リーティアの領地経営

優義

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第1章 Aランク冒険者【炎滅騎士】リーティアの引退

第1話 Aランク冒険者パーティ【失墜の騎士団】

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 ヴィース帝国の中規模都市「ディリド」、そこは近くに帰らずの森があり多くの魔物が生息するため一獲千金を狙う冒険者たちが稼ぎ場としてやってくる都市である。
私、リーティアも仲間と共に魔物狩りをするためにやって来ていた。

「流石オーガキング、強いわね」

 ぼやいたと同時に降りかかってきた攻撃を受け流す。
オーガキングは文字通りオーガの王で討伐にはAランク以上の冒険者ではないと赴けない魔物である上、放置しておけばオーガ軍団を作り街を侵攻しかねない危険な存在である。そのため冒険者ギルドから緊急の討伐依頼が私たちに出されたのだ。

「OoooGaaaaa!!!」

「我が力よ 大いなる槍となれ《水帝の槍》!」

「よそ見はいけないぜ!」

 オーガキングは手に持った大剣で再び私に向けて振りかぶるが、斜めから繰り出された《水帝の槍》で体勢が崩れ、風の宿った矢が眼を穿った。仲間2人の攻撃だ。

「さっさと倒れてくださらない?」

 氷の刃を纏った仲間が大剣を握るオーガキングの右手を切り刻んでいく。あれで返り血がつかないのが不思議でならない。
 しかしそれだけではオーガキングは死なない。オーガの厄介な所は硬い皮膚と戦闘力の高さなのだから上位種のオーガキングはより強化されて厄介なのだ。しかし状況はまだこちら側が有利である。

「ジャンヌ離れるんだな! 吟ぜよ祝福の詩 祝福のかいなに抱かれ 光に滅せよ《滅聖》!!」

「OOooooooo!!!」

 オーガキングが白い光に包まれ、その強固な皮膚を焼かれていく。そして防御が甘くなった瞬間を私は見逃さなかった。厨二病全開の呪文を唱えていく。

「剣帝と炎帝の名の下に滅せよ!《炎滅剣》!!!」

 炎に包まれた剣がオーガキングの首を焼きながら斬り落とした。討伐完了である。

~宿屋 竜の巣亭~

「オーガキングの討伐お疲れ様ぁ!乾杯!!」

「かんぱーーい!!」

「かんぱいなんだな」

「乾杯」

「かんぱ~い」

 私たちに合わせて他の客も乾杯が行われた「【失墜の騎士団】に乾杯!!」「冒険者に乾杯!!」と言う声が聞こえてくる。

 私たちはAランク冒険者パーティー【失墜の騎士団】として活動しており、メンバー全員が貴族階級出身であるものの家出や追放、没落などにより冒険者を始めた面々である。メンバーは

観る者を惹きつける【氷舞騎士】ジャンヌ・メルディナ

希少な聖魔術の使い手【聖槌騎士】モールス・ペドンド

正義漢として名高い【水槍騎士】ジョフ・ウィトレース

百発百中の弓使い【風弓騎士】エルリック・セルフィス

そして私こと【失墜の騎士団】リーダーにして【炎滅騎士】リーティア・アレクサンドラである。

将来的にはSランク冒険者になるだろうと噂される存在であった。

「ねぇ、来週辺りから別の街に行きません?此処でやれる仕事やり尽くしましたし。嫌なパーティーが来るらしいのでトラブルを起こしたくないですわ」

「後者の方が本音だろ、お前の場合」

「だって彼らよく突っかかってきますし」

「まぁ、避けられるトラブルは避けた方が良いよ。俺もそろそろ別のかわい子ちゃん見つけたいし」

「お前も後者が本音でしょ」

「それにここに来て1年は経つしちょうど良いと思うんだな」

「となると次は...........帝都?」

「異議なしなんだな」

「まぁ、妥当ではあるな」

「良いねー、帝都」

「楽しそうですわね」

「じゃあ来週帝都へ行けるように明日からは準備だな。よし、ジョフは帝都までのルート選定と費用の計算をお願い」

「分かった」

「モールスは消耗品の買い出しに行ってくれ、エルリックお前はモールスの助けをして」

「分かったんだな」

「俺は荷物持ちかよ!」

「私とジャンヌはお偉いさんの挨拶回りしてくるから」

「え、嫌なのですが」

「問答無用!!」

「そんな........」

「じゃあ今日はこれで解散」

「「「はーい(ですわ)(なんだな)」」」

しかしこのオーガキング討伐が私の、冒険者としての最後の仕事になってしまった。
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