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指名編
指名編④
しおりを挟む「え~~、では空の復活を祝って!乾杯!!」
「「「「乾杯っ!」」」」
「な、なんか済みません・・・」
改めて言われると恥ずかしい。レオンハルトとディアゴは空のために沢山の料理を用意してくれた。どれも美味しそうで、喜ぶ空の背中をレオンハルトはバンッと掌で叩いた。
「うっ!!」
「空よ、見合い相手と何があったか知らんが余り落ち込むなよ。落ち込んだら俺を思い出せ!お前よりやらかしている男がここに居る!」
「王・・・慰めになっていませんから・・・」
「俺、レオンハルト王の正直なところが好きなのでやらかしているとは思っていないんです。分かってくれる姫君もいます」
「空・・・!!」
「王が慰められてどうするんですか」
ディアゴは冷ややかな目でレオンハルトを見た。
「お前は良いよな!早速指名が入りやがって!」
「え?誰!?」
ミハエルも前のめりになる。空、イフラース、ユアンも興味津々でディアゴの言葉を待つ。
「・・・朧月夜だ」
「「「「おお~~~!!」」」」
朧月夜の指名が嬉しかったようで、ディアゴの尾がユラユラ揺れる。反対にレオンハルトはガックリ項垂れた。
「朧月夜か・・・やらかしランキング三位だから俺は何も言えん・・・」
「え・・・お、朧月夜さん以上にやらかしている姫君がいるんですか・・・?」
イフラースが恐る恐る聞くと、レオンハルトが特にやらかした三人は朧月夜・玉鬘・明石らしい。
「はぁ!?あの聖母と名高い明石ちゃんにもやったのか!?嘘だろ!」
ミハエルが驚くと、レオンハルトは心底語りたくないのか口を噤んだ。これは相当マズそうだ。
古傷を抉る趣味はなく、無理矢理ミハエルが話題を逸らした。
「指名もな~~、俺が調べたらまだ三人しか使ってないらしい。明日から本格的に動き出すかもな」
今日が初日ということなので、決めかねている姫君が殆どなのだろう。
そんな中、若紫は真っ先に空を指名してくれた。その事実が嬉しく、空は薄ら頬を染めた。
「こちらから指名できれば良いんですけどね」
ユアンも気になる姫君が出来たそうだ。彼女に贈り物をしたり手紙を送ったりと、あの手この手でアピールしているそうだ。
「こんな地味な鹿は相手にされないでしょうが・・・」
「何言ってるんですか!ユアンさんは優しくて格好いいです!」
「癒やし系ですよ」
「嬉しいな・・・勇気を貰いました!」
空とイフラースの応援がとても嬉しかったようで、ユアンはグッと拳を握った。
「明日も手紙を送ります!」
「「頑張って下さい!」」
「頑張りますよ!」
空も葵へ謝罪の手紙を送らなければならない。受け取って貰えないだろうが、スピネルのネックレスも同封しよう。誠心誠意謝罪したところで許されるとは思っていないが、何もしないよりは良い。
(俺も頑張ります!)
心の中でグッと拳を握る。謝罪の手紙は頭を使うので腹ごしらえは重要だ。
ここ数日は碌な食事をしていなかったので、目の前のごちそうを見ると自然と腹が鳴る。空の食べっぷりを見たレオンハルトとディアゴはとても喜んでいた。まさかの追加オーダーで腹はパンパンになったが幸せだ。
前向きになる切っ掛けをくれた若紫には感謝しかない。空は葵への手紙を書き終えると、若紫への手紙も書き始めたのだった。
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