272 / 314
第272話 マスコミマスゴミ休刊
しおりを挟む
「特別送達?またか」
写真週刊誌”ファインダー”の編集長真写照姫(ましゃ しょうき)は既に日常となった裁判所からの特別送達を何の感慨も無く面倒くさそうに受け取る。そして封を開けることもなくKD社法務部行のメール便袋に放り込んだ。
彼女は訴えられることに慣れすぎていた。そして”訴えられ賠償をしてもそれ以上に稼げば良い”そう考えるようになっていた。しかしKD社上層部では”ファインダー”が日々利益をあげ存在を認められていること自体を苦々しい思いで見ている者もいる。それは真写自身も理解していたためこれまで”ファインダー”を1度として赤字にすることは無かった。
そしてその日あるホテルの一室で愛翔の代理人として渡邊美咲が記者会見を開いていた。
多くのマスコミが集まる中KD社の関係者は1人もいない。
「では定刻となりましたので始めさせていただきます」
「私は住吉愛翔の代理人、渡邊美咲と申します。事情はこちらに見えたマスコミ各社の方はご存知と思いますが、報道の自由を著しく逸脱し未成年のプライバシーを無視したKD社写真週刊誌”ファインダー”の記事により住吉愛翔および少女A、少女Bの生活が著しく棄損された件について先日裁判所に起訴状を提出しました。社会的に大きな影響があるわけでもない一般人の日常を……
・
・
・
・
以上のように、当該誌につきましての告訴いたしましたことをご報告いたします。なお、原告被告の関係となるためKD社に関しまして住吉愛翔は取材を含め直接の接触を拒否させていただきますことを合わせてご報告させていただきます」
そして昼過ぎ、真写はKD社の専務取締役竹松太聖(たけまつ たいせい)のデスクの前に立っていた。
「やりすぎたようだな」
「は?」
竹松が封筒を真写に向かって投げ渡す。封筒には”特別送達”の赤文字。
「な、5000万。法外な。これほど法外な金額を裁判所が棄却しなかったというのですか」
竹松は頭を右手で支えながら苦し気に口を開いた。
「未成年者3人を不当にさらし者にすれば請求額としてはそれほど不当では無いというのがうちの法務部の見解だ。あとはどこまで抑制できるかだが。こちらに反省の色が見られなければ大幅な減額は難しいそうだ。さらにこれを見たまえ」
竹松はリモコンで壁に据え付けられていた大型テレビのスイッチを入れ録画の再生操作をする。
そこには記者会見場での様子が映し出された。
「わかるか、”ファインダー”たった1誌が粗相をしたために、わが社は住吉愛翔というこれから話題を提供してくれるであろう取材対象を失ったのだ。ただでさえ”ファインダー”を抱えていることで当社に否定的な世論があるなかでだ。この被害は5000万ではすまんぞ。どう責任をとるのか考えておくように」
「は、はい。わかりました。失礼します」
真写は、青い顔で竹松に頭を下げ退出する。
真写が専務室のドアをくぐろうとしたところで竹松が最後の言葉を投げかけた。
「ああ、そうそう。KD社は反省し”ファインダー”は本日をもって無期限の休刊とすることが取締役会で決まったからな。身の振り方も考えておくように。さすがに今回は常務も”ファインダー”をかばい切れなかったよ」
写真週刊誌”ファインダー”の編集長真写照姫(ましゃ しょうき)は既に日常となった裁判所からの特別送達を何の感慨も無く面倒くさそうに受け取る。そして封を開けることもなくKD社法務部行のメール便袋に放り込んだ。
彼女は訴えられることに慣れすぎていた。そして”訴えられ賠償をしてもそれ以上に稼げば良い”そう考えるようになっていた。しかしKD社上層部では”ファインダー”が日々利益をあげ存在を認められていること自体を苦々しい思いで見ている者もいる。それは真写自身も理解していたためこれまで”ファインダー”を1度として赤字にすることは無かった。
そしてその日あるホテルの一室で愛翔の代理人として渡邊美咲が記者会見を開いていた。
多くのマスコミが集まる中KD社の関係者は1人もいない。
「では定刻となりましたので始めさせていただきます」
「私は住吉愛翔の代理人、渡邊美咲と申します。事情はこちらに見えたマスコミ各社の方はご存知と思いますが、報道の自由を著しく逸脱し未成年のプライバシーを無視したKD社写真週刊誌”ファインダー”の記事により住吉愛翔および少女A、少女Bの生活が著しく棄損された件について先日裁判所に起訴状を提出しました。社会的に大きな影響があるわけでもない一般人の日常を……
