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第1章
Ⅰ―Ⅶ
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そびえ立つ山々を見てため息が出る。
別に感動してるわけじゃない。 普通に憂鬱だからだ。
足も限界になって来てるのに鞭を打つような仕打ち。結構、精神的にも来る。
「相棒よ……」
おや?魔王の様子が?山を超えるのを改めてくれるのか?
「まるでピクニックというやつだな!」
興奮した表情をこちらに向けてくる。めっちゃ楽しみにしてるみたい。でもね、これピクニックって言わない、ロッククライミングの方がまだ正しい。
*****
道なき道を行く。山の中は霧がかっていて、あまり木は見当たらない。その代わりゴツゴツした岩肌が飛び出ている。
さっきから、動悸が激しくなって来てる。先を行く魔王との距離も遠くなっていた。
でも、早く歩こうと思っても体は追い付かないみたいで…。
「やば…限界……」
思わず、その場に倒れ込んでしまった。先の方を見ると魔王はいない。
まずい…。このままじゃ迷子だ。
息を整え、僕は早足で歩き出した。
足には激痛が走るけど、それよりも今よく分からないところで迷子になる方が辛い…。
辺りはすっかり深い霧がかかっている。
(早く行かなきゃ…!)
*****
「頂上まで行ったらいったん昼食にしよう!」
意気揚々とそう言いながら振り返ると、共に道を歩んでいたはずの相棒がいない。
もしや、置いてきてしまったのか?
霧深い山の中。しかも人間だ、きっとそうに違いない。
今まで相棒のペースに合わせて歩いていたが、ピクニックという言葉に思わず楽しくなり普通に歩いてしまっていた。
我の責任でもあるな…。
我の部下とは違い、人間は飛ぶ事も出来ない。魔法を使う奴はいるが極少数で相棒はそれに該当しない。
連れてきてしまったのだから、仕方が無い。探す。
といっても我自ら探す訳ではないがな。
「来い、この山の者等よ」
そう言うと、多くの岩陰からこの山に住み着く魍魎が出てきた。
「人間の少年を見つけてくれ。特徴は貧相な顔立ちで黒髪、鎧を身に纏っている」
魍魎どもは我の言葉に頷くと、霧の中へ消えていった。
さあて、我は少し休憩にするか。
暇だし、頂上で食べようと思っていた昼食を少しつまもう。
ピクニックというのは実に楽しいな。早く相棒とも一緒に食べれたら良い。
ピクニックの良さを分かって、凄く嬉しそうにしてくれるだろう。
我はそう考えるだけで笑みをこぼさずにはいられなかった。
別に感動してるわけじゃない。 普通に憂鬱だからだ。
足も限界になって来てるのに鞭を打つような仕打ち。結構、精神的にも来る。
「相棒よ……」
おや?魔王の様子が?山を超えるのを改めてくれるのか?
「まるでピクニックというやつだな!」
興奮した表情をこちらに向けてくる。めっちゃ楽しみにしてるみたい。でもね、これピクニックって言わない、ロッククライミングの方がまだ正しい。
*****
道なき道を行く。山の中は霧がかっていて、あまり木は見当たらない。その代わりゴツゴツした岩肌が飛び出ている。
さっきから、動悸が激しくなって来てる。先を行く魔王との距離も遠くなっていた。
でも、早く歩こうと思っても体は追い付かないみたいで…。
「やば…限界……」
思わず、その場に倒れ込んでしまった。先の方を見ると魔王はいない。
まずい…。このままじゃ迷子だ。
息を整え、僕は早足で歩き出した。
足には激痛が走るけど、それよりも今よく分からないところで迷子になる方が辛い…。
辺りはすっかり深い霧がかかっている。
(早く行かなきゃ…!)
*****
「頂上まで行ったらいったん昼食にしよう!」
意気揚々とそう言いながら振り返ると、共に道を歩んでいたはずの相棒がいない。
もしや、置いてきてしまったのか?
霧深い山の中。しかも人間だ、きっとそうに違いない。
今まで相棒のペースに合わせて歩いていたが、ピクニックという言葉に思わず楽しくなり普通に歩いてしまっていた。
我の責任でもあるな…。
我の部下とは違い、人間は飛ぶ事も出来ない。魔法を使う奴はいるが極少数で相棒はそれに該当しない。
連れてきてしまったのだから、仕方が無い。探す。
といっても我自ら探す訳ではないがな。
「来い、この山の者等よ」
そう言うと、多くの岩陰からこの山に住み着く魍魎が出てきた。
「人間の少年を見つけてくれ。特徴は貧相な顔立ちで黒髪、鎧を身に纏っている」
魍魎どもは我の言葉に頷くと、霧の中へ消えていった。
さあて、我は少し休憩にするか。
暇だし、頂上で食べようと思っていた昼食を少しつまもう。
ピクニックというのは実に楽しいな。早く相棒とも一緒に食べれたら良い。
ピクニックの良さを分かって、凄く嬉しそうにしてくれるだろう。
我はそう考えるだけで笑みをこぼさずにはいられなかった。
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