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第299話 また来るね
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ゲームの後、インタビューやファンサービスを終え、ロンドン・ステイビレッジFCのメンバーはロッカールームでシャワーを浴び着替えていた。
「アイト。今日のパスは少しばかり厳しすぎたんじゃないか」
「ん?スコティさん。そうですか?俺の愛する家族に変な粉を掛ける余裕はあってもパスに追いつく余裕はないとでも。むしろパスがもらえるだけマシじゃないですか。随分と姉さんが困ってましたからね。これ以上変なことをするなら決定的なパスは減るかもしれませんね」
プレミアデビューから数か月。すでに決定的なパスの多くは愛翔の支配下から出ていた。愛翔からのアシストが減るというのは契約更新時に影響が大きい可能性がある。
「お、おい。さすがにそれは公私混同……」
「冗談ですよ。でも、俺が冗談で言ってるうちにやめてくださいね」
「お、おお……」
愛翔の圧に押されロンドン・ステイビレッジFC随一のチャラ男スコット・ヴァン・ロールも思わず頷いていた。
「じゃあ、そういう事で。今日はお疲れさまでした。帰ります」
そうしてロッカールームを出た愛翔を待ち構えていた桜と楓、そして丘が出迎える。
「「「愛翔(君)お疲れ様」」」
するりと自然に左右の腕に抱きつく桜と楓。それを微笑ましく見守る丘。これは最近のゲームの後に見慣れた風景となっている。
今となっては、それはロンドン・ステイビレッジFCのサポーターにとってもその通りで、関係者オンリーのエリアから4人が出てくると、その周りにサポーターが群がり写真を撮りサインをねだる。愛翔のファンは他と比べてややお行儀がいい、そのため、愛翔の写真を撮る際に必ず声を掛ける。
「ミスタースミヨシ、写真を撮らせていただけますか?」
そうした場合、基本的に桜と楓は一旦愛翔の腕を離し写真の撮影範囲の外で控える。それは初日にあったやりちょっとした事件からだった。
ゲーム終了時に桜と楓を抱きつかせた愛翔がロビーに現れた際、ある男性サポーターが声を掛けてきた。
「ミスタースミヨシ、写真をお願いします」
愛翔は、その対応もプロとしての仕事だと割り切っているため
「ええ、いいですよ」
と気軽に答え
「桜、楓、少し離れてくれるか」
と2人を離そうとしたけれど、許可をもらったとそのサポーターは桜と楓が離れる前に撮影をしてしまった。
「すみませんが、2人は一般人です。今の写真は削除してください」
「いや、許可してくれたじゃないですか」
「許可したのは、私だけです。2人の撮影を許可してはいませんよ」
「せっかく、素敵な写真を撮れたのに……」
「すみませんが、日本で彼女たちは写真で嫌な思いをしてきています。当分は撮影を遠慮願いたいというのが本当のところなのです」
愛翔の丁寧でありながらも、強硬な態度にそのサポーターもしぶしぶ削除に同意した。
そんないきさつがあり、愛翔への写真撮影では桜と楓がフレームから出てから撮影するというのが暗黙の了解となっている。
そして、9月も末となり今日は、桜・楓・丘の3人が日本に帰国する。
「桜、楓この2か月とても楽しかったよ。また時間ができたら来てくれ。今年は初のリーグだったから6月7月のオフシーズンもこっちにいたけど、来年は日本で過ごそうと思ってる。まあまだ先だけどさ」
「うん、また来る。それに出来るだけ早く一緒に暮らせるように楓と話し合って色々考えてるのよ。そっちも楽しみにしていてね」
「愛翔のおかげでとっても楽しかったわ。また来るからその時もよろしくね。あ、桜、日本に帰ったら少しバイトするわよ。旅費貯めなきゃだから」
楓のバイト発言に愛翔はアッと声を出した。
「そっか、そうだよな。しまったなあ。よし、チケットは俺が送るから、希望の飛行機を連絡してくれ」
「え、でも悪いわよそんなの」
楓が遠慮しようとし、桜もそれに頷くけれど
「何言ってんだよ、日本の生活費は2人の両親に出してもらってるけど、自分の奥さんの旅費くらい出させろよ」
愛翔の言い分に桜も楓も顔を赤くしながらも
「うん、あたしたち愛翔の奥さんだものね。よろしく旦那様」
そして両側から抱きつき愛翔の頬にキスを落とした。