・
・
・
・
以上のように、当該誌につきましての告訴いたしましたことをご報告いたします。なお、原告被告の関係となるためKD社に関しまして住吉愛翔は取材を含め直接の接触を拒否させていただきますことを合わせてご報告させていただきます」
そして昼過ぎ、真写はKD社の専務取締役竹松太聖(たけまつ たいせい)のデスクの前に立っていた。
「やりすぎたようだな」
「は?」
竹松が封筒を真写に向かって投げ渡す。封筒には”特別送達”の赤文字。
「な、5000万。法外な。これほど法外な金額を裁判所が棄却しなかったというのですか」
竹松は頭を右手で支えながら苦し気に口を開いた。
「未成年者3人を不当にさらし者にすれば請求額としてはそれほど不当では無いというのがうちの法務部の見解だ。あとはどこまで抑制できるかだが。こちらに反省の色が見られなければ大幅な減額は難しいそうだ。さらにこれを見たまえ」
竹松はリモコンで壁に据え付けられていた大型テレビのスイッチを入れ録画の再生操作をする。
そこには記者会見場での様子が映し出された。
「わかるか、”ファインダー”たった1誌が粗相をしたために、わが社は住吉愛翔というこれから話題を提供してくれるであろう取材対象を失ったのだ。ただでさえ”ファインダー”を抱えていることで当社に否定的な世論があるなかでだ。この被害は5000万ではすまんぞ。どう責任をとるのか考えておくように」
「は、はい。わかりました。失礼します」
真写は、青い顔で竹松に頭を下げ退出する。
真写が専務室のドアをくぐろうとしたところで竹松が最後の言葉を投げかけた。
「ああ、そうそう。KD社は反省し”ファインダー”は本日をもって無期限の休刊とすることが取締役会で決まったからな。身の振り方も考えておくように。さすがに今回は常務も”ファインダー”をかばい切れなかったよ」
0
あなたにおすすめの小説
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
∞
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の逢坂玲人は入学時から髪を金色に染め、無愛想なため一匹狼として高校生活を送っている。
入学して間もないある日の放課後、玲人は2年生の生徒会長・如月沙奈にロープで拘束されてしまう。それを解く鍵は彼女を抱きしめると約束することだった。ただ、玲人は上手く言いくるめて彼女から逃げることに成功する。そんな中、銀髪の美少女のアリス・ユメミールと出会い、お互いに好きな猫のことなどを通じて彼女と交流を深めていく。
しかし、沙奈も一度の失敗で諦めるような女の子ではない。玲人は沙奈に追いかけられる日々が始まる。
抱きしめて。生徒会に入って。口づけして。ヤンデレな沙奈からの様々な我が儘を通して見えてくるものは何なのか。見えた先には何があるのか。沙奈の好意が非常に強くも温かい青春ラブストーリー。
※タイトルは「むげん」と読みます。
※完結しました!(2020.7.29)
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
この男子校の生徒が自分以外全員男装女子だということを俺だけが知っている
夏見ナイ
恋愛
平凡な俺、相葉祐樹が手にしたのは、ありえないはずの超名門男子校『獅子王院学園』からの合格通知。期待を胸に入学した先は、王子様みたいなイケメンだらけの夢の空間だった!
……はずが、ある夜、同室のクールな完璧王子・橘玲が女の子であるという、学園最大の秘密を知ってしまう。
なんとこの学園、俺以外、全員が“訳アリ”の男装女子だったのだ!
秘密の「共犯者」となった俺は、慣れない男装に悩む彼女たちの唯一の相談相手に。
「祐樹の前でだけは、女の子でいられる……」
クールなイケメンたちの、俺だけに見せる甘々な素顔と猛アプローチにドキドキが止まらない!
秘密だらけで糖度120%の学園ラブコメ、開幕!
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる