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70,飛ぶ鳥を落とす勢い。
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アーテル国に戻ると、カブギルドがとんでもないことになっていた。
まず本拠地が山間部から、王都に移動。それも王都内の一等地で、元は大手ギルド(いまは離散した)の本拠地を購入していた。
ギルド員数は、正確に2852人。サブマスターのサラさんが過労死3歩前の顔色で迎えてくれた。ロクウさんは、依頼された害獣狩りに出ているとのこと。
私は眩暈がしながらも、ギルドマスターの玉座に座った。
え、玉座? どいうこと?
サラさんが誇らしげに語ったところによると、私がいま座った玉座は、かつてはポルトという小国の王城にあり、歴とした王が座っていたものだという。
ポルト国が亡んだのち、その玉座は故買商の手にわたり、とある他国の貴族に売られた。
そして──凄く長い所有者履歴が続くが、結局、このカブギルドのもとにやって来たと。
プラスに言うと由緒正しい。マイナスにいうと、超中古品。
とにかく玉座に腰かけて、私はいまだショックが冷めやらぬ。なぜ、カブギルドはこんなにも『飛ぶ鳥を落とす勢い』の成長ぶりを見せているのだろう。もとはたった数人の、ギルドというより『友達が集まっているだけ』だった女戦士ギルドだったのに。
いまや構成員が2852人なんて。ああ大手ギルドの仲間入り。
サラさんが言うには、複数の理由があるらしい。
まず壊滅ギルドの悪名が凄まじいものだった。よってそれを撃破したギルドというだけで、カブギルドが注目されるには充分だったと。
またカブギルドのギルド目的が、『全国民が安心してカブを食べることができるよう、国家の治安を維持する』だったのが良かったと。
つまりサラさんの表現では、『臨機応変で、どのような外環境にも対応できる、繊細さと柔軟さをあわせもったギルド思想』だと。
私からしたら『超テキトー』にしか思えないのに、これがウケたらしい。
というのも、ここのところ『ギルドの目的が細分化しすぎ』問題というものがあるらしい。たとえばもとは大手の鍛冶ギルドが、鍛冶性の違い(素人の私からしたら、なんだそれ、だけど)で分派。ようは『武器』派と『農具』派に分かれてしまい、鍛冶依頼するにもまずは武器か農具かで窓口が変わるという煩瑣さ。
そんな中、『とりあえず、世のため人のためならば何でも有り』という思想(『全国民が安心してカブを食べることができるよう、国家の治安を維持する』という思想とは、つまりそういうこと)が、逆に『分かりやすいっっっ!!』とウケたのだとか。
そのため、『細分化しすぎたためギルド力が弱くなってしまった』中小ギルドが、カブギルドのもとに集ったと。
あ、それともう一つ。力のあるギルドには、どこかの有力貴族の後ろ盾があるものだ。カブギルドにも、そんな後ろ盾ができていた。
はい、ハーバン伯爵ですね。
ミリカさんが『これもアリアさんのためだもの』という表情で、
「ラザ帝国出立前に、父上にお願いしておいた。とても乗り気だったので期待できたが、まさかここまで手を回してくれたとは。感謝の手紙を書かねばな」と。
『手を回した』というのは、王都内の一等地のギルド本拠地を購入できた件か。
そして今──私は玉座に腰かけたまま、虚空を眺めていた。
周囲では、サブマスのサラさんを中心として、カブギルドの〈七福星〉(ようは七人のサブマスターの名称)が、テキパキと立ち働いている。
ああ。私、いつになったら【覇王魔窟】攻略に戻れるのだろう。
こっそりと抜け出したら、バレるかな? 別に私がいなくても、このギルドは回っていけるように思う。
あぁ、早く強化素材を集めて、魔改造鍬〈スーパーコンボ〉を進化させたい。そして【覇王魔窟】を駆け上がり、自分の限界に挑戦したい。
ウズウズしている。よし、もう抜けだそう、と決めたときだ──来訪者があるようだと出ていたサラさんが、焦った様子で駆け戻ってきた。
「いま国王陛下の使者がいらっしゃいました。至急、ギルドマスターに王宮のほうに来ていただきたいと」
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、いやだ。
「分かりました、サラさん。お断りの手紙を書きましょう。書簡部門(うちに加入前は書簡ギルド)にお願いして、当たり障りのない断り状の作成をお願いします。その後、代筆部門(うちに加入前は代筆ギルド)に頼んで、私の筆跡を真似て書き写していただき、配達部門(うちに加入前は配達ギルド)に王宮まで届けてもらうとしましょう」
すると、サラさんがひっくり返りそうになった。というより実際にひっくり返り、後頭部を打ち付ける前に、そばにいたミリカさんが抱きとめる。なんとか気持ちを奮い立たせた様子で、サラさんが言う。
「ギルドマスター! あの、さすがに国王陛下じきじきのお招きを拒否するというのは──その、カブギルド全体にとって不利益となるかと思うのですが」
これだよね。責任というもの。ただでさえ組織(パーティでもいいけど)に属するというのは、この責任という『私にとっての不利益』が生じる。しかも、いまや私はギルドマスターということで、このカブギルド全体に対する不利益を回避せねばならない立場となってしまった。
なんという、私にとっての大いなる不利益!!!
「………………陛下は、私に何時ごろに来いと?」
サラさん、生き返る。
「ただちにとの仰せです」
恐ろしく気乗りしないまま、王城に向けて出立。ミリカさんが同行してくれた。
ちなみにベロニカさんは、嘆き悲しみながらもカブギルドの敷地には入ってこなかった。いまやベロニカさんは冒険者ギルドの幹部格。
そして今や冒険者ギルドのライバル候補にまで成長したカブギルド。それに関わることは、不義理というわけだ。
ミリカさんが大満足したのは、言うまでもない。
王との謁見までは、凄まじくスムーズに進んだ。私としては、向こうから『来い』と言ってきたのだから、当然だと思う。ところがミリカさんは驚いている。
「陛下には、さまざまな政務がおありだ。通常のギルドマスターレベルが相手で、このように優先して謁見まで進むというのは、驚くことなのだアリアさん」
「はぁ」
というわけで、アーテル国王に拝謁。
私は跪きながら、結局のところ国王が【覇王魔窟】の魔物よりも偉いと言えるのだろうか、という漠然とした叛逆思想を抱いていた。
それから、こんなことも思う。謁見する前に、当然ながら武器は預けている。つまりいま手元に〈スーパーコンボ〉はない。だが《操縦》で手元に呼べば、ものの数秒でやってくる。
やろうと思えば、いまここで国王陛下を『収穫』することもできる。
いやそもそも、たとえ王都の外からスタートし、国王軍が総力で守護っても、私は王のもとまでたどり着き、その首を『収穫』できる自信がある。
否、確信がある。
こんなことを考えている私は、不遜だろうか。または反逆者? もちろん実行する気はない。そんなことをしては、快適な【覇王魔窟】攻略ライフからかけ離れてしまう。
だいたいアーテル国が戦争状態にないからこそ、【覇王魔窟】周囲の治安も安定しているのだ。ここで王が討たれれば、アーテル国内がカオスに陥ることは目に見えている。
王は、やはり王として必要不可欠なのだ。
「おもてを上げよ」
王がそうおっしゃるので、私は顔を上げた。
私の【覇王魔窟】攻略ライフのためにも必要不可欠な王の用事とは、一体なんでしょうね?
まず本拠地が山間部から、王都に移動。それも王都内の一等地で、元は大手ギルド(いまは離散した)の本拠地を購入していた。
ギルド員数は、正確に2852人。サブマスターのサラさんが過労死3歩前の顔色で迎えてくれた。ロクウさんは、依頼された害獣狩りに出ているとのこと。
私は眩暈がしながらも、ギルドマスターの玉座に座った。
え、玉座? どいうこと?
サラさんが誇らしげに語ったところによると、私がいま座った玉座は、かつてはポルトという小国の王城にあり、歴とした王が座っていたものだという。
ポルト国が亡んだのち、その玉座は故買商の手にわたり、とある他国の貴族に売られた。
そして──凄く長い所有者履歴が続くが、結局、このカブギルドのもとにやって来たと。
プラスに言うと由緒正しい。マイナスにいうと、超中古品。
とにかく玉座に腰かけて、私はいまだショックが冷めやらぬ。なぜ、カブギルドはこんなにも『飛ぶ鳥を落とす勢い』の成長ぶりを見せているのだろう。もとはたった数人の、ギルドというより『友達が集まっているだけ』だった女戦士ギルドだったのに。
いまや構成員が2852人なんて。ああ大手ギルドの仲間入り。
サラさんが言うには、複数の理由があるらしい。
まず壊滅ギルドの悪名が凄まじいものだった。よってそれを撃破したギルドというだけで、カブギルドが注目されるには充分だったと。
またカブギルドのギルド目的が、『全国民が安心してカブを食べることができるよう、国家の治安を維持する』だったのが良かったと。
つまりサラさんの表現では、『臨機応変で、どのような外環境にも対応できる、繊細さと柔軟さをあわせもったギルド思想』だと。
私からしたら『超テキトー』にしか思えないのに、これがウケたらしい。
というのも、ここのところ『ギルドの目的が細分化しすぎ』問題というものがあるらしい。たとえばもとは大手の鍛冶ギルドが、鍛冶性の違い(素人の私からしたら、なんだそれ、だけど)で分派。ようは『武器』派と『農具』派に分かれてしまい、鍛冶依頼するにもまずは武器か農具かで窓口が変わるという煩瑣さ。
そんな中、『とりあえず、世のため人のためならば何でも有り』という思想(『全国民が安心してカブを食べることができるよう、国家の治安を維持する』という思想とは、つまりそういうこと)が、逆に『分かりやすいっっっ!!』とウケたのだとか。
そのため、『細分化しすぎたためギルド力が弱くなってしまった』中小ギルドが、カブギルドのもとに集ったと。
