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出会い
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私の名前は森永菜月(もりながなつき)。高校1年生の15歳だ。
私にはとても仲の良い幼なじみがいる。
「菜月ー!はやく行こうぜ!」
彼の名前は山口陽向(やまぐちひなた)。陽向とは幼稚園の頃からの付き合いで、かれこれ12年間一緒にいる。
小学生の時にはからかわれるのが恥ずかしくて距離を置こうとしたが、それでも着いてくるのがこいつである…
夏休みのある日、夏期講習の帰りにばったりこいつと会って、一緒に帰っていた時だった。
「あー、ガチであちー。菜月、アイス奢って!」
「はー?無理だよ。お金持ってきてないし。」
「じゃあ、せめて風をくれ…暑くて死にそう( ´ཫ`)」
「風の精霊にでも頼んでくださーいw」
「じゃあいいよ…風の精霊よ!風を起こしたまえ!」
「ちょ、なにしてんの!恥ずかしいなー…」
ヒュ━━━━━━
「「え?」」
その時、タイミングよく風が吹いた。
私は困惑しつつも、偶然だと思っていた。
「菜月…おれ、精霊操れるようになったみたい。」
「何言ってんの、偶然だよ。ぐ、う、ぜ、ん!」
「あー!信じてないな!」
「当たり前でしょ、信じる方がどうかしてる。」
「風の精霊よ…我々の前に姿を現したまえ!…って、なーんてなw」
「だから!声が大きい…」
見てわかるように、この時私は精霊なんて信じていなかった。
小さい時から幽霊やらUFOやら非現実的なことはくだらないと思っていた。
だが、そんな考えはこの日の出来事で覆ってしまう…
「汝の願い、聞き届けた」
「ん?」
「陽向?どうしたの?」
「なんか、聞こえたような…え!?」
「え?なに?」
「う、うしろ…」
私が振り返ると、衝撃的な情景が目に飛び込んできた
「こんにちは~♪」
犬のような姿をした謎の生物が、こちらに向かって手を振っている。
私は驚き過ぎて、声も出なかった。それは陽向も同じようで、私たちの間に数秒間、沈黙の時間が流れた。
謎の生物はそれが面白くなかったらしく、少し不機嫌な様子で
「自分から呼んでおいて、だんまりはないんじゃない?」
と、話しかけてきた。それに対して陽向は…
「あ、ごめん。えっと、君の名前は?」
「僕はクルル!というか、僕を呼んだのは君でしょ?なんで驚いてるの?」
「あ、実は冗談のつもりだったというか、なんというか…」
「え!?」
「あの!話に割って入って悪いんだけど、あなたほんとに精霊なの?」
「うん!僕は風の精霊だよ!」
「そんな事、信じられない…」
「じゃあさ、契約とかできるのか!?」
「できるよ!する?」
「うんうん!」
「あ、でもひなたじゃ心配だから…なつき!」
「え!私!?」
「手を貸して」
私が素直に手を差し出すと、クルルも手を出して私の手に合わせた。
その瞬間、私たちは白く暖かい光に包みこまれた。
「はい!これで契約完了だよ!これを渡しておくね。」
「なにこれ?」
クルルは私に風の形をしたキーホルダーの様な物を手渡した。
「僕を呼ぶときはこれを握って心の中で強く願って。すぐに向かうから!」
「うん、わかった!」
「いいなぁ~。ってか、なんで俺じゃ心配なの!?」
「だって、ひなただし…?」
「なんだよそれ! w」
と、こうして私とクルルは簡単に契約を交わしてしまった。
私にはとても仲の良い幼なじみがいる。
「菜月ー!はやく行こうぜ!」
彼の名前は山口陽向(やまぐちひなた)。陽向とは幼稚園の頃からの付き合いで、かれこれ12年間一緒にいる。
小学生の時にはからかわれるのが恥ずかしくて距離を置こうとしたが、それでも着いてくるのがこいつである…
夏休みのある日、夏期講習の帰りにばったりこいつと会って、一緒に帰っていた時だった。
「あー、ガチであちー。菜月、アイス奢って!」
「はー?無理だよ。お金持ってきてないし。」
「じゃあ、せめて風をくれ…暑くて死にそう( ´ཫ`)」
「風の精霊にでも頼んでくださーいw」
「じゃあいいよ…風の精霊よ!風を起こしたまえ!」
「ちょ、なにしてんの!恥ずかしいなー…」
ヒュ━━━━━━
「「え?」」
その時、タイミングよく風が吹いた。
私は困惑しつつも、偶然だと思っていた。
「菜月…おれ、精霊操れるようになったみたい。」
「何言ってんの、偶然だよ。ぐ、う、ぜ、ん!」
「あー!信じてないな!」
「当たり前でしょ、信じる方がどうかしてる。」
「風の精霊よ…我々の前に姿を現したまえ!…って、なーんてなw」
「だから!声が大きい…」
見てわかるように、この時私は精霊なんて信じていなかった。
小さい時から幽霊やらUFOやら非現実的なことはくだらないと思っていた。
だが、そんな考えはこの日の出来事で覆ってしまう…
「汝の願い、聞き届けた」
「ん?」
「陽向?どうしたの?」
「なんか、聞こえたような…え!?」
「え?なに?」
「う、うしろ…」
私が振り返ると、衝撃的な情景が目に飛び込んできた
「こんにちは~♪」
犬のような姿をした謎の生物が、こちらに向かって手を振っている。
私は驚き過ぎて、声も出なかった。それは陽向も同じようで、私たちの間に数秒間、沈黙の時間が流れた。
謎の生物はそれが面白くなかったらしく、少し不機嫌な様子で
「自分から呼んでおいて、だんまりはないんじゃない?」
と、話しかけてきた。それに対して陽向は…
「あ、ごめん。えっと、君の名前は?」
「僕はクルル!というか、僕を呼んだのは君でしょ?なんで驚いてるの?」
「あ、実は冗談のつもりだったというか、なんというか…」
「え!?」
「あの!話に割って入って悪いんだけど、あなたほんとに精霊なの?」
「うん!僕は風の精霊だよ!」
「そんな事、信じられない…」
「じゃあさ、契約とかできるのか!?」
「できるよ!する?」
「うんうん!」
「あ、でもひなたじゃ心配だから…なつき!」
「え!私!?」
「手を貸して」
私が素直に手を差し出すと、クルルも手を出して私の手に合わせた。
その瞬間、私たちは白く暖かい光に包みこまれた。
「はい!これで契約完了だよ!これを渡しておくね。」
「なにこれ?」
クルルは私に風の形をしたキーホルダーの様な物を手渡した。
「僕を呼ぶときはこれを握って心の中で強く願って。すぐに向かうから!」
「うん、わかった!」
「いいなぁ~。ってか、なんで俺じゃ心配なの!?」
「だって、ひなただし…?」
「なんだよそれ! w」
と、こうして私とクルルは簡単に契約を交わしてしまった。
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