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45,スキル《耕作:一人前》。
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いまは天国のママが昔、言っていたものです。「人生、諦めも肝心」と。
というわけで、ひとまず〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんのことは諦めることにした。私の体内から取り出すことは、今の私には不可能だろう。
体内に入っているといっても、私を人体解剖すれば取り出せるというものでもない。そういう単純な原理ならば、そもそも私はとっくに死んでいる。
〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんは私の体内にいて(寝息が聞こえてくるので)、同時に私の体内にはいない(私が生きているどころか、身体の調子に問題がないので)。
まさしく、〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんの固有スキルによるものだろう。
よって、手の打ちようはない。
ならば、もう諦めよう。仮にいつか〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんが目覚め、私の体内を突き破って出てきたならば、その時はそのとき。それが、私の寿命ということだろう。
というわけで、まずは近くの町まで行き、朝食を食べることにする(朝陽がのぼっているので、朝だ。【覇王魔窟】の中では、時間間隔が麻痺するからねぇ)。
ベーコンエッグを食べながら、いい加減に貯めたスキルポイントを使いきることにした。
お金も貯めてばかりでは、経済が回らない。私のスキルツリーも、そろそろ新たな開拓に乗り出さないと。
さて、まずわが魔改造鍬〈スーパーコンボ〉は現在、武装Lv.241。前回スキルツリーを本格的に開拓したときは、Lv.198だったので、順調な上がりかた。
Lv.198の時点で、スキルポイントは206残っていた。そこにLv.241までのlevelアップで獲得していったスキルポイント205を上乗せして、トータルのスキルポイントは411か。
これは、だいぶあるなぁ。もっとコツコツ使っていくべきかしらん。
まずスキルツリーの栽培領域を開拓していくことにした。とにかく栽培領域は《無題》パネルが多すぎる。それでもここを攻めるのには、理由がある。
《耕作:見習い人》だ。
『バトル相手の弱点を突くスキル実を栽培できる』スキル。それだけ聞けばチートクラス。実際、私よりも何倍も強かった〈橙鎧龍(オレンジドラゴン)〉を撃破できたのは、この《耕作:見習い人》のおかげだ。
しかし、『耕地を作る→スキル種を植える→発芽を待つ→スキル実を収穫し、内容を確認してから食す→バトル中の敵を倒すスキルを得る※バトルが終わると、そのスキルは消滅』。
この手順が、とにかく長い。バトル中に、のんきにやっていることなど、通常では無理。だから使い勝手が悪く、いまのところ【覇王魔窟】内では一度も使っていない。まぁ使わずとも、攻略できていたからなのだけども。
ただこれから先は、やはり使いたい。使いたいけど、今のままでは使いづらすぎる。ただ希望もある。
スキル名には、『見習い人』とある。つまりスキルツリーを開拓していけば、『見習い人』の次があることを示唆している。
つまり《耕作》スキルの進化版だ。もっと実戦向きの内容である可能性が高い。
だからこそ、この貯まったスキルポイントで、栽培領域を開拓していくのだ。
もちろん賭けではある。パネル解放ルートでは、次の次の未解放パネルの内容は分からない。だから、ここで手持ちの全スキルポイントを使っても、全て《無題》パネルで終わるかもしれない。
そして、スキルポイントのリセットなんて都合の良いものもない。全てが無駄になるかも。
だが、ここは賭けるのだ。
表向きは食後のコーヒーを飲みながら、私は脳内では賭博精神に燃えていた。そして視界内で〈スーパーコンボ〉のスキルツリーを凝視しながら、ひとつ頭の中で叫ぶ。
ガンガンいくぞ~!
栽培領域のルートは一つ。《耕作:見習い人》から続くルートの現在最後の未解放パネルは《無題》。解放のためには50スキルポイントが必要。よって50使用して、解放。
これでさらに次の未解放パネルの内容を確認できる。それは──またも《無題》。今回も50スキルポイントを使って、解放。
そのさらに次の未解放パネルは、またも《無題》。やはり解放には50スキルポイントが必要。
くぅ~。もう後には引けない。さらに50を使い解放。
そのさらに次の未解放パネルは──来た!
栽培スキル《耕作:一人前》パネルだ! 解放するために必要なスキルポイントは180。はい、どうぞ! 解放!!
《耕作:一人前》→『バトル中。発動とともに耕地が出現。そのバトルに必要なスキル実が発芽される。収穫までの時間は、バトルの状況に左右される。収穫したスキル実は、一度使用すると効果を終える』。
ほう。《見習い人》のときは、まず耕地を作り、スキル実を植える手順が必要だった。《一人前》では、発動の時点で『耕地を作り、スキル実を植える』が完了した時点から、開始できるようだ。
あとはスキル実が収穫できるようになるまで、待つのみか。
ところで収穫までの時間が、『バトルの状況で左右』とある。
私はこれを、『敵の強さ』と解釈した。敵が強ければ、それの撃破につながるスキルは高度なものとなる。そんな高度なスキルを得られるスキル実は、やはり収穫まで、つまり成長するのに時間がかかることだろう。
ふむ。まだまだ使い勝手は難しいが、《見習い人》よりはだいぶ実戦向きとなったようだ。
まぁ、バトルが始まらないと発動できないのは、変わらないが。それは敵があってこその栽培スキルなので、仕方ない話ではあるけども………
………………まてよ。
いまの状態って、〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんとバトル中と、解釈できるのでは?