「う、うん。その、そろそろわたしにも気を配ってくれるかな?ちょっと仲間外れ感があって寂しいんだけど」
丘がちょっと拗ねていた。
「アイト。今日のパスは少しばかり厳しすぎたんじゃないか」
「ん?スコティさん。そうですか?俺の愛する家族に変な粉を掛ける余裕はあってもパスに追いつく余裕はないとでも。むしろパスがもらえるだけマシじゃないですか。随分と姉さんが困ってましたからね。これ以上変なことをするなら決定的なパスは減るかもしれませんね」
プレミアデビューから数か月。すでに決定的なパスの多くは愛翔の支配下から出ていた。愛翔からのアシストが減るというのは契約更新時に影響が大きい可能性がある。
「お、おい。さすがにそれは公私混同……」
「冗談ですよ。でも、俺が冗談で言ってるうちにやめてくださいね」
「お、おお……」
愛翔の圧に押されロンドン・ステイビレッジFC随一のチャラ男スコット・ヴァン・ロールも思わず頷いていた。
「じゃあ、そういう事で。今日はお疲れさまでした。帰ります」
そうしてロッカールームを出た愛翔を待ち構えていた桜と楓、そして丘が出迎える。
「「「愛翔(君)お疲れ様」」」
するりと自然に左右の腕に抱きつく桜と楓。それを微笑ましく見守る丘。これは最近のゲームの後に見慣れた風景となっている。
今となっては、それはロンドン・ステイビレッジFCのサポーターにとってもその通りで、関係者オンリーのエリアから4人が出てくると、その周りにサポーターが群がり写真を撮りサインをねだる。愛翔のファンは他と比べてややお行儀がいい、そのため、愛翔の写真を撮る際に必ず声を掛ける。
「ミスタースミヨシ、写真を撮らせていただけますか?」
そうした場合、基本的に桜と楓は一旦愛翔の腕を離し写真の撮影範囲の外で控える。それは初日にあったやりちょっとした事件からだった。
ゲーム終了時に桜と楓を抱きつかせた愛翔がロビーに現れた際、ある男性サポーターが声を掛けてきた。
「ミスタースミヨシ、写真をお願いします」
愛翔は、その対応もプロとしての仕事だと割り切っているため
「ええ、いいですよ」
と気軽に答え
「桜、楓、少し離れてくれるか」
と2人を離そうとしたけれど、許可をもらったとそのサポーターは桜と楓が離れる前に撮影をしてしまった。
「すみませんが、2人は一般人です。今の写真は削除してください」
「いや、許可してくれたじゃないですか」
「許可したのは、私だけです。2人の撮影を許可してはいませんよ」
「せっかく、素敵な写真を撮れたのに……」
「すみませんが、日本で彼女たちは写真で嫌な思いをしてきています。当分は撮影を遠慮願いたいというのが本当のところなのです」
愛翔の丁寧でありながらも、強硬な態度にそのサポーターもしぶしぶ削除に同意した。
そんないきさつがあり、愛翔への写真撮影では桜と楓がフレームから出てから撮影するというのが暗黙の了解となっている。
そして、9月も末となり今日は、桜・楓・丘の3人が日本に帰国する。
「桜、楓この2か月とても楽しかったよ。また時間ができたら来てくれ。今年は初のリーグだったから6月7月のオフシーズンもこっちにいたけど、来年は日本で過ごそうと思ってる。まあまだ先だけどさ」
「うん、また来る。それに出来るだけ早く一緒に暮らせるように楓と話し合って色々考えてるのよ。そっちも楽しみにしていてね」
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「そっか、そうだよな。しまったなあ。よし、チケットは俺が送るから、希望の飛行機を連絡してくれ」
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「何言ってんだよ、日本の生活費は2人の両親に出してもらってるけど、自分の奥さんの旅費くらい出させろよ」
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「うん、あたしたち愛翔の奥さんだものね。よろしく旦那様」
そして両側から抱きつき愛翔の頬にキスを落とした。
「う、うん。その、そろそろわたしにも気を配ってくれるかな?ちょっと仲間外れ感があって寂しいんだけど」
丘がちょっと拗ねていた。
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