幼馴染の初恋は月の女神の祝福の下に

景空

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第270話 任意

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2月に入り光野高校の学年末試験を直後に控えた月曜日早朝。高木実の元に2人の警察官が訪れていた。
「高木実さんですね。私達は、こういう者です」
実の後ろでは実の両親が動揺し、どうしたらいいのかも分からない様子で立ち尽くしている。
「事情を聴きたいことがあるので、署までご同行願います」
警察官の身分証明を示し実に任意同行を求めてきた。
「い、嫌だ。行きたくない」
震える声で自らの身体を抱きしめながら、実が同行を拒否する。
「どうしても行かないといけないのですか?」
そこに至ってようやく実の父親が実の前に立って警察官に質問を投げかけた。警察官は、わずかに面倒くさそうな表情をしたもののすぐに表情を戻し
「あくまでも任意ですので、拒否されることは出来ますが、警察としましては聞かれたくない事情がある可能性が高いと判断して捜査を続けることになります。できればご同行願いたいですね」
「それにしてもいきなり逮捕なんて……」
警察官の言葉に反論しようとする父親に
「いえ、誤解されないようにお願いします。逮捕ではありません。現時点においてはあくまでも任意で同行いただき事情をお聞きするだけです」
「しかし、息子も動揺しております。大変申し訳ございませんが、現時点ではお引き取り願えませんか」
この3週間ほど学校にいけず引きこもっていた高木実に突然訪れた事件だった。
動揺した高木実は自室に閉じこもり不登校になった3週間前から電源を切ったままにしていたスマホのスイッチを入れトークアプリを立ち上げた。そこにはクラスを含め高木実のグループに関する噂を流していたグループチャットをブロックしてあったにも関わらず大量の未読があった。すべて鈴木純一と加藤直美とのグループチャットのものだ。その中にあったのは高木実としては信じたくない内容だった。
純:やばいぞ、俺のところに警察が住吉の盗撮について話を聞きに来た。もちろん何も言わなかったけど、警察は何か掴んでいる感じだった。
なおなお:あたしのところにも来た。みーくんが盗撮したんじゃないかってかなり確信をもっている感じだったわ。




純:まだ実未読のままだけど、見てくれ。
なおなお:今日も警察が来たわ。住吉とのこと以外の事まで聞いてきたのよ。怖い。


純:おい、大丈夫だろうな。俺達のこと全部バレてるんじゃないだろうな。
なおなお:みーくんがバレっこないっていうからやったのに


高木実は真っ青になり部屋の隅でうずくまってしまった。
「ま、まさか全部バレた?そんなわけが……」
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