というわけで、ひとまず〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんのことは諦めることにした。私の体内から取り出すことは、今の私には不可能だろう。
体内に入っているといっても、私を人体解剖すれば取り出せるというものでもない。そういう単純な原理ならば、そもそも私はとっくに死んでいる。
〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんは私の体内にいて(寝息が聞こえてくるので)、同時に私の体内にはいない(私が生きているどころか、身体の調子に問題がないので)。
まさしく、〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんの固有スキルによるものだろう。
よって、手の打ちようはない。
ならば、もう諦めよう。仮にいつか〈倦怠艶女(ミスティナ)〉さんが目覚め、私の体内を突き破って出てきたならば、その時はそのとき。それが、私の寿命ということだろう。
というわけで、まずは近くの町まで行き、朝食を食べることにする(朝陽がのぼっているので、朝だ。【覇王魔窟】の中では、時間間隔が麻痺するからねぇ)。
ベーコンエッグを食べながら、いい加減に貯めたスキルポイントを使いきることにした。
お金も貯めてばかりでは、経済が回らない。私のスキルツリーも、そろそろ新たな開拓に乗り出さないと。
さて、まずわが魔改造鍬〈スーパーコンボ〉は現在、武装Lv.241。前回スキルツリーを本格的に開拓したときは、Lv.198だったので、順調な上がりかた。
Lv.198の時点で、スキルポイントは206残っていた。そこにLv.241までのlevelアップで獲得していったスキルポイント205を上乗せして、トータルのスキルポイントは411か。
これは、だいぶあるなぁ。もっとコツコツ使っていくべきかしらん。
まずスキルツリーの栽培領域を開拓していくことにした。とにかく栽培領域は《無題》パネルが多すぎる。それでもここを攻めるのには、理由がある。
《耕作:見習い人》だ。
『バトル相手の弱点を突くスキル実を栽培できる』スキル。それだけ聞けばチートクラス。実際、私よりも何倍も強かった〈橙鎧龍(オレンジドラゴン)〉を撃破できたのは、この《耕作:見習い人》のおかげだ。
しかし、『耕地を作る→スキル種を植える→発芽を待つ→スキル実を収穫し、内容を確認してから食す→バトル中の敵を倒すスキルを得る※バトルが終わると、そのスキルは消滅』。
この手順が、とにかく長い。バトル中に、のんきにやっていることなど、通常では無理。だから使い勝手が悪く、いまのところ【覇王魔窟】内では一度も使っていない。まぁ使わずとも、攻略できていたからなのだけども。
ただこれから先は、やはり使いたい。使いたいけど、今のままでは使いづらすぎる。ただ希望もある。
スキル名には、『見習い人』とある。つまりスキルツリーを開拓していけば、『見習い人』の次があることを示唆している。
つまり《耕作》スキルの進化版だ。もっと実戦向きの内容である可能性が高い。
だからこそ、この貯まったスキルポイントで、栽培領域を開拓していくのだ。
もちろん賭けではある。パネル解放ルートでは、次の次の未解放パネルの内容は分からない。だから、ここで手持ちの全スキルポイントを使っても、全て《無題》パネルで終わるかもしれない。
そして、スキルポイントのリセットなんて都合の良いものもない。全てが無駄になるかも。
だが、ここは賭けるのだ。
表向きは食後のコーヒーを飲みながら、私は脳内では賭博精神に燃えていた。そして視界内で〈スーパーコンボ〉のスキルツリーを凝視しながら、ひとつ頭の中で叫ぶ。
ガンガンいくぞ~!
栽培領域のルートは一つ。《耕作:見習い人》から続くルートの現在最後の未解放パネルは《無題》。解放のためには50スキルポイントが必要。よって50使用して、解放。
これでさらに次の未解放パネルの内容を確認できる。それは──またも《無題》。今回も50スキルポイントを使って、解放。
そのさらに次の未解放パネルは、またも《無題》。やはり解放には50スキルポイントが必要。
くぅ~。もう後には引けない。さらに50を使い解放。
そのさらに次の未解放パネルは──来た!
栽培スキル《耕作:一人前》パネルだ! 解放するために必要なスキルポイントは180。はい、どうぞ! 解放!!
《耕作:一人前》→『バトル中。発動とともに耕地が出現。そのバトルに必要なスキル実が発芽される。収穫までの時間は、バトルの状況に左右される。収穫したスキル実は、一度使用すると効果を終える』。
ほう。《見習い人》のときは、まず耕地を作り、スキル実を植える手順が必要だった。《一人前》では、発動の時点で『耕地を作り、スキル実を植える』が完了した時点から、開始できるようだ。
あとはスキル実が収穫できるようになるまで、待つのみか。
ところで収穫までの時間が、『バトルの状況で左右』とある。
私はこれを、『敵の強さ』と解釈した。敵が強ければ、それの撃破につながるスキルは高度なものとなる。そんな高度なスキルを得られるスキル実は、やはり収穫まで、つまり成長するのに時間がかかることだろう。
ふむ。まだまだ使い勝手は難しいが、《見習い人》よりはだいぶ実戦向きとなったようだ。
まぁ、バトルが始まらないと発動できないのは、変わらないが。それは敵があってこその栽培スキルなので、仕方ない話ではあるけども………
………………まてよ。
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