Worlds of Fate〜世紀末の戦士は異世界に挑む!〜

そらほし

文字の大きさ
4 / 24

第4話 初めての授業

しおりを挟む
最初の授業は座学だ。共通語と数学。

「皆の者、席につくのじゃ。これから授業を始めよう。」

尖った耳の老人の教師が、髭を撫でながら教壇に立つ。

そこにエルフの王子で美しい少年レオが手を上げた。
「先生、何でこのクラスにたかが人間がいるんですか?」

その隣の席の銀髪と赤い目が特徴のヴァンパイアであるヴィクターも同調する。
「同意だ。人間ごとき脆弱な種族…我々の餌でしかない」

チッ…ここで反発するのは授業の妨げになる。
俺は実力で示すんだと、ぐっとこらえる。

そこに隣のアロマが心配そうにシンヤに声をかけた。
「私も人間だった前世があるのよ。それに人間には偉大な人が沢山居るわ。」

俺はその可憐な少女の慰めに、ついムキになってしまう。
「慰めのつもりか?俺は実力で示す。」

「…そっか」

アロマは親切心で言ったことを突っぱねられて、しゅんとした。少し唇を尖らせてシンヤから目を背けて窓の外を見る。

最初に世界共通語と数学のテストが開始された。テストが配られるとシンヤはスラスラと解きはじめる。そしてテストが終わると回収され魔法により一瞬で採点された。

そして結果がすぐに開示される。

「ふぉっふぉっふぉ。賢者シリウスが一位か。まあ予想通りの結果じゃな。むむ、人間のシンヤが3位とな…!?これは予想外じゃよ」

クラス16名中、共通語と数学の総合順位でシンヤは3位。1位はペガサス族のシリウス。2位はドラゴン族で勇者のルーク。堂々たるメンバーの中で3位に入った。

アロマはというと共通語は満点に近いが、数学が大きく足を引っ張っている様子で、もじもじと、隣で静かに赤くなっていた。

「あの人間、世界共通語と数学できんだな。やるじゃん。」

「でもまだまだ科目はあるぜ。これから見ものだな。」

などとシンヤに注目する声がヒソヒソと轟く。

少し前に座っているユージーンがシンヤに振り向きガッツポーズを送る。

シンヤは当たりめえだろと思いながらもニヤリと微笑み返した。

その後は共通語と数学の授業が行われた。シンヤから見て隣のアロマはと言うとぼんやりと窓の外を見ている。

窓から入るそよ風に、アロマの髪の毛が揺れる。

形が良くはりがよい胸の谷間がチラリと見える。

…全く。舐め腐っているな。俺はやるからには真剣だっつうのに。まあ、いいけど。

「むむ……はぁ~。」
数学の時間、アロマは解けない問題に苦戦して諦めていた。
「そこの人間の隣の妖精よ。この公式を答えてみなさい」
「ひゃ、ひゃい。わ、私ですか?」

