Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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明石の章

それからの二人 下

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 レオンハルトと明石の結婚から一月後、明石の実妹である常磐と愛宕が嫁いだ。

 常磐は朱寧に。

 愛宕はオマールに。

 結婚式に出席したレオンハルトは朱寧とオマールを祝福した。

「「レオンハルト王、これからは親戚となりますのでよろしくお願いします」」

 朱寧とオマール、それぞれに言われレオンハルトはふとカフェの話を思い出した。

『ライバルだからこそです。こうしてお茶を楽しみながら談笑し、相手の理解を深めるのが重要なのです。我々はレオンハルト王をもっと知りたい。レオンハルト王も同じ思いなら嬉しいのですが』

『例え恋に破れたとしても、我々が相手を恨み憎しみを抱くのは合理的ではないと思いませんか?私はその先にある未来も大切にしたい。レオンハルト王はどうですか?』

 まさか現実になるとは思わなかった。その上親戚になるとは。

「ああ!よろしく頼む!」

 嬉しくて即返事をしてしまったが、これが後に娘達の縁談に絡んでくるとは。
 この時は想像もしていなかった。


 結婚して一年後、二人の間に跡継ぎとなる長子レオナルドが誕生した。

 国中がお祭り騒ぎとなり、レオンハルト自身も育休を取得して子育てに積極的に参加した。
 
 乳母には頼らず、二人で子どもを育てる。
 寝不足には悩まされたが幸せだ。ぷくぷくのほっぺに思わず吸い付くと息子が泣き叫んだ。
 ・・・明石が同じことをしたら笑って喜んでいたのに。

 レオンハルトは落ち込んだ。

 その翌年には長女の杏夏が誕生し、三年後には次女の唯稲、四年後には双子で次男レオナルダと三男レオニウスが誕生した。
 王妃明石は現在、六人目を妊娠中だ。

 イーサン並びに獅子の血を案じていた家臣一同は喜びの悲鳴を上げ、レオンハルト王の負担を減らすために公的な休日を設けた。

 休日は嬉しいが、レオンハルトは悩んでいた。

 朱寧とオマールが幼い娘達に縁談を持って来たからだ。

 長女の杏夏には朱寧と常磐の長子で次期朱家当主、朱黎との縁談が。

 次女の唯稲にはオマールと愛宕の第二子、長男ハーディーとの縁談が持ち込まれた。

 いずれの縁談も父親が直々に持って来たので無下には断れない。
 家柄は申し分ないし、身分も釣り合っていた。

「はぁ・・・まだこんなにちっこいのに婚約か。でも彼奴ら知っているのか??全員俺似だぞ・・・」

 レオンハルトの望み虚しく、産まれた子供は全員父親似の獅子だった。

 長子のレオナルドは聡明でしっかりした子だが、杏夏と唯稲はキャッキャして騒がしいお転婆娘だ。
 体の頑丈さだけは折り紙付きで、風邪を引いても次の日には治っている。

「レオンハルト様が一番格好いい顔ですよ。私達の子どもは皆愛らしくて幸せです」

 明石は笑いながら刺繍をしていた。
 そのお腹はふっくらと大きく膨らんでいる。レオンハルトは明石の腹を優しく撫でた。

「お前は頼むから明石に似てくれよ。俺より世界で一番綺麗な母さんに似た方が嬉しいだろ?」

「レオンハルト様ったら」

「事実だろ」

 笑ったレオンハルトは明石を抱き寄た。明石も嬉しそうにレオンハルトに体を預ける。

「本当に私はどちらでも良いのです。無事に産まれてくれるだけで充分です」

「そうだな。縁談も上手く纏まれば良いんだが」

「一番大切なのは本人の気持ちですから。一度朱黎とハーディーを招いてみては?相性もあるでしょうし」

「さすが明石!その通りだ」

 嬉しそうに笑うレオンハルトの顔が明石は大好きだ。

 その顔をこれからもずっと見ていたい。

 死が二人を分かつその日まで、大好きな夫と一緒にいたい。

「あら」

「?どうした?」

「今赤ちゃんがお腹を蹴りました。私と一緒でお父様が大好きなんですよ」

「俺も明石が大好きだ!!愛している!」

「はい!」

 明石も笑った。

 美しい笑みを向けられたレオンハルトは愛おしさを抑えきれず、そのまま明石に口付けたのだった。


 おわり
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