Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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指名編

指名編⑤

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 次の日。手紙を送った空はレオンハルトからの緊急招集により急いで彼の部屋に向かった。

 一体レオンハルトに何があったのか。空が部屋に入ると、既に何時ものメンバーが集まっていた。

「レオンハルト王、一体どうしたんですか!?」

 自信満々な美男子の顔が真っ青になっている。空は取り敢えず座るよう促された。

「・・・実はな、指名が来て・・・」

「「「「「えっ!?」」」」」

 やらかし王、レオンハルトに指名が来た。何て喜ばしいのか。素直に喜ぶ五人を余所に、レオンハルトは浮かない顔だ。

「その割には嬉しそうじゃないな。何で?」

 ミハエルの疑問は尤もだ。その理由に気づいたのはまさかのイフラースだ。

「え・・・その、まさか、盛大にやらかしたお三方の中の一人・・・ですか?」

 レオンハルトは黙って頷いた。そして意を決したように小さく呟いた。

「・・・明石だ」

「「「「「えっ!!」」」」」

 八人の美姫人気ナンバーワン。聖母と名高き美女、明石。
 
 普通なら喜ぶところだろう。他の男なら天にも昇る気持ちになろうが、レオンハルトは真逆の反応だ。

 不思議に思った空は理由を聞くと、レオンハルトはぽつりぽつりと話し始めた。

「・・・俺のやらかしが関係しているんだが」

「はい」

「見合いの席で、まず目に付いたのがあの胸で」

「・・・はい」

「それで思わず言ってしまったんだ。『何だそれは』と」

「うわ・・・・」

 思わず声が出たのはミハエルだ。続きを聞くのが怖くてイフラース、ユアンの二人は震えながら抱き合っている。ディアゴもドン引きしていた。

「そこで止めておけば良かったのに、恥ずかしそうに明石が胸を隠すから言ってしまったんだ・・・『隠すくらいなら見栄を張るな。詰めすぎだ!』と」


 もう誰も何も言えなかった。想像以上のやらかしにディアゴは両手で顔を覆った。

「で、秋田犬の透輝だっけ?滅茶苦茶キレられて叩き出された」

「・・・叩き出されただけで良かったな・・・」

「・・・ですよね・・・」

 下手をすれば一発退場になりかねない事案だ。

 男だらけの特殊部隊出身とは聞いていたが、空以上に女性の扱いが分かっていない。
 見合いをする前に講習を開いて恋愛に関するあれこれを学んだそうだが、一体何を学んだのか。先生方の苦労が窺い知れる。仕上がりがこれなら絶望だ。

「そんな俺を指名だなんて訳が分からん・・・あの手のタイプに好かれた試しがないぞ!」

「ひょっとして、お見合いのやり直し、という可能性はないでしょうか・・・?」

 レオンハルトの話を聞く限り、彼は明石と真面に話していない。
 優しい明石はレオンハルトにもう一度チャンスをくれたのではないか。空がそう憶測すると、レオンハルトは納得したようで何度も頷いた。

「そうか。明石は優しい女と評判らしいからな。そういう話なら指名に応じるか!」

「王・・・指名に拒否権はない」

「そうだったか?」

「話すら聞いていないのか・・・」

 ディアゴはガックリ項垂れた。ミハエルは気の毒そうにディアゴの肩に手を置いた。

「どう回避しようか、そればかり考えていたからな。皆のお陰で前向きになれた。ありがとうな」

「いえいえ・・・」

「「それ程でも・・・」」

「次はやらかすなよ」

「最後のチャンスですからね。王、くれぐれも失言には気をつけて下さい」

「分かってるって」

 本当かなぁと五人は不安で仕方がなかった。やらかさないのを祈るばかりだ。
 その後レオンハルトは迎えに来た透輝と共に明石の元へ向かった。やや、透輝の目が厳しかったのは見なかった事にした。

「大丈夫ですかね?」

「ふ、不安しかありません・・・」

「ですよね・・・」

「だな」

「・・・迷惑を掛けた」

 はぁ、と五人は同時にため息をつき、夜の呼び出しも想定して早めの解散となったのだった。
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