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第259話 保留
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「明日、月曜日だけどクラブに呼ばれてるから学校終わったら行ってくる」
日曜日、練習を終え帰宅した愛翔が桜と楓に少し何かを考えながら告げた。
「あ、愛翔。あたし達も一緒に行っちゃダメかな?」
愛翔の様子に何かを感じたのだろう桜が同行を求め
「愛翔。私達じゃ役には立てないかもしれない。でも大切な時には近くに居たいの。だから……」
楓が同調するにいたり、愛翔がクスリと笑う。
「ありがとう。俺は2人が近くに居てくれるだけで力が湧く。今の状態だと本当は2人を連れて行くのは危険かもしれない。でも、一緒に行ってくれるか?」
「もちろんよ」
「それに何かあっても愛翔が守ってくれるのでしょう?」
間髪を入れない桜の返事と楓の愛翔への信頼がわずかにあった愛翔の不安を吹き消した。愛翔は2人を抱き寄せ頬にキスを落とす。
「ありがとう。本当に2人と一緒で心強いよ」
「あ、それから。明日クラブでの話が終わった後で興信所から報告を受けることになってる。そっちも一緒に聞くか?」
「もちろん」
「当然でしょう。あの写真は私達3人への宣戦布告なんだから」
こちらも二つ返事で応える桜と楓。
「じゃあ、行くか」
愛翔はパンパンと軽く両頬を手のひらで叩き歩き始める。その両腕には桜と楓がいつものように抱きついている。盗撮についてはもはや今更ということで愛翔たちは普段通りだ。
3人揃って電車に乗りステラスポーツセンター内のステラスターFC事務局に向かった。
そして受付で愛翔が名乗りステラスターFCの窓口である中の名前を言い呼び出してもらう。
「こちらでお待ちください」
愛翔たちはいくつかある打ち合わせ室のひとつに案内された。
「へー、こんな部屋があるんだ」
打ち合わせ用のテーブルとイスが4脚、それに観葉植物が一鉢あるだけの狭いスペース。そこで愛翔たちは中がくるのを待つように案内された。
「アグラ・悠さんなんかもここに座って契約のお話とかしたのかしら」
「あー、あの人たちクラスだともっといい部屋で話すんじゃないか」
そんな雑談をしながら待つこと約10分。コンコンコン、ドアをノックする音がした。
「どうぞ」
愛翔が答える。
「お待たせしました」
中が部屋に入ってきた。
3人は椅子を動かし中と向かい合っている。
中はチラリと桜と楓を見た後、愛翔に向かい口を開いた。
「今日来てもらったのは契約に関しての事です」
愛翔から目を逸らすことなく中はつづける。
「あなた方のお付き合いについては聞いています。決していい加減な付き合い方をしているわけでは無いと。それでも、世間でこのような状況になってしまってはステラスターFCとしては住吉君との契約について一時保留にせざるを得ない状況です。プロスポーツというのは実力の世界ではありますが、言うまでもなくサポーターのみなさんの支えによって成り立っています。私個人としては住吉君との契約は進めたいという思いはありますがフロントの判断としてこうなってしまいました。申し訳ございません」
そう言うと中は深々と頭を下げた。
「中さん。頭をあげて下さい。中さんのせいではありませんから。それに状況も理解しました。その上で質問なのですが、保留というのはいつまででしょう?俺自身としてはステラスターFCには愛着もあります、出来ればステラスターFCでJに上がりたいという思いもあります。ですが俺は受験もしますので、卒業後ステラスターFCで上に上がれていなければ東京に行くことになるかもしれませんし、実を言えばミケル・レガスさんから誘いも来ています。ですのでその保留期間が3月を超える場合、残念ながらステラスターFCから離脱せざるを得ないと考えています」
愛翔の言葉に中は苦し気な顔になる。
「残念ながら保留期間がいつまでとは言い切れません。噂が落ち着くまでという表現しかできないのです。そして契約をしていない以上、住吉君がステラスターFCから離脱することをこちらとしても止めることは出来ません」
「わかりました。率直な言葉ありがとうございます。ところでU18での練習参加については……」
そのあと細々とした内容について話し合った結果。
愛翔は、希望すればU18チームに19歳の誕生日までは所属できる。ただし、プロ契約をしているわけでは無いため離脱は自由。ステラスターFCとしては世間の噂が落ち着きさえすれば契約を進めたいが、その時期は分からない。契約を進める場合の契約内容についても説明があり、その内容自体には愛翔も満足が出来たため、3月までに契約にこぎつけられればプロ契約に応じるということで話がついた。
「では、年内は、もうお会いできる日は無いかと思いますが。出来ればいいお話が出来ることを希望しています」
