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第274話 T大入試
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「お疲れ様。どうだった?」
T大入試を終え試験会場から出てきた愛翔たち3人に丘が笑顔で声を掛ける。
「ん、まあ良いんじゃないかな」
「あ、お義姉さん。あたしも、それなりに自信ありです」
「お義姉さん、わざわざお迎えありがとうございます。ふふ、私も入学自体は恐らく大丈夫と思います」
4人が笑顔で話していると1人の男子学生が声を掛けてきた。
「あれ?丘さん。今日は新入生勧誘は無いと思うんだけど」
「え?ああ月田さん。こんにちは。今日は勧誘じゃなくて身内が受験したので来たんですよ」
「身内?ご家族ですか?」
「いえ、まあ。弟とその彼女というか」
そこまで言って丘は、どう紹介したものかと左手を頬に当てて考える。そうしている間に月田が愛翔に気づいた。
「え?もしかして住吉愛翔?え、そうするとそっちの2人は一緒にファインダーにパパラッチされた2人?」
月田の一言に4人の顔が強張り丘が声を荒げる。
「月田さん。わたしの身内だと言いましたよね。それをそういう目で見るのはやめてもらえますか」
「あ、ああ、申し訳ない。そう言うつもりではなかった。ただ驚いて口を突いて出ただけで丘さんの身内をけなす意図はなかったんだ」
月田は謝罪の言葉を口にすると頭を下げた。
「それにしても身内?それにさっき弟って?」
月田は、いまひとつ理解できないという様子でいる。
それを見て丘がため息をつき口をひらいた
「紹介します。こちらが月田さんも気付いたように住吉愛翔。わたしの実弟です。姓が違うのは察してください。そしてこちらが華押桜ちゃん。愛翔のまあ何というかお嫁さんのひとりですね。高校では女子バスケットボールインターハイでベスト16まで行ったチームのポイントガード。で、こちらが橘楓ちゃん。楓ちゃんがもう1人の愛翔のお嫁さん。高校では軽音楽で全国コンテストで特別賞受賞したバンドのボーカル兼ギター。3人ともうちの大学を受験して多分合格します」
丘の紹介に”よろしく”と愛翔たち3人が頭を下げる。
「いや、3人とも文武両道かあ。それにしても結果も見ていないのに合格って、凄い自信ですね。それにお嫁さんってのも」
「まあ、私の出身校の不動の1,2,3ですから。よほどのやらかしが無ければ普通に合格ですよ」
呆れを含んだ月田の返しに丘が”ふふん”と胸を張った。
「く、文3、1回生主席の出身校の1,2,3となればそうだろうけど、何か負けた感がして悔しいな」
そう言いながらも月田は愛翔たち3人に向き合い笑顔をみせる。
愛翔も桜も楓もやや渋い表情ながら丘の知り合いという事で一応はと向き合う。
「住吉愛翔です。理1を受験しました。入学の際にはよろしくお願いします」
「橘楓です。あ、でもこれからは住吉楓って名乗ろうかしら。文1を受験しました。よろしくお願いします」
「華押桜って言います。楓が住吉姓を名乗るならあたしも住吉桜ね。あたしは文2です。よろしくです」
3人が自己紹介をしたところで丘が月田にむかって片目をつぶって見せる。
「ま、そういう関係の3人よ。あ、3人の保護者公認の仲だから無粋な事はしないでちょうだいね」
頭の裏を右手でかきながら月田が口をひらいた。
「さっきは、わるかったね。僕は月田雅紀(つきた まさき)と言います。文3の1回生で丘さんとは映画サークルCielo azul(シエロ アズール)で知り合った友人です。よろしくね。入学したら、よければシエロ アズールに入ってくれると嬉しいな」
「へえ、姉さん映画サークルに入ったんだ」
「まあ、私はもともと映画好きだったから。愛翔たち3人も一緒してくれると嬉しいけど……」
”でも”と丘がくちごもる。
「まあ、俺たちはまだちょっとね」
