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朧月夜の章
朧月夜の章⑬
しおりを挟む朧月夜による最終審査は『花調』(はなしらべ)。
花かごに使われた四つの花から朧月夜の『心の内』を連想する。
花言葉を調べる手段・方法は何でも構わない。花言葉の意味を的確に捉え、朧月夜の心情に一番寄り添った者を『夫』とする。
「花を間違えていたら元も子もないですからね。此方が使用されている花の一覧でございます」
花屋のお品書きをそれぞれ手渡される。ディアゴは兼業農家だが花については正直、疎い。
一覧を見ると聞いたこともない花も使われていた。
一・ダンジ―
二・ダリア(オレンジ・ピンク)
三・アキメネス
四・四つ葉のクローバー
「期限は今日より五日後。手紙にて回答を受け付けます。審査中は朧月夜様との面会も叶いません。来られても拒否致しますので悪しからず。特例も認めません」
玻璃はそれだけ告げると、朧月夜の元へ戻って行った。
説明を聞いたディアゴ・オーランド、ホテルの部屋で待機していた蒼淳は急ぎ、花言葉を調べ始めた。
その日の晩、本当の意味での最終審査を迎えたディアゴの元に何時ものメンバーが集結していた。
「花言葉なんて俺は知らん・・・」
「情緒は大切にしようぜ・・・レオンハルト王は先ずそこからだな」
「花調なんて風情がありますね」
空は興味津々で花かごと一覧表を見た。イフラースは生命力に溢れた黄色の花をじっと見ていた。
「このダンジ―という花、私の肌色と同じなので親近感が湧いてしまいます」
「確かに、綺麗な花ですね」
空が同調するとイフラースは嬉しそうに笑った。ユアンは早速スマホでダンジーの花言葉を検索していた。
「花言葉は『抵抗』『婦人の美徳』『貴方との戦いを宣言する』ですか・・・」
「何か勇ましいな」
このダンジーという花は非常に生命力が強いそうだ。オマケに虫が嫌いな成分も含んでいるそうで、その性質からこの花言葉が付いたらしい。
ダリアは『優雅』『気品』『栄華』と、美しく可憐な見た目に相応しい言葉が並ぶが、不穏な意味合いもあった。
「・・・『裏切り』『移り気』『気まぐれ』『不安定』ですか・・・・。意味深ですね・・・」
ユアンの感想はこの場にいる全員が抱いたものだ。
確実に言えるのは、意味深な方が真相に近いということだ。
「・・・それを言ったら四つ葉のクローバーなんて凄いですよ・・・」
イフラースの顔色が青くなっている。幸せの象徴でもある四つ葉のクローバー。イフラースが画面を向けると、ミハエルは顔を引き攣らせた。
「うわ、マジか」
「復讐か。中々血生臭くなってきたんじゃないか?」
四つ葉のクローバーの花言葉は『約束』『幸運』『私のものになって』等、概ねイメージ通りだ。しかしこの『復讐』は、思いが叶わなかった場合。私のものにならなかった貴方への愛憎から復讐に繋がるそうだ。
「でも、このアキメネスはちょっと違いますね」
空が検索すると、その花言葉は『大事な人』『貴方を救う』『珍品』だ。
そもそもアキメネスは鉢植えが主流で、花かごに使用するような花では無いようだ。
だが、朧月夜は意味合いを重視してこの花を選んだのだろう。
「パッと思い浮かぶのは、朧月夜ちゃんが浮気されて相手の男に復讐したのは良いけど忘れられなくて見合いに参加したとか?」
「だよなぁ。ありきたりな話だけどな」
レオンハルトも同意見だったようで、ミハエルの予想に反論はしなかった。
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