Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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朧月夜の章

朧月夜の章㉒

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 朧月夜が目を覚ますと、両親が誰かと話をしていた。

「私が責任を取ります。朧月夜と結婚させて下さい」

「何を馬鹿な!!朧月夜は第一王子への輿入れを目指しているのだぞ!」

「・・・ですが、痕が残ると医者も言っていたじゃないですが。傷物を第一王子が娶るとでも?」

「傷物にしたのはお前だろう!いつの間に初音との婚約を解消した!私達は知らなかったぞ!」

「仕方無いじゃないですか。朧月夜を愛してしまいましたから」

 この声は、初音の婚約者だ。ほんの数回言葉を交わしただけで一体自分の何を愛したというのだろうか。

 姉達が凶行に及んだ切っ掛けは間違いなくこの男が作った。

 朧月夜は男に対して嫌悪感しか湧かなかった。結婚など冗談ではない。朧月夜を溺愛する両親は断るだろうと思っていたが、流れは変わった。

「・・・あなた。朧月夜の傷は深く、醜い跡が残るのは確かです・・・。一応確認しますが、初音から朧月夜に変更した場合、婚約の条件はどうなります?」

「当然、初音以上の条件を提示させて頂きますよ。朧月夜にはその価値がある」

「まぁ。素晴らしいじゃないですか。あなた、初音はあの有様ですし、もう少し柔軟に考えても宜しいのではないですか?傷物でも好条件で貰って下さる方がいるのです。前向きに検討されても良いのでは?」

「・・・むう。確かにそうか・・・・」


 朧月夜は絶句した。

 実の親が娘を売り飛ばすのか?

 私の意思はどうでも良いのだろうか?

 利用価値がなくなった娘はもう、愛して貰えないのだろうか?

 ・・・私は都合良く動く人形ではない!!
 
 両親の愛が全部、偽りだったと気付いた朧月夜は激痛を堪えて立ち上がった。フラフラとした足取りだが、意地で前に進んだ。

 実家を飛び出した朧月夜は夜空にぽっかり浮かぶ大きなお月様を見上げた。
 キラキラ輝く銀色の月は美しい。朧月夜は気が付いたら泣いていた。

 これは背中の痛みからくる涙だ。自分を傷つけて、裏切った彼奴らのために流す涙なんて無い!

 涙を乱暴に拭い、ただ只管前に進む。
 行く当てなんて何処にもないし、頼れる人もいない。どれだけ歩いたか分からないが、闇雲に進む朧月夜に限界が近づこうとしていた。

 ポタポタと背中から流れる血。痛みで吹き出す汗が気持ち悪い。
 人気の無い裏道に辿り着いた朧月夜は力尽きて倒れ込んだ。

 ・・・もう、動けない。

「あらあら。こんな所で倒れていたら襲われますわよ」

 凛とした声に目線だけ上に向けると、月を背後に微笑む美女が朧月夜の前に立っていた。
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