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明石の章
明石の章⑪
しおりを挟むその日の夜、明石はレオンハルトから贈られたピンクの薔薇を嬉しそうに眺めていた。
「可愛らしい薔薇です。レオンハルト様はセンスも良いのですね」
指輪ケースを開けて見たら、美しいブラウンダイヤモンドの指輪が入っていた。
シンプルだが気品を感じさせるデザインは、清楚な神官服に合うものを、とレオンハルトは考えたのだろう。
「とても嬉しいです。明日、お礼を言わなければ」
「これまでの非礼を考えたら必要ありませんよ」
「必要ですよ。今日は申し訳ないことをしてしまいました・・・。レオンハルト様が怒っていなければ良いのですが」
「大丈夫ですよ。怒ってなどいませんでしたから」
もしレオンハルトが怒っているとしたら、相手は間違いなく自分だ。
透輝は明石に蜂蜜入りのホットミルクを差し出した。
「最終審査の準備も着々と進んでいます。あと数日で完成すると報告がありました」
「いよいよですね・・・。私も緊張してきました」
「蜂蜜入りのホットミルクは丁度良いですね。どちらも安眠を促しますから」
「とても美味しいです」
明石は微笑みながらホットミルクを飲む。
ホットミルクはほんのり甘くて、優しい花の香りがした。
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