Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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花散里の章

花散里の章⑲

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 しかし最終審査終了は告げられない。まだ終わっていないのだ。

 ポールとウィリアムが消えると、花散里は取り繕わなくなった。
 彼女は見たことがないような冷たい眼でユアンを見下ろしていた。

 妙な緊張感が漂う。
 しかしその緊張感は二人の美女によって霧散した。

 先ず動いたのは文車だ。

「ねぇ、花散里。あのグリーンイグアナ君は失格なのよね?」

「ええ」

「じゃあ、私行っても良い?彼とっても楽しそう!」

「え?じゃあ私はあの渋いイケメンが良いわ。タイプなの」

 文車と明星は独身だ。
 美貌・知性・血筋を兼ね備えた二人に黒狐族の男は尻込みし、近づきもしなかった。

 落選したポールとウィリアムは大変魅力的であり、大変条件の良い独身。
 肉食化した黒狐族女子として逃がすわけにはいかない。文車と明星は狩人の目をしていた。

 花散里は立ち上がり、二人に向かって深く頭を下げた。

「文車様、明星様。ここまで協力して下さって本当にありがとうございました。あの二人はどうぞご自由になさって下さい。黒曜に案内させます」

 文車と明星は立ち上がると、ウキウキと軽い足取りで黒曜の後を付いて行った。



 審判室に残ったのは花散里とユアンの二人のみ。
 花散里は着席すると、ユアンを無表情で見下ろした。

「・・・最終問題です。貴方は『トウノ』が何かご存じですか?」

 トウノ、と聞いた瞬間。
 ユアンの心臓は強く打ち、震えが止まらなくなった。

 ――トウノ、許してくれ。

 ――トウノ、私の罪は死んでも償いきれない。すまない、すまないトウノ!私は君の命を無駄にした!!

 ユアンは膝を折るとそのまま床に額を付けた。
 土下座を見ても花散里の表情は崩れない。

「申し訳ありませんでした!!」

 ユアンはそれしか言えなかった。
 
 鹿族の大罪。二大悪罪の一つ。
 『真実を隠蔽した罪』

 鹿族は知っていた。黒狐族の血肉に何の薬効がないことを。
 知っていて見殺しにした。黒狐族を救えたはずの真実は残酷にも握りつぶされた。
 
 大罪にユアンの先祖、ハリー・アスティズが深く関わっていた。

「アスティズと聞いてもしや・・・と思いましたが、やはりそうだったんですね」
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