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episode4 いとこは俺と寝たい

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部屋に戻り、寝ようとする冬治。しかし、すでにベッドには夏菜がいた。
「夏菜、お袋に頼んで布団出してもらえよ。」
「私、冬治と寝たい!」
「やめろ、お前がよくても俺がきつい。」
「何、私が太ってるとでも言いたいの?」
「そういうことじゃなくて、女の子と2人きりで寝るのが恥ずかしいんだよ。」
「冬治と一緒に同じベッドで寝て、同じ夢を見たい!」
「勝手にしろ」
(夏菜、俺のことが本当に好きでこういうことやるのか? ただの冷やかしじゃないのか?)
(冬治くん、私のこと身勝手でわがままな女だって思ってるよね…)
「まあいい、寝るぞ」冬治は部屋の電気を落とし、眠りにつく。
同じベッドで眠る2人。しかし互いに妙な緊張感を覚え、なかなか寝付けない。
(俺、姉貴とも鈴奈とも一緒に寝たことないのに…どうすりゃいいんだ?)
(一緒に寝ようと言ったはいいけど、やっぱり冬治くんの言う通りだったかも!)
(とにかく、この重い空気を何とかしないと!)
「あ、あのさ、夏菜、起きてる?」
「起きてるよ。」
「こういう時間だからこそできるというか、恋バナしないか?」
「夏菜、お前の好みを教えろ」
「私のタイプの人は…白馬に乗ったイケメンの王子様!!」
「いつの時代だ!」
「ウソ、冗談。」「本当はね、私が支えがいがあるって感じる人。」「努力している人の力になってあげたいの。」
「俺は?」冬治は恐る恐る聞く。
「あんたみたいな怠け者は論外!支える価値がないもの!」
(やっぱりそうか~ 夏菜は俺のこと好きではないんだな…)
「冬治こそ、好きな人教えてよ!」
「俺の好みか…うーん、そうだな…」「わかった、単刀直入に言う。」
「誰なの?」
「中島夏菜、お前だ。」
「やめて、キモい、変態!!」
(私、冬治くんに好かれてるの?ど、どうしよう…嬉しすぎるんだけど!!)
2人はいつの間にか寝付いていた。だが、夏菜は不思議な感覚を覚え、目が覚める。すると冬治の手が夏菜のおっぱいを触れていた。
(あぁ…冬治くんに触られてる…でも意外と嫌な気持ちにならない…なんでだろう?)
この不思議な気持ちのまま、再び眠りに付く。
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