44 / 201
指名編
指名編⑬
しおりを挟む二人の表情が余りに真剣なのでレオンハルトの表情は青を通り越して白くなった。
「だ、誰だよ其奴らは。俺は知らんぞ」
「朱家は伏家に次ぐ名門で朱寧は現当主だ。龍族にしては常識人で人脈もある上、伏雅に並ぶ美男で有名だ。あの龍族なのに福祉活動に熱心で、子どもに恵まれず虐げられた女性達の支援に力を入れている。それも種族問わず。ハッキリ言って完璧だ」
「グッ・・・!!」
「・・・オマールは有鱗目族きってのハンサムで有名なんです・・・。あ、これ写真です」
イフラースのスマホには黒髪に青い瞳、凜々しい眉と綺麗に整えられた髭。褐色の肌が印象的なセクシー系美男子が映し出されていた。
「ハンサムな上、彼は世界有数の天然ガス田所有者です。環境問題に非常に熱心で、私にも協力を求めてきました。とても情熱的に取り組んでいるのが分かりましたので、合同会社を立ち上げたんです・・・。女性には大変モテますが、真面目なので遊んではいません。正直、恋敵となるとかなり厳しいです」
「うッ・・・!!」
人格者VS女性に気遣えないポンコツ王の構図にレオンハルトは頭を抱えた。
話を聞いた空、ユアン、ディアゴも掛ける言葉が見つからない。正直かなり不利だと思った。
「でも、明石さんはレオンハルト王を選んでくれたじゃないですか。きっとタイプなんだと思います」
もうそれしか選んだ理由が思いつかない。それに空とのお見合いで明石は言っていた。
「明石さんは引っ張ってくれる男性が好みだと言っていました」
「空・・・朱寧も引っ張るタイプだ」
「・・・オマールもです・・・」
「「「・・・・・・・・」」」
「そ、それと、家庭を大切にする人が良いとも言っていました」
「龍は番一筋で浮気はしない」
「オマールも真面目なので・・・。浮気は許さないと言っていたのを覚えています」
「「「・・・・・・・・」」」
詰んだ。誰もがそう思った。しかしレオンハルトは顔を上げた。先程まで死んでいた目には輝きが戻り、表情には闘志が漲っていた。
「っしゃあ!頑張るか!」
「え、え・・・?急に何?」
ミハエルは引き気味だが、レオンハルトは気にせずニヤリと笑った。頼もしい『獅子の王』の姿に空は目を離せなかった。
「俺は獅子の王だからな。敵が強敵であればあるほど燃えるんだ。男だらけの特殊部隊出身舐めんな!」
「「レオンハルト王!」」
圧倒的不利な状況であろうとも逃げない。
勇敢な獅子に空とユアンは感動した。女性の心が分からない不器用な王だが、男気は誰よりもある。それに愛情深い。懐だって深い。
優しい王は妻となる女性をこれでもかと大切にするだろう。
明石はきっと見抜いたのではないだろうか。ポンコツな振る舞いに隠された彼の本質を。
「明石さんは見る目があります。レオンハルト王はイイ男です!」
「空・・・!!」
レオンハルトは感動して空を抱きしめた。かなり力が強く、窒息しそうだったが嬉しかった。
0
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。
BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。
父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した!
メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
好きな人と結婚出来ない俺に、姉が言った
しがついつか
恋愛
グレイキャット伯爵家の嫡男ジョージには、平民の恋人がいた。
彼女を妻にしたいと訴えるも、身分の差を理由に両親から反対される。
両親は彼の婚約者を選定中であった。
伯爵家を継ぐのだ。
伴侶が貴族の作法を知らない者では話にならない。
平民は諦めろ。
貴族らしく政略結婚を受け入れろ。
好きな人と結ばれない現実に憤る彼に、姉は言った。
「――で、彼女と結婚するために貴方はこれから何をするつもりなの?」
待ってるだけでは何も手に入らないのだから。
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる