Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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明石の章

明石の章㊽

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「レオンハルト様、明石様、ご覧になって下さい」

 イーサンの声と同時にワッと歓声が響く。

 王と王妃が乗った車に人々は花弁を降らせ、手を振り中には飛び跳ねながら二人を出迎えた。
 レオンハルトは歓声に応えるように窓を開け、国民に手を振った。
 王の姿に気付いた者達は嬉しそうに声をかける。

「レオンハルト王!」

「レオンハルト王!おめでとうございます!」

「皆!ありがとうな!!」
 レオンハルトが大きな声で礼を言うと、皆笑顔を浮かべる。幼い子ども達もだ。
 明石はレオンハルトの横で温かな光景を見ていた。

 今日から自分はこの国の王妃になる。

 夫が愛する国と国民を自分も大切にしたい。
 そして猫族と黒狐族を繋ぐ架け橋となるのだ。

 自分一人では乗り越えられない壁も、レオンハルト様がいれば乗り越えられる。

 いじめられて逃げた明石はもういない。
 前を向いて進もう。これからは一緒に戦ってくれる夫がいる。
 だから怖くない。

「レオンハルト様、私も皆様に挨拶をしたいです」

「安心しろ。その機会はすぐに来る」

「?」

 レオンハルトと明石を乗せた車が城門をくぐると、重臣たちが出迎えた。
 
 先にレオンハルトが一人で降りる。

 王が不在の間も支えてくれた重臣達だ。
 レオンハルトは彼らの労をねぎらい、長らく空席となっていた王妃となる女性を連れて帰ったと報告した。

 王に礼を言われるのは嬉しいが、それよりも花嫁が気になる。
 黒狐族自慢の八人の美姫。
 しかもレオンハルト王が射止めたのは一番人気の女性と聞いている。
 早くその姿が見たくて皆ソワソワしていた。

 分かりやすい反応にレオンハルトが笑うと、窓から此方を伺っていた透輝に目配せした。

「紹介する。俺の妻となる明石だ」

 透輝が車から降り、扉を開く。
 促されて出てきたのは輝くような美女。『黒狐族自慢の八人の美姫』に偽り無しの美貌に皆一瞬で目を奪われた。

「明石は下界に下ったばかりで、猫の国で暮らすには不自由も多いだろう。皆支えてくれ」

「「ははっ!!」」

「明石です。これからよろしくお願いします」

 美しい微笑みに見惚れる家臣が多く、レオンハルトは少しイラッとした。

 嫉妬する夫がとても可愛いくて、明石はレオンハルトにチラッと視線を送る。
 明石の頬はピンクに染っていた。
 嬉しそうに笑う顔は何と美しいのか。レオンハルトの機嫌はあっという間に上向いた。

「レオンハルト様、これより結婚式が始まります。その後すぐに王妃となられた明石様の歓迎会、広場に集まった国民へのお披露目に続きます。分刻みのスケジュールですがよろしくお願いします!」

「嘘だろ!!」

「ささ、お二人は此方へ」

 イーサンは大勢の人々が待つ王の間へ二人を案内する。
 王の間は花で彩られ、温かな料理と美味しいお酒が並べられている。
 
 新たな王妃を迎える準備は完璧に整えられていた。

「明石、すまない。着いて早々休む暇も無い」

「レオンハルト様、良いのです。貴方の妻となる日ですから。嬉しさが勝ってしまいます」

 嬉しそうに微笑む明石を見たらレオンハルトは衝動を抑えきれなくなった。

 衝動のまま、明石に口付ける。
 たまたま見てしまったイーサンと突然口付けられた明石は顔を真っ赤にした。

「じゃ、行こう」

「はい!」

 レオンハルトは明石に手を差し出す。明石は迷わずその手を取った。

 大勢の人に見守られ、二人は誓いを交わす。


 どの様な困難が訪れようとも互いを信じて支え合い、共に戦おう。
 二人で光り輝く未来を掴み取るのだと!

 ~明石の章・終わり~
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