途中アロマが教師に名前を呼ばれると、たじろぎ困った様子をしていたので、なぜだか俺は自分のノートをこっそり見せてやった。

俺はスッとノートを見せてやる。アロマの桃色の瞳が揺れた。

えーっと、これは助け舟じゃなくて。
朝、人間ってことをフォローされた借りを返したかったとかじゃなく、哀れで見てられなかったからだ。…と俺は自分に言い聞かす。

アロマが静かな声でシンヤに告げる。
「シンヤ、ありがとう。とても頼りになるのね」

ぺこり、と小さくお辞儀をする。その瞬間、スカートがひらりとめくれた。アロマの大事な部分を包むピンク色のレースのパンツが露わになる。

「さっきから窓の外ばかり見てねえで授業に集中しろや」

「あっ、えっ、ええ…」

アロマは顔を真っ赤にして片手で自身の頬を触った。

ったく。…なんか調子狂うぜ。

なんか、赤くなると同時にコイツの周りに蝶がパタパタ舞ってる…けど、アロマって奴の普通の女子っぽい反応に拍子抜けした。


◇◇◇◇◇

共通語と数学の授業が終わり、皆で食堂でランチを食べる。そこには全学年が集まり、多種多様な種族が集まっていた。

本日のメニューはスパゲティとサラダ、そしてバゲットにスープが付いている。こんな豪華な食事、俺は産まれてから一度も食べた事がない。

シンヤに好意的だった好青年、半精霊のユージーンと、兎耳をぴょこぴょこさせた半獣人のモモが話しかけてきた。

「すごいやシンヤ!!3位だって?」

「僕なんか、ほぼ最下位なのだ!」

「お前ら…俺は気合いが違うからな」

「どういう事だい?」
ユージーンは興味がありそうに俺の顔を覗き込む。

「まぁ俺は軍隊で諜報活動する様に鍛えられていたから、勉強も得意なんだ。」

「すごいのだ!シンヤ、かっこいいのだ!」
とモモが興奮気味に言う。

「別に…普通の事だ。」

異世界の中でも、穏便で和やかな2人に囲まれて過ごした初めての食事は悪くなかった。

俺が居た軍で出される食事は完全栄養食。カロリーを摂取するだけの長細い固形物だからな。それを黙々と食べ、水で胃袋に流し込むだけの日々だったから。

黙々と食事を済ませて、俺達は教室に向かった。

教室に戻ると、白いローブを纏った長い白髪の美女、ヴェルサンディが再び姿を現す。

「次は実践に向かう。クラス全員でランクマッチを行い順位をつける。まずは隣の席の者と戦い、勝った方がまた勝者と戦う。」

シンヤは来た…!!と待ちに待った実践に胸を躍らせる。軍隊やゲリラ戦仕込みの、武器の扱いや身体の使い方に慣れている。

「武器や防具の持ち込みは自由だ。必要であれば私に声をかけよ」

俺はどんな敵が相手だろうと、地球では必ず勝ってきたのだ。異世界でそれを試せる機会。さらに武器や防具の持ち込み自由。こんな好機に胸が躍らないわけがない。

シンヤは教室で実践クラスの準備を整えながら、ヴェルサンディに視線を向けた。彼女はノルン三姉妹の一人で、彼を導いた過去と運命を操る女神。

「おい、ヴェルサンディ。地球で使っていた武器をここに持ってこれるか?」

「可能だ。それらを頭に思い描くと良い」

ヴェルサンディは静かに頷き、手を広げて呪文を唱え始めた。彼女の周りに薄い光が漂い始め、次第に強さを増していく。

そして彼女の言葉に応じるように、シンヤの頭の中で地球の武器や装備の一つ一つが鮮明に蘇っていく。

「お前が思い浮かべたもの全てが、直ぐにここに届くだろう」

ヴェルサンディの声が静かに響く。シンヤは目を閉じ、軍で使い慣れた武器、サイバーウェア、そして防具の一つ一つを思い描いた。

全ての装備が頭の中に浮かび上がり、彼の記憶に鮮烈に刻まれた感覚が甦ってきた。次の瞬間、空気が揺らぎ、目の前に何かが現れた。

光の中から、シンヤの手元に一つ一つの武器が姿を現す。最初に現れたのは、愛用していたアサルトライフル。黒い光沢を放つボディ、精密なスコープ、そして自分で調整したトリガー。

次に現れたのはナイフセット。軍隊仕込みの近接戦闘用の武器で、手にしっかりと収まるようにカスタマイズされたグリップが握りやすい。

さらに、サイバーウェアが光の中から形を取り始めた。瞬時に視覚情報を拡張するゴーグル、そして強化された防御力と反応速度を誇るエクソスーツ。他にも使い慣れた剣や、手榴弾、弾丸などが全て現れた。

シンヤは一つ一つを確認しながら、胸に込み上げる興奮を抑えきれなかった。

「転送魔法…すげえな。よしこれで、準備は整った。異世界での戦闘、やってやるぜ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...