そう言う中に頭を下げ愛翔たちはステラスポーツセンターを後にした。
日曜日、練習を終え帰宅した愛翔が桜と楓に少し何かを考えながら告げた。
「あ、愛翔。あたし達も一緒に行っちゃダメかな?」
愛翔の様子に何かを感じたのだろう桜が同行を求め
「愛翔。私達じゃ役には立てないかもしれない。でも大切な時には近くに居たいの。だから……」
楓が同調するにいたり、愛翔がクスリと笑う。
「ありがとう。俺は2人が近くに居てくれるだけで力が湧く。今の状態だと本当は2人を連れて行くのは危険かもしれない。でも、一緒に行ってくれるか?」
「もちろんよ」
「それに何かあっても愛翔が守ってくれるのでしょう?」
間髪を入れない桜の返事と楓の愛翔への信頼がわずかにあった愛翔の不安を吹き消した。愛翔は2人を抱き寄せ頬にキスを落とす。
「ありがとう。本当に2人と一緒で心強いよ」
「あ、それから。明日クラブでの話が終わった後で興信所から報告を受けることになってる。そっちも一緒に聞くか?」
「もちろん」
「当然でしょう。あの写真は私達3人への宣戦布告なんだから」
こちらも二つ返事で応える桜と楓。
「じゃあ、行くか」
愛翔はパンパンと軽く両頬を手のひらで叩き歩き始める。その両腕には桜と楓がいつものように抱きついている。盗撮についてはもはや今更ということで愛翔たちは普段通りだ。
3人揃って電車に乗りステラスポーツセンター内のステラスターFC事務局に向かった。
そして受付で愛翔が名乗りステラスターFCの窓口である中の名前を言い呼び出してもらう。
「こちらでお待ちください」
愛翔たちはいくつかある打ち合わせ室のひとつに案内された。
「へー、こんな部屋があるんだ」
打ち合わせ用のテーブルとイスが4脚、それに観葉植物が一鉢あるだけの狭いスペース。そこで愛翔たちは中がくるのを待つように案内された。
「アグラ・悠さんなんかもここに座って契約のお話とかしたのかしら」
「あー、あの人たちクラスだともっといい部屋で話すんじゃないか」
そんな雑談をしながら待つこと約10分。コンコンコン、ドアをノックする音がした。
「どうぞ」
愛翔が答える。
「お待たせしました」
中が部屋に入ってきた。
3人は椅子を動かし中と向かい合っている。
中はチラリと桜と楓を見た後、愛翔に向かい口を開いた。
「今日来てもらったのは契約に関しての事です」
愛翔から目を逸らすことなく中はつづける。
「あなた方のお付き合いについては聞いています。決していい加減な付き合い方をしているわけでは無いと。それでも、世間でこのような状況になってしまってはステラスターFCとしては住吉君との契約について一時保留にせざるを得ない状況です。プロスポーツというのは実力の世界ではありますが、言うまでもなくサポーターのみなさんの支えによって成り立っています。私個人としては住吉君との契約は進めたいという思いはありますがフロントの判断としてこうなってしまいました。申し訳ございません」
そう言うと中は深々と頭を下げた。
「中さん。頭をあげて下さい。中さんのせいではありませんから。それに状況も理解しました。その上で質問なのですが、保留というのはいつまででしょう?俺自身としてはステラスターFCには愛着もあります、出来ればステラスターFCでJに上がりたいという思いもあります。ですが俺は受験もしますので、卒業後ステラスターFCで上に上がれていなければ東京に行くことになるかもしれませんし、実を言えばミケル・レガスさんから誘いも来ています。ですのでその保留期間が3月を超える場合、残念ながらステラスターFCから離脱せざるを得ないと考えています」
愛翔の言葉に中は苦し気な顔になる。
「残念ながら保留期間がいつまでとは言い切れません。噂が落ち着くまでという表現しかできないのです。そして契約をしていない以上、住吉君がステラスターFCから離脱することをこちらとしても止めることは出来ません」
「わかりました。率直な言葉ありがとうございます。ところでU18での練習参加については……」
そのあと細々とした内容について話し合った結果。
愛翔は、希望すればU18チームに19歳の誕生日までは所属できる。ただし、プロ契約をしているわけでは無いため離脱は自由。ステラスターFCとしては世間の噂が落ち着きさえすれば契約を進めたいが、その時期は分からない。契約を進める場合の契約内容についても説明があり、その内容自体には愛翔も満足が出来たため、3月までに契約にこぎつけられればプロ契約に応じるということで話がついた。
「では、年内は、もうお会いできる日は無いかと思いますが。出来ればいいお話が出来ることを希望しています」
そう言う中に頭を下げ愛翔たちはステラスポーツセンターを後にした。
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