛翔は何か感じるものがあったようだ。
「そうね、それに、あなた達3人とも狙えるのでしょ?志望に合うようだったらどうかしら?合格したら大学も一緒に通えるわよ。特に教養課程だと多少学部が違っても共通の講義もあるみたいだから一緒に受講もできるかもしれないわよ。中には学年が違っても受けられる講義もあるみたいだから私も一緒に……」
丘は途中で気づいて言葉を止めた。頬がほんのりと桃色に染まっている。
「丘先輩」
桜が丘に抱きついていく。楓もそっと丘の後ろから桜ごと抱き寄せる。そして愛翔が
「姉さん。去年まで別々の人生を送ってきた姉弟だけど、これからは……」
そう言いながら3人をそっと抱え込むように抱き寄せる。
「あ、でも姉さんは姉さんだからね」
愛翔は自分がちょっと勘違いをしていないか心配になって一言加える。
「くす、当たり前じゃない。3人と仲良くしたいって思っているだけよ。あ、愛翔君まさか私を桜ちゃんや楓ちゃんと同じだって思った?」
「姉さん。言い方。それとなんで微妙に頬を染めてんのさ。誤解してくれって言ってるようなもんだろうそれ。ひょっとしてわざとやってる?」
愛翔がため息をつきつつ言い返す。
「ふふふ、愛翔君とは姉弟だけど、姉弟らしい生活してきてないじゃない。少しでも世間の姉弟に近づきたいかなって。それに桜ちゃんや楓ちゃんとももっと仲良くなりたいしね」
丘はいたずらっ子の顔で綺麗なウィンクを返す。
「ま、いいや。とりあえずテーブルについてよ。簡単なものだけど俺たち3人で作ったから」
いつまでも止まりそうもなかったのを愛翔がテーブルに誘う。
テーブルには3人で作って持ち寄った料理が並んでいる。テーブルの真ん中にはホールのフルーツタルト。タルトを囲むようにローストチキン、ミートローフ、アサリのパエリア、パンプキンポタージュスープ、カットフルーツ盛り合わせ。
「うわあ、本当にこれ全部3人の手作り?」
「イエス。フルーツタルトとミートローフが桜。ローストチキンとパンプキンポタージュが楓。アサリのパエリア、とカットフルーツが俺。む、こうやって並べると俺だけちょっとしょぼいな」
愛翔がちょっとだけ考え込んだ。
「あはは、そこはさ、あたしと楓は女の子だからって事にしようよ」
「そうそう、そんなことよりすわろ。丘先輩も」
桜と楓が話を戻し丘が嬉しそうに微笑んでいる。
「じゃ、あらためて。姉さん、T大合格おめでとう」
「「丘先輩おめでとうございます」」
「ありがとう。嬉しいな」
そして、愛翔たち3人がそれぞれラッピングされた箱を取り出す。
「これ、合格祝いのプレゼント」
「「あたし(私)も」」
愛翔からはボールペンと万年筆のセット。桜からはブランド品のピンクのパスケース、楓からはシステム手帳だった。
愛翔、桜、楓それぞれから渡されたプレゼントに丘の瞳が潤む。
「ありがとう。大切にするね」
「それにしても、愛翔君とこんなふうに話せるようになるなんてね。あの時勇気を出してよかったわ」
「確かにね。俺も当時”姉”がいることは知ってたけど。まさか光野でこうやって仲良くなれるなんて思ってなかったな。しかも命の恩人に……」
「ああ、そっちは言いっこなし。愛翔君が逆の立場でも同じことしてくれたでしょ」
そう言われてしまえば愛翔としても黙るしかなくて
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桜が頬をぷっくりとふくらませ愛翔の左腕に抱きつきながら文句をつけた。そんな桜を愛翔はそっと抱き寄せ頭を撫でる。
「桜。姉さんは姉さんだよ」
そして隣にいる楓に
「楓も、そんな顔しないでくれよ」
苦笑しつつ手を伸ばし抱き寄せる。
「分かってるけど。やっぱり、ね。」
自身も苦笑しつつ楓も応えた。
「まあねえ、姉と言っても、実際のところ桜ちゃんと楓ちゃんが一緒に居た時間のほうが何倍も長いのだものね。頭では分かっていてもってところかしら。あなた達の中で愛翔君の家族枠には中々入らないってことねきっと」
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