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第8章『総力戦』

第14話 軍法会議

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 その翌日……防衛庁長官の緊急会見があった。

『国籍不明機』が領空侵犯し、これを迎撃する為に戦闘機が緊急出動したが、後に大規模なハリボテによる『いたずら』である事が判明し、そのハリボテはミサイルによって撃ち堕とされた……と言う。

 マスコミから『東京上空にミサイルが飛来した』との目撃情報が多数寄せられたが、それは空自の誤射のせいではないか……との指摘があった。

 しかし、それも何者かによる『いたずら』との見方が強まった……との事だった。



「……ユイ……これ、『あれ』だろ? ……大変な事になってるじゃん!」

ユイは事も無げに

「仕方が無いのだ。 ……現在、軍法会議で、情報参謀と作戦参謀……及び『そよかぜtender breeze』の衛鬼兵えいきへいが有罪判決を受けたから、だ~れも処理出来んのだ」……と言った。

 ゆ、有罪……判決!

 俺は、呑気にキャンディーをガリガリ噛って食べていたユイの肩を掴み

「有罪って! 悪いのは『斬鬼軍』だろ? ……何であいつらが罰を受けなきゃならないんだ?」と言った。

ユイは「ミサイルの残数のカウントを間違えた事は事実だ。……罰は受けて貰う」

俺が、掴んでいる手に力を込めて

「で、どんな罰なんだ!」

 まさか……死刑じゃぇだろうな……。

 ユイは、例の不敵な笑みで……

「停職、地球自転3回ぶんだ」

 ……と言った。

『停職3日』か……。

 俺はユイから手を離し、ホッと胸を撫で下ろした。

 今回は、みんな疲れただろうから、少しゆっくりして貰おう。


 ノックの音がしてドアを開けると……

 ……!

 ひょろ長!

「こ、こんな所にそんな姿で来て、だ、大丈夫だったんですか!?」

 情報参謀は「はい……何か変ですカ?」

……と、コミカルボイスで言った。

ユイが相変わらずキャンディーをガリガリし、寝そべりながら……

「情報参謀の手腕は『八瀬の国』の一件でわかっておろう」と言った。

 ……情報参謀は頭を下げながら……

「この度はご心配とご迷惑、並びに、すんでのご機転で我等や、この次元をお救い下さった閣下に、勲章をお持ちした次第です!」

 ……!

 え!?

 俺が……叙勲《じょくん》ん~!?
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