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二匹の冒険
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大きな体をした、茶色い毛並みのラブラドールレトリバー、レオン。彼は、飼い主の男の子、ゆうたと毎日公園で遊ぶのが日課だった。ボールを追いかけ、全力で走る。それがレオンの喜びだった。
一方、小さな体で白い毛のポメラニアン、マロン。彼女は、レオンとは違い、おっとりとした性格だった。散歩のときは、ちょこちょことゆうたのお母さんの足元を歩く。レオンが走るたびに、小さな声で「クン」と鳴いて、心配そうにレオンを見守る。
レオンとマロンは、同じ家で暮らす犬同士。だが、性格も遊び方も全く違っていた。レオンがボールをくわえてマロンに遊びを誘っても、マロンは首を傾げるばかり。レオンは、マロンと遊ぶことができず、少し寂しい気持ちを抱えていた。
ある日の夕方、ゆうたがいつものようにボールを投げた。レオンは勢いよくボールを追いかける。しかし、その日はいつもと違った。ボールはフェンスを越え、森の奥へと転がっていってしまったのだ。
「ああ、ボールが!」
ゆうたが叫ぶ。レオンはボールを取りに行こうとするが、ゆうたが「危ないからダメだ」と止めた。レオンはフェンスの前で、ボールが消えた方向を見つめる。大切なボールが、遠くへ行ってしまった。レオンは、しょんぼりとうなだれた。
その夜、レオンは夢を見た。ボールが森の奥で、寂しそうに転がっている夢だ。どうしてもボールを取り戻したかったレオンは、夜中にこっそりと家を出ることを決意する。
レオンが玄関のドアを鼻で開けようとしていると、後ろから小さな足音が聞こえた。マロンだ。
「クン…」
マロンはレオンの足元に体をすり寄せ、不安そうに鳴いた。
「マロン、心配するな。ボールを取ってくるだけだ」
レオンはマロンに話しかけるが、マロンは首を振った。レオンが一人で行くのが心配なのだろう。
「わかったよ。じゃあ、一緒に行こう」
レオンはマロンを誘った。マロンは嬉しそうに尻尾を振った。
二匹は、夜の道を歩き始めた。レオンの大きな足と、マロンの小さな足が、交互に音を立てる。森の中は、昼間とは違う雰囲気だった。風が吹くたびに、木々がザワザワと音を立てる。マロンは怖くなって、レオンの体に体を押し付けた。
「大丈夫だ。俺が一緒だから」
レオンは優しくマロンに話しかける。その声に、マロンは少し安心したようだった。
しばらく歩くと、ボールが見えてきた。木の根元で、ひっそりと転がっている。レオンは嬉しくなって、駆け寄ろうとした。その時、マロンが突然立ち止まり、低い声で「ウー…」と唸った。
「どうした、マロン?」
レオンが振り返ると、マロンは草むらをじっと見つめていた。レオンも草むらに目を凝らす。すると、草むらの奥で何かがうごめいていた。それは、大きなイノシシだった。
「クゥン…」
マロンは怯え、レオンの後ろに隠れた。レオンも、大きなイノシシを前にして、少し足がすくむ。だが、大切なボールを諦めるわけにはいかない。それに、マロンを守らなければ。
レオンは勇気を振り絞り、イノシシに向かって吠えた。だが、イノシシは怯えるどころか、逆にレオンに向かって突進してきた。
「ワンワン!」
レオンは必死に吠え、イノシシの気を引く。その隙に、マロンがイノシシの足元に素早く走り込み、「キャイ!」と鳴いた。そのけたたましい鳴き声に、イノシシは驚き、一瞬動きが止まった。
その隙に、レオンはボールをくわえ、マロンと一緒に全速力で走り出した。イノシシは追いかけてきたが、二匹は無我夢中で走り続け、なんとか逃げ切ることができた。
ボールを取り戻し、二人で家路につく。夜空には満月が輝き、二匹の足元を照らしていた。
家に着くと、レオンは疲れてグッタリしていた。だが、ボールは無事に戻ってきた。レオンは、くわえたボールをマロンの前に置いた。マロンは、誇らしげなレオンの顔を見て、優しく尻尾を振った。
次の日、公園でボール遊びをするレオンの横に、マロンがちょこんと座っていた。レオンがボールを追いかけるたびに、マロンは「クン!」と一声鳴いて、レオンを応援する。レオンは、マロンの応援を聞くたびに、嬉しそうに走り回った。
レオンとマロンは、冒険を通して、特別な絆で結ばれたのだ。性格も遊び方も違っても、二匹は大切な家族。これからも、二匹の冒険は続いていく。
(おわり)
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