Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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明石の章

明石の章⑯

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 翌朝、飲み過ぎたレオンハルトはベッドでグッタリと横になっていた。

「・・・きもちわる・・・」

「飲み過ぎですよ!!」

 イーサンはブツブツ小言を言いながらも水を差しだしてくれた。

「朝食はどうですか?食べられそうですか?」

「何か食べないと落ち着かんが、今は気持ち悪さが勝ってる・・・」

 ならばさっぱり系のお粥が良いだろう。
 イーサンはパパッと卵粥を作った。おだしの香りが部屋に広がる。
 完成すると、イーサンは卵粥をレオンハルトの前に差し出した。

「さ、レオンハルト様。これを食べて休んだら、明石様に会いに行きましょう。手紙が届いていますよ」

「何!!本当か!?」

 レオンハルトは勢いよく起き上がったが、気持ち悪さで再びベッドに沈んだ。

 何とかお粥を食べ終え、二日酔いに効くドリンクを飲んで手紙を開封する。

 思えば女性から手紙を貰うのは初めてだ。何かすごくドキドキする。


『レオンハルト様、お手紙ありがとうございます。

 本当は直接会ってお礼を言いたいのですが、都合が合わず申し訳ありません。
 全部開けて見て驚きました。
 故郷の家族の分まで用意して下さり、ありがとうございます。レオンハルト様のお心遣いを決して忘れません。

 レオンハルト様、私はレオンハルト様を最悪だと思ったことは一度もありません。
 出会ったばかりの私でも分かります。レオンハルト様はとても優しくて思いやりに溢れた方です。
 
 私はお見合い前に色々あって落ち込んでいました。自信を無くした私ですが、レオンハルト様と一緒にいると勇気と元気を貰えるんです。
 頑張ろう、前を見ようと前向きになれます。
 レオンハルト様は凄いです。
 あと、私は母が作る甘い卵焼きが大好きです。
 レオンハルト様は甘い物は好きですか?    明石より』


 レオンハルトは何度も何度も手紙を読み返した。

 明石は俺と一緒にいると、勇気と元気を貰えるらしい。頑張る気力が湧くそうだ。

 レオンハルトの顔が熱くなる。尻尾もブンブンと揺れる。


 ・・・何か、照れるな。

 俺も明石と一緒にいるとドキドキするんだ。
 特殊部隊時代でも経験したことないドキドキと緊張で、体が思うように動かなくなる時がある。
 
 頭の中はもっと酷い。真っ白になって、気の利いた言葉は一切思い浮かばない。馬鹿正直に思った事は全て口に出してしまう。

 本当は明石を喜ばせたいのに。

 優しい女性は母さんとユキヒョウのリアーナしか知らない。

 明石はとても優しくて綺麗で、俺には勿体ない女性だ。
 勿体ないと思うのに一緒になりたいと思う。叶うなら抱きしめたい。全力で守りたい。

 明石を思うと心が落ち着かなくなる。

 
「母さん・・・俺、好きな女が出来たかも」

 レオンハルトはポツリと呟いた。
 記憶の中の母が、小さなレオンハルトの頭を嬉しそうに撫でた。
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