Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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朧月夜の章

朧月夜の章⑦

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「・・・あら、顔色が悪いわね。どうしたのかしら?」

 朧月夜が心配そうにディアゴの顔を覗き込む。距離が近い。
 美しい顔を見ていると先程まで残っていた、漠然とした不安が消えていくようだ。

「・・・蒼淳と話をした」

「ああ。彼ね」

「・・・彼は、一体何者だ?」

「霊媒師よ。龍族一のシャーマン」

「・・・シャーマン。成る程」

 妙に納得した。龍族のシャーマンとなるとその実力は本物だろう。
 ディアゴの両親が既に鬼籍であるのは簡単に調べが付くが、墓参りに関しては誰も知らない。他種族なら尚更だ。

「見える人だし、何か言い当てられたかしら?」

「・・・ああ。あれは心臓に悪い」

「あら、貴方の寿命が縮まったら困るわ」

 妖しく笑う朧月夜は本当に美しい。殆ど無意識にディアゴは手を伸ばし、白く滑らかな頬に触れた。固い自分の肌と違い、柔らかい。
 自分の行動は禁止事項の一つ『お触りは厳禁』に抵触するが、朧月夜は逃げなかった。

「・・・嫌じゃないのか?」

「嫌じゃない男を選んだから大丈夫よ」

 朧月夜はディアゴの手に自らの手を添え、すっと指で撫でて離れる。思わぬ触れ方にディアゴは動揺した。

「貴方は素敵な人。もっと自分に自信を持って」

「君が選んでくれたら自信を持てる」

「あら、それは責任重大ね」

 朧月夜は答えをはぐらかした。微笑みを浮かべる彼女の心の内は分からない。それでも、少しでも良い。自分という存在を彼女に残したかった。

「朧月夜、君が本当に望むものを教えて欲しい。出来るだけ全て、君の条件に合わせる」

「全部私に合わせてくれるの?本当に?」

「ああ。君を何より大切にすると誓おう」

「・・・良いのかしら?貴方は私には勿体ない気がしてきたわ」

「逆だろう。俺は美男でもないし飛び抜けた金持ちでもないからな」

「関係ないわ。貴方は本当に素敵な人だから・・・」

「・・・朧月夜、これだけは言わせてくれ」

「何かしら」

「俺は、どんな君でも受け入れる」

 真剣な眼差しを向けるディアゴに朧月夜は驚いた顔をした。その後直ぐに目を伏せ、考え込むような顔をする。
 初めて見る不安そうな表情に溜らなくなり、ディアゴは身を乗り出して朧月夜を抱きしめた。

「ディアゴ様!」

 玻璃が止めに入ろうとするが、朧月夜は手で制した。

「嘘はつかない。どれだけ時間が掛かろうとも俺は待っている。・・・好きだ」

「・・・ありがとう」


 朧月夜は逞しい背に腕を回し、二人は抱きしめ合った。想像以上に細い体は力を込めたら壊れそうで、恐ろしかった。
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