幼馴染の初恋は月の女神の祝福の下に

景空

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第232話 昇格チャンス

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「さすが愛翔ね」
「へえ、やったじゃない」
練習が終わり合流した愛翔がアグラ・悠の言葉を伝えると桜と楓が最初に口にした。
「「「おめでとう」」」
高野・加藤・新本も続いて愛翔に祝福の言葉をかける。理沙と麗奈、そして直樹と慎一郎は後ろで微笑ましそうに見ていた。
「ありがとう、まだ油断できる状態じゃないけど嬉しいよ」
そこにスーツ姿の中が近づいてきた。
「住吉君、八森監督からの伝言です」
「はい、お聞きします」
愛翔も中に向き合い、聞く姿勢を作る。
「2週間後の対東京バンデットFC戦にスポットで招聘します。そのつもりで準備してください。結果次第では正式にトップチームへの昇格もあり得ます」
「いきなりですね。そんな簡単に?」
いきなり転がり始めた状況に愛翔も驚きと戸惑いを隠せずにいる。
「本日のミニゲームがテストだったのですよ。住吉君はそれに合格したのです。次はJ1のゲームで結果を出せるかどうかが最終試験のようなものですね」
”ただ”と中が言うには
「トップチームへの昇格自体は住吉君の高校卒業に配慮しある程度スケジュールを合わせた感じになると思います」
愛翔としても高校中退は避けたいため嬉しい配慮だった。そして、
「わかりました。チャンスをいただきありがとうございます。全力を尽くします」
中の言葉に、それまで戸惑いを浮かべていた愛翔の瞳に闘志が浮かんだ。
「あいとー、大チャンスじゃないの。応援するわ」
「愛翔、もちろん狙うわよね」
横で聞いていた桜と楓がはしゃいでいる。愛翔は頷き。
「2週間後ということは11月の第1週か。理沙さん、直樹さん、麗奈さん、慎一郎さん、J1のゲームで結果を出して見せます。そしてその後お話ししたいことがあります」

それを聞いて、そう言えばと桜が続ける。
「来週末は学校のハロウィンパーティーね。どうする?今年が最後だし参加する?」
「そうね、高校最後のハロウィンパーティーだもの、去年は余裕も無くて不参加だったし、今年は参加してみたいかな」
楓の参加希望に愛翔も頷いている。
「そのくらいの息抜きはしたいよな」
「それでね、提案があるのだけど」
楓が少し照れくさそうに話し始めた。
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