あ、それともう一つ。力のあるギルドには、どこかの有力貴族の後ろ盾があるものだ。カブギルドにも、そんな後ろ盾ができていた。
はい、ハーバン伯爵ですね。
ミリカさんが『これもアリアさんのためだもの』という表情で、
「ラザ帝国出立前に、父上にお願いしておいた。とても乗り気だったので期待できたが、まさかここまで手を回してくれたとは。感謝の手紙を書かねばな」と。
『手を回した』というのは、王都内の一等地のギルド本拠地を購入できた件か。
そして今──私は玉座に腰かけたまま、虚空を眺めていた。
周囲では、サブマスのサラさんを中心として、カブギルドの〈七福星〉(ようは七人のサブマスターの名称)が、テキパキと立ち働いている。
ああ。私、いつになったら【覇王魔窟】攻略に戻れるのだろう。
こっそりと抜け出したら、バレるかな? 別に私がいなくても、このギルドは回っていけるように思う。
あぁ、早く強化素材を集めて、魔改造鍬〈スーパーコンボ〉を進化させたい。そして【覇王魔窟】を駆け上がり、自分の限界に挑戦したい。
ウズウズしている。よし、もう抜けだそう、と決めたときだ──来訪者があるようだと出ていたサラさんが、焦った様子で駆け戻ってきた。
「いま国王陛下の使者がいらっしゃいました。至急、ギルドマスターに王宮のほうに来ていただきたいと」
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、いやだ。
「分かりました、サラさん。お断りの手紙を書きましょう。書簡部門(うちに加入前は書簡ギルド)にお願いして、当たり障りのない断り状の作成をお願いします。その後、代筆部門(うちに加入前は代筆ギルド)に頼んで、私の筆跡を真似て書き写していただき、配達部門(うちに加入前は配達ギルド)に王宮まで届けてもらうとしましょう」
すると、サラさんがひっくり返りそうになった。というより実際にひっくり返り、後頭部を打ち付ける前に、そばにいたミリカさんが抱きとめる。なんとか気持ちを奮い立たせた様子で、サラさんが言う。
「ギルドマスター! あの、さすがに国王陛下じきじきのお招きを拒否するというのは──その、カブギルド全体にとって不利益となるかと思うのですが」
これだよね。責任というもの。ただでさえ組織(パーティでもいいけど)に属するというのは、この責任という『私にとっての不利益』が生じる。しかも、いまや私はギルドマスターということで、このカブギルド全体に対する不利益を回避せねばならない立場となってしまった。
なんという、私にとっての大いなる不利益!!!
「………………陛下は、私に何時ごろに来いと?」
サラさん、生き返る。
「ただちにとの仰せです」
恐ろしく気乗りしないまま、王城に向けて出立。ミリカさんが同行してくれた。
ちなみにベロニカさんは、嘆き悲しみながらもカブギルドの敷地には入ってこなかった。いまやベロニカさんは冒険者ギルドの幹部格。
そして今や冒険者ギルドのライバル候補にまで成長したカブギルド。それに関わることは、不義理というわけだ。
ミリカさんが大満足したのは、言うまでもない。
王との謁見までは、凄まじくスムーズに進んだ。私としては、向こうから『来い』と言ってきたのだから、当然だと思う。ところがミリカさんは驚いている。
「陛下には、さまざまな政務がおありだ。通常のギルドマスターレベルが相手で、このように優先して謁見まで進むというのは、驚くことなのだアリアさん」
「はぁ」
というわけで、アーテル国王に拝謁。
私は跪きながら、結局のところ国王が【覇王魔窟】の魔物よりも偉いと言えるのだろうか、という漠然とした叛逆思想を抱いていた。
それから、こんなことも思う。謁見する前に、当然ながら武器は預けている。つまりいま手元に〈スーパーコンボ〉はない。だが《操縦》で手元に呼べば、ものの数秒でやってくる。
やろうと思えば、いまここで国王陛下を『収穫』することもできる。
いやそもそも、たとえ王都の外からスタートし、国王軍が総力で守護っても、私は王のもとまでたどり着き、その首を『収穫』できる自信がある。
否、確信がある。
こんなことを考えている私は、不遜だろうか。または反逆者? もちろん実行する気はない。そんなことをしては、快適な【覇王魔窟】攻略ライフからかけ離れてしまう。
だいたいアーテル国が戦争状態にないからこそ、【覇王魔窟】周囲の治安も安定しているのだ。ここで王が討たれれば、アーテル国内がカオスに陥ることは目に見えている。
王は、やはり王として必要不可欠なのだ。
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