愛翔の言葉に丘は”やっぱり”と表情を曇らせた。
「でいつ?」
「ん、3日後のセントレア発の飛行機に乗るよ。3週間向こうで体験してくる」
T大入試を終え試験会場から出てきた愛翔たち3人に丘が笑顔で声を掛ける。
「ん、まあ良いんじゃないかな」
「あ、お義姉さん。あたしも、それなりに自信ありです」
「お義姉さん、わざわざお迎えありがとうございます。ふふ、私も入学自体は恐らく大丈夫と思います」
4人が笑顔で話していると1人の男子学生が声を掛けてきた。
「あれ?丘さん。今日は新入生勧誘は無いと思うんだけど」
「え?ああ月田さん。こんにちは。今日は勧誘じゃなくて身内が受験したので来たんですよ」
「身内?ご家族ですか?」
「いえ、まあ。弟とその彼女というか」
そこまで言って丘は、どう紹介したものかと左手を頬に当てて考える。そうしている間に月田が愛翔に気づいた。
「え?もしかして住吉愛翔?え、そうするとそっちの2人は一緒にファインダーにパパラッチされた2人?」
月田の一言に4人の顔が強張り丘が声を荒げる。
「月田さん。わたしの身内だと言いましたよね。それをそういう目で見るのはやめてもらえますか」
「あ、ああ、申し訳ない。そう言うつもりではなかった。ただ驚いて口を突いて出ただけで丘さんの身内をけなす意図はなかったんだ」
月田は謝罪の言葉を口にすると頭を下げた。
「それにしても身内?それにさっき弟って?」
月田は、いまひとつ理解できないという様子でいる。
それを見て丘がため息をつき口をひらいた
「紹介します。こちらが月田さんも気付いたように住吉愛翔。わたしの実弟です。姓が違うのは察してください。そしてこちらが華押桜ちゃん。愛翔のまあ何というかお嫁さんのひとりですね。高校では女子バスケットボールインターハイでベスト16まで行ったチームのポイントガード。で、こちらが橘楓ちゃん。楓ちゃんがもう1人の愛翔のお嫁さん。高校では軽音楽で全国コンテストで特別賞受賞したバンドのボーカル兼ギター。3人ともうちの大学を受験して多分合格します」
丘の紹介に”よろしく”と愛翔たち3人が頭を下げる。
「いや、3人とも文武両道かあ。それにしても結果も見ていないのに合格って、凄い自信ですね。それにお嫁さんってのも」
「まあ、私の出身校の不動の1,2,3ですから。よほどのやらかしが無ければ普通に合格ですよ」
呆れを含んだ月田の返しに丘が”ふふん”と胸を張った。
「く、文3、1回生主席の出身校の1,2,3となればそうだろうけど、何か負けた感がして悔しいな」
そう言いながらも月田は愛翔たち3人に向き合い笑顔をみせる。
愛翔も桜も楓もやや渋い表情ながら丘の知り合いという事で一応はと向き合う。
「住吉愛翔です。理1を受験しました。入学の際にはよろしくお願いします」
「橘楓です。あ、でもこれからは住吉楓って名乗ろうかしら。文1を受験しました。よろしくお願いします」
「華押桜って言います。楓が住吉姓を名乗るならあたしも住吉桜ね。あたしは文2です。よろしくです」
3人が自己紹介をしたところで丘が月田にむかって片目をつぶって見せる。
「ま、そういう関係の3人よ。あ、3人の保護者公認の仲だから無粋な事はしないでちょうだいね」
頭の裏を右手でかきながら月田が口をひらいた。
「さっきは、わるかったね。僕は月田雅紀(つきた まさき)と言います。文3の1回生で丘さんとは映画サークルCielo azul(シエロ アズール)で知り合った友人です。よろしくね。入学したら、よければシエロ アズールに入ってくれると嬉しいな」
「へえ、姉さん映画サークルに入ったんだ」
「まあ、私はもともと映画好きだったから。愛翔たち3人も一緒してくれると嬉しいけど……」
”でも”と丘がくちごもる。
「まあ、俺たちはまだちょっとね」
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