Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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三次審査編

三次審査⑮

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 玉鬘が次に見せたのは優しそうな両親と、幼い弟妹。玉鬘の両親はどちらもかなりの美形で、弟妹も可愛らしい顔をしていた。

「弟さんと妹さんは同じ背格好ですが、双子ですか?」

「うん。双子」

「とっても可愛いです」

「でしょ」

 相変わらずの無表情だが、返答の声音が柔らかくなってきた。小さな変化だが、空は嬉しかった。

「・・・貴方の家族は?」

「祖父がいます」

 空もスマホを取りだし、玉鬘に祖父の写真を見せた。
 玉鬘はじっと宵の顔を見た後、空の顔を見た。

「似てないね」

「俺は母似なんです」

「美人さんだ」

「とても美人です」

 最後は重い病で窶れていたが、それでも母は美しかった。お見舞いに行くと、嬉しそうに笑ってくれる母の笑顔が大好きだった。

「・・・貴方はとても優しい人ね。私はずっとこんな態度だから、途中で諦めるお見合い相手も多いのに」

「最初ですから、俺は気にしません。玉鬘さんはシャイなのかなと思いましたし」

「塩対応なの。態とよ」

「冷たい態度を取られても、不思議と嫌じゃありません」

「やだ、そんな趣味があるの?」


 やや引いた玉鬘に空は慌てた。いじめられて喜ぶ性質では決して無い。変態と認識される前に誤解を解かなければ!

「玉鬘さんだからです。美人さんにあしらわれるのが嫌じゃないだけで、決して変態では・・・」

「ふ~~ん。やっぱ変態だ」

「え~~・・・」

 困り切った空を見て面白くなったのか、玉鬘の顔に笑顔が浮かぶ。その破壊力は凄まじく、空は目を逸らせなくなった。
 じっと顔を見つめる空に玉鬘は居たたまれなくなったのか、頬を染めながら顔ごと目を逸らした。

「何よ、顔に何か付いている?」

「余りに綺麗だったので・・・」

「散々言われているから、そんな言葉だけじゃ靡かないわよ?」

「当然です」

 黒狐族一の美女を簡単に口説き落とせるとは思っていない。空はそこまで自惚れてもいなかった。

「俺も初めて会った女性に「格好いい」と褒められただけでは好きになりませんから」

「言われ慣れているんだ」

「同級生のお母様方によく言われます」

「?同年代の女の子はいないの?」

「人族は一番女性が少ないんです」

 玉鬘は他種族に余り興味が無いのか、空から人族の婚活事情を聞いてとても驚いていた。

 相手が見つからない場合はマッチングアプリや婚活バスツアーに参加して理想の相手を探す。見つけて結婚しても子どもが出来なかった場合、離婚してまた次の相手を探す。

 愛があっても空の父親みたいに無理矢理別れさせられるパターンもある。黒狐族では有り得ない結婚事情に玉鬘は衝撃を受けていた。


「なんか、余り幸せそうじゃないね」

「それが罰だと言われたら、それまでです」

「そっか。空は自分で幸せを掴むためにここに来たんだね」

 初めて名前を呼ばれて驚いた。玉鬘は変わらず無表情だが、空と初めて目を合わせた。

「今回のお見合が失敗しても、私が素敵な女の子を紹介してあげる。空なら引く手数多だよ」

 黒狐族の女性は情が深く器量よし揃い。おまけに男女比率のバランスが悪くて女性が余っている状態だ。玉鬘の周りでも、独身の女性は沢山いる。

「空って器用?重婚ってあり?」

 空はブッと吹き出した。とんでもない単語に気が動転した。重婚とは一体!!??

「黒狐族は女性が多いから、子孫を残すために収入が多い男の人は三人までお嫁さんを迎えられるの。空をお婿さんにしたいって友達は沢山いそうだから、三人の枠は直ぐ埋まりそう・・・。どうしよう?」

「いえいえ!!一人で充分です!」

 顔を真っ赤にしながら固持する空を見て玉鬘は笑った。

 その後はリサーチなのか、女性の好みと対応年齢の幅を聞かれた。

 待ってくれるなら自分の妹も紹介したいと言われたが、妹君は八歳。非常に申し訳なく、空は申し出を全て拒否した。
 玉鬘はぷくっと頬を膨らませ、不満そうだ。それでも気が変わったら柘榴に連絡するように言われ、空と玉鬘のお見合いは終了した。
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