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第3章『初陣』
第7話 土下座
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俺たちの怒りと焦りを他所に、再び急報が入った。
「物見の知らせでは、岩熊軍が森を抜け、佐井ヶ原に入りました!」
細河が「そうか。まだ暫しの刻はあるな…」と言い、投網でぐるぐる巻きにされ、大玉転がしの玉の出来損ないみたいになっている俺たちに歩み寄り…
「姫君、平殿、そしてひょろ長殿…手荒な真似をして済まぬ」…と言った。
ほぼ同時に、先程、投網を投げた兵士達が、続々と集まって平伏した。家老も跪いて顔を伏せている。
「…其方らの加勢申し出、とても有り難かった。なれど、この八瀬の地は、曽祖父の代より細河家や家臣の者共が血を流して護った地。其方らの力を借りては、例え勝てたにしても祖先の霊に申し訳が立たぬ」
…細河…様…。
「…とは言え、岩熊は兵二千…我が軍の三百では、到底、太刀打ちできぬ。我が将兵共がいくら鬼神の如き働きをしたとて、半刻も保つまい」
細河様が膝を付き、こう言った。
「…そこで其方らに、改めて頼みがある。…儂ら亡き後、ひょろ長殿の交渉技でもって、岩熊剛勝に、八瀬の民の安全を訴えて頂けぬだろうか? 約定を違えて手荒な真似をした上、我儘を申して大変心苦しいが、この細河兵六、今際の際の頼みじゃ。 何卒お聴き届け願いたい!」
…細河様は、地面に頭を擦り付けるように土下座した。 …一国の領主が…だ。
…?
…いつの間にか、元の軍服を着た俺たち3人が、細河様の前に並んで立っていた。横には、綺麗に畳まれた投網が、ちょっとした建物くらいの高さに積まれている。
ユイがいつもの調子で、「領主が家臣の前でそのような真似をするな。先祖が泣くぞ。」…と言った。
細河様は頭を上げ、こちらを見て啞然としていた。 …涙で濡れていた顔には擦れた草や土が付いている。
周りで咽泣いていた、ご家老や兵士たちも同じだ。全員、面白いように大口を開いて固まっている。
俺も何が何やら、さっぱり判らない。
…そんな時に、またまた伝令が、血相をかえて飛び込んで来た。
「い、岩熊軍が、消えたとの由に、ご、御座います」
ええぇ~~っ??
「物見の知らせでは、岩熊軍が森を抜け、佐井ヶ原に入りました!」
細河が「そうか。まだ暫しの刻はあるな…」と言い、投網でぐるぐる巻きにされ、大玉転がしの玉の出来損ないみたいになっている俺たちに歩み寄り…
「姫君、平殿、そしてひょろ長殿…手荒な真似をして済まぬ」…と言った。
ほぼ同時に、先程、投網を投げた兵士達が、続々と集まって平伏した。家老も跪いて顔を伏せている。
「…其方らの加勢申し出、とても有り難かった。なれど、この八瀬の地は、曽祖父の代より細河家や家臣の者共が血を流して護った地。其方らの力を借りては、例え勝てたにしても祖先の霊に申し訳が立たぬ」
…細河…様…。
「…とは言え、岩熊は兵二千…我が軍の三百では、到底、太刀打ちできぬ。我が将兵共がいくら鬼神の如き働きをしたとて、半刻も保つまい」
細河様が膝を付き、こう言った。
「…そこで其方らに、改めて頼みがある。…儂ら亡き後、ひょろ長殿の交渉技でもって、岩熊剛勝に、八瀬の民の安全を訴えて頂けぬだろうか? 約定を違えて手荒な真似をした上、我儘を申して大変心苦しいが、この細河兵六、今際の際の頼みじゃ。 何卒お聴き届け願いたい!」
…細河様は、地面に頭を擦り付けるように土下座した。 …一国の領主が…だ。
…?
…いつの間にか、元の軍服を着た俺たち3人が、細河様の前に並んで立っていた。横には、綺麗に畳まれた投網が、ちょっとした建物くらいの高さに積まれている。
ユイがいつもの調子で、「領主が家臣の前でそのような真似をするな。先祖が泣くぞ。」…と言った。
細河様は頭を上げ、こちらを見て啞然としていた。 …涙で濡れていた顔には擦れた草や土が付いている。
周りで咽泣いていた、ご家老や兵士たちも同じだ。全員、面白いように大口を開いて固まっている。
俺も何が何やら、さっぱり判らない。
…そんな時に、またまた伝令が、血相をかえて飛び込んで来た。
「い、岩熊軍が、消えたとの由に、ご、御座います」
ええぇ~~っ??
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