上 下
5 / 6

episode5 俺といとこの初めての一緒の登校

しおりを挟む
そして翌朝、
「冬治、朝だよ、これ以上寝ると遅れるよ!!」
「ん…夏菜か、おはよー。」
「そういえば俺昨日寝てるときに変なモノ触った気がするけど、気のせいだよな?」
「う、うん、気のせいだよ、きっと」
(冬治くん、本当は私のおっぱい触ったんだよーー!!)
「あれ、そういえば、雪お義姉ちゃんは?」
「姉貴なら、もうとっくに家出てるよ、この時間。」
「そうなんだね。」
「片道1時間半だからな。」
朝一番の会話が始める内に間もなく鈴奈も合流し、武田家の1日が始まる。朝食はすでに母の知世が準備をしていた。
「おばさん、おはようございます!!」
「はい、おはよう!」
「夏菜ちゃんはアンタと違ってきちんと挨拶してるわよ、少しくらい見習いなさい!」
「ごめん、お袋。」
用意されてある白ご飯、目玉焼きを食べ、学校の支度をする。冬治は夏菜よりも食べ終わりが遅く、慌てて部屋に戻る。だが、自分の部屋で夏菜が着がえているとは知らず、ドアを開けてしまう。そこにはピンクのブラジャーと黒のパンツだけの姿で着がえている夏菜がいた。
「あぁ、あ、キャーッ!!!」
「うわぁ、ごめん!!」
「罰として、あなたもここで着がえてもらうから!」
「なんでそうなるの!」
「だ、だって、男の子の着がえてるトコ、見たいんだもん…」
「はいはい、わかったわかった。」
かなり面倒くさそうに答える冬治。
「というか、昨日風呂入ったときに見たでしょ?」
「あのときは忙しくて見てなかったの!」
「そ~ですか。」
仕方なく冬治は服を脱ぎ、支度を始める。そこに鈴奈も現れ、
「夏菜おねーちゃんがおにーちゃんの学校の制服着てる!」
「鈴奈ちゃん、私似合ってる?」
「うん、夏菜おねーちゃんかわいい!!」
「ふふ、ありがとう!」
(鈴奈ちゃんにかわいいって言われた…でも、冬治くんにもかわいいって言ってもらえるように頑張らなきゃ!!)
「もうそろそろ出るぞ。」
「はいは~い。」
「いってきます!」
駅に到着し、電車を待つ2人。
そこで杉浦と出会う。
「よ!、お二人さん!!」
「杉浦か、何の用だ?」
「お前達、付き合ってるのか?」
「俺は夏菜とは付き合ってない!」
「そ、そうだよ、私は冬治のこと好きじゃないし!!」
(できることなら付き合いたいけど…今の夏菜は俺のこと嫌いだしな…)
(冬治くんと付き合いたいけど…冬治くん、私のこと嫌ってるから…)
「ところでまだ電車来ないの?」
「ここは東京じゃないんだ、すぐには来ないよ。」
冬治はホームの時計を確認する。
「ん~と、今は7時半だから、あと8分だな。」
「じゃ、ジュース買ってきて。お願い!」
「なんで俺が…まあいい、わかった」
駅構内のベンチ近くの自販機でオレンジジュースを買い、夏菜の元へ戻る。
「はいこれ、ジュース。」
「私はりんごジュースを頼んだの!」
「お前ジュースしか言ってないだろ。」
「おいおい、落ち着けよ、電車来たぞ!」
杉浦がやや怯えつつ声をかける
「わりぃ」
「ごめんなさい…」
3人は電車に乗り、1時間かけて学校前の駅に着く。そして、2人の学校生活は本格的にスタートするのだった。
しおりを挟む

処理中です...