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第267話 密やかなカウンターアタック
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新学期、愛翔たちの高校生活も残りわずか。光野高校は2月初旬の学年末テストを終えると自由登校となりクラスメートたちとも交流が薄くなる。それが分かっているからということもあり、この時期受験を控えながらも高校生活最後の交流を深める生徒も多い。
そんな中登校した愛翔たち3人の周りに集まっているのは加藤、新本、そして女子バスケットボール部と軽音部のメンバー達。
「明けましておめでとう」
「みんなおめでとう」
「おめでとうございます」
笑顔で新年の挨拶をかわす。
「それであの後はどうなの?私たちが手伝えるような事ある?」
いつも通り代表して長嶺が聞いてきた。
「盗撮犯の特定は出来た。今は裁判準備中だから特に手は掛からないよ。細かい話はちょっと今ここでってのは、はばかられるんで、昼休みに例の空き教室でいいかな?」
始業式から初日の授業。普段と変わらない日常。そんなものを噛みしめながら、愛翔は近いうちにここから巣立つ、そんなことをぼんやりと思う。
そして昼休み。食事を済ませ空き教室に集まったメンバー達を前に愛翔が口を開く。
「朝も言ったけれど盗撮犯の特定が出来た。それで俺たちの事については告発と裁判の準備中だ。まあそれは良いんだけど……」
それから愛翔は、高木実、鈴木純一、加藤直美について話した。
「過去の事については残念ながら十分な証拠は掴めていない。それにさすがにそこまで俺たちが処置するのはちょっと無理があるんだよな。かと言って何もしないというのも……」
愛翔が背に黒い翼を広げたのをメンバーは幻視した。
そして翌日から、まことしやかに噂が流れるようになった。
『高木実が、2年生の誰それに無実の罪を着せて追い込んだ』
『鈴木純一が、隠し撮りした写真で脅しをかけた』
『加藤直美が、罠に嵌めた下級生に美人局をさせた』
『高木実が……』
『……』
出所のわからない噂が光野高校に広まり、高木実、鈴木純一、加藤直美の3人はただでさえ評判が悪かった中、完全に犯罪者として見られるようになっていった。そして、当然ながら3人にはそれらの噂を否定できない。すべて事実だったのだから。
「くそ、誰が……」
”ドン”部室棟の空き部屋。高木実が悔し気に埃にまみれたテーブルを殴りつけた。
今まで生徒指導室で絞られていたのだ。噂に対しては単なる噂で身に覚えがないと惚けたものの教師からの疑いの視線を消すまでには至らなかった。
「十分に隠蔽工作をしたはずだったんだがな」
「住吉愛翔」
鈴木純一が首を傾げ、加藤直美がポツリと愛翔の名前を口にした。
高木と鈴木が加藤の顔に視線を向ける。
「あの時も、住吉は相手を徹底的に叩き潰したわ。あたし達は手を出してはいけないものに手を出したのかもしれないわね」
「いや、今学校で広がっている噂は住吉に関係ないものばかりだろ。なんであいつが知ってるんだよ」
そんな中登校した愛翔たち3人の周りに集まっているのは加藤、新本、そして女子バスケットボール部と軽音部のメンバー達。
「明けましておめでとう」
「みんなおめでとう」
「おめでとうございます」
笑顔で新年の挨拶をかわす。
「それであの後はどうなの?私たちが手伝えるような事ある?」
いつも通り代表して長嶺が聞いてきた。
「盗撮犯の特定は出来た。今は裁判準備中だから特に手は掛からないよ。細かい話はちょっと今ここでってのは、はばかられるんで、昼休みに例の空き教室でいいかな?」
始業式から初日の授業。普段と変わらない日常。そんなものを噛みしめながら、愛翔は近いうちにここから巣立つ、そんなことをぼんやりと思う。
そして昼休み。食事を済ませ空き教室に集まったメンバー達を前に愛翔が口を開く。
「朝も言ったけれど盗撮犯の特定が出来た。それで俺たちの事については告発と裁判の準備中だ。まあそれは良いんだけど……」
それから愛翔は、高木実、鈴木純一、加藤直美について話した。
「過去の事については残念ながら十分な証拠は掴めていない。それにさすがにそこまで俺たちが処置するのはちょっと無理があるんだよな。かと言って何もしないというのも……」
愛翔が背に黒い翼を広げたのをメンバーは幻視した。
そして翌日から、まことしやかに噂が流れるようになった。
『高木実が、2年生の誰それに無実の罪を着せて追い込んだ』
『鈴木純一が、隠し撮りした写真で脅しをかけた』
『加藤直美が、罠に嵌めた下級生に美人局をさせた』
『高木実が……』
『……』
出所のわからない噂が光野高校に広まり、高木実、鈴木純一、加藤直美の3人はただでさえ評判が悪かった中、完全に犯罪者として見られるようになっていった。そして、当然ながら3人にはそれらの噂を否定できない。すべて事実だったのだから。
「くそ、誰が……」
”ドン”部室棟の空き部屋。高木実が悔し気に埃にまみれたテーブルを殴りつけた。
今まで生徒指導室で絞られていたのだ。噂に対しては単なる噂で身に覚えがないと惚けたものの教師からの疑いの視線を消すまでには至らなかった。
「十分に隠蔽工作をしたはずだったんだがな」
「住吉愛翔」
鈴木純一が首を傾げ、加藤直美がポツリと愛翔の名前を口にした。
高木と鈴木が加藤の顔に視線を向ける。
「あの時も、住吉は相手を徹底的に叩き潰したわ。あたし達は手を出してはいけないものに手を出したのかもしれないわね」
「いや、今学校で広がっている噂は住吉に関係ないものばかりだろ。なんであいつが知ってるんだよ」
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