8 / 40
第1章 Aランク冒険者【炎滅騎士】リーティアの引退
第7話 別れ
しおりを挟む
仕立屋やジャック夫妻がやって来て2日後、アメリアとジャックを連れて冒険者ギルドに来ていた。退会手続きとパーティーメンバーへの連絡を頼むためだ。
ドアを開けると荒くれ者が酒を飲んでたり、真面目そうな剣士がクエストボードを見ている。
気にせずフロントに行こうとすると5人の荒くれ冒険者が道を塞ぐ。あぁ~懐かしい、駆け出しの頃を思い出す、良く絡まれたもんだ。
「お嬢ちゃん、依頼ならこの【蜥蜴の目】に頼みな!」
「今なら条件付きで格安だぜ」
うーん、こんなテンプレがあるから冒険者続けてきたのよ。とりあえずコイツらには
「ぐへっ」
「ぐおっ」
腹パンで2人ほど沈めておく。隠れて触ろうとしたのバレバレだからね?
「このアマ!人が下手に出てりゃあ」
「痛い目に.........」
バコーンッ!「ギャァッ!!」
「お前ら!騒ぎを起こしやがって!散れ散れ!!Aランク冒険者を怒らせるな!!」
上から椅子を荒くれ冒険者に投げつけるハ__頭が寂しそうな中年男がやって来た、ギルドマスターか。
絡んできた冒険者は職員に引き摺られる形でギルドから立ち去っていった。
「すまねぇな、うちのもんが。用ならこっちだ着いてきてくれ」
「あ、あぁ」
ギルドマスターの部屋に案内されようとしたときにバンッ!とドアが乱暴に開かれた音がする、振り返ると見覚えのある顔があった。
ジャンヌ、モーリス、ジョフ、エルリック。パーティーを組んでいた仲間たちだった。
ギルドから4人に待機命令が出てたはずだ。解除されたのが2日前でも普通はここまで1週間かかるはずだが..................え、まさか強行軍してきた?
「「「「リーダー!!!」」」」
抱きつかれた。メッチャ苦しい。とりあえず落ち着け皆!!モーリスやめろ骨折れるから!!!
ギルドマスターが気を利かせて会議室を貸してくれた。
そこで私は仲間に裁判で起こったこととその結果、領主をしなければいけないことを伝えた。
「じゃあ冒険者は引退ってことか?」
「そうだね、いつまで領主続けるかは分からないけどたぶん皆引退がするまでは続けることになると思う」
「なるほど。それならパーティーは解散かしら?」
「え?」
「そうだな、リーダーが居てこその【失墜の騎士団】だからなんだな」
「え、ちょっ?!」
「仕方ねぇよ、神に逆らうってことになるし。ちょうど良い機会だ」
「え、皆パーティー解散って事で良いの?いくら私が引退するからって」
私が居てこそっていうのは嬉しいが流石に解散は........
「リーティア?モーリスの言ったように貴女居てこその【失墜の騎士団】よ、それに私たちもいい歳なのよ?」
「あっ................」
私のギフトは【不老】。その名の通り老いることがなく寿命という概念すら無くしてしまう力らしい。私の場合、20歳ほどで肉体年齢が止まったから見た目こそ若いが実年齢は43歳だ。
そうだ、もうパーティーを結成して20年経っていた。もう皆歳をとってる、忘れていた。実際、皆昔と比べて老け始めている。
ちょうど良い機会、確かに冒険者を引退するならこの年齢だ。世話になった先輩たちもそうだった。
私も皆が無理に冒険を続けて命を落とすよりも、冒険者をやめて第2の人生を送る選択肢の方を選んで欲しい気持ちはある。
それに私もそうだが皆、頑固者だ。1度決めたのなら曲げないだろう。
そうなれば、解散の手続きもしなければいけないか。
「解散した後は皆どうするの?」
「俺は別の所で働こうと思う」
「俺は実家に帰るかな、最近魔物の被害が酷いらしくて」
「おらは治療院か教会で働こうと思うんだな」
「私は物見遊山かしら、フリーの踊り子も良いけどね」
皆ずっと考えてたのかな、第2の人生。なのに私はずっと冒険者を続けていくものかと.............。リーダー失格だ。
「リーティア、気にするな」
「俺達は楽しい楽しいセカンドライフを送るからよ」
「たまには連絡してちょうだい」
「俺達も頑張るんだな」
「皆..........ありがとう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ではAランク冒険者パーティー【失墜の騎士団】の皆さまのパーティー解散及び冒険者を引退の手続き、完了致しました。今まで尽くしてくださった皆さまにギルドを代表して感謝を申し上げます」
こうして国の英雄と讃えられた、Aランク冒険者パーティー【失墜の騎士団】は解散した。結成当初からメンバーの離脱が無かったパーティーは私たちぐらいだろう。
この夜は近くのレストランの個室を借りて宴会をした。酒を飲みながら今までの冒険や失敗談などに華を咲かせて夜を明かした。
そして_______
ジョフは冒険者ギルドに職員や教官ではなく、ティカレスという街のギルドマスターとして就職することが決まり。
エルリックは実家のセルフィス家で騎士団の教官として招かれた。
モーリスはこの国の国教であるリシャ教が運営する治療院で働くことになったという。
ジャンヌは学術院や学園などから芸術の講師としてスカウトされたらしい、彼女の性格なら学術院へ行くだろう。
そして私は領主の務めを果たすため、アレクサンドラ領土に向けて出発した。
───────────────────────
第1章はこれで終わりです。
次から本格的に物語が動くと思います。←
ドアを開けると荒くれ者が酒を飲んでたり、真面目そうな剣士がクエストボードを見ている。
気にせずフロントに行こうとすると5人の荒くれ冒険者が道を塞ぐ。あぁ~懐かしい、駆け出しの頃を思い出す、良く絡まれたもんだ。
「お嬢ちゃん、依頼ならこの【蜥蜴の目】に頼みな!」
「今なら条件付きで格安だぜ」
うーん、こんなテンプレがあるから冒険者続けてきたのよ。とりあえずコイツらには
「ぐへっ」
「ぐおっ」
腹パンで2人ほど沈めておく。隠れて触ろうとしたのバレバレだからね?
「このアマ!人が下手に出てりゃあ」
「痛い目に.........」
バコーンッ!「ギャァッ!!」
「お前ら!騒ぎを起こしやがって!散れ散れ!!Aランク冒険者を怒らせるな!!」
上から椅子を荒くれ冒険者に投げつけるハ__頭が寂しそうな中年男がやって来た、ギルドマスターか。
絡んできた冒険者は職員に引き摺られる形でギルドから立ち去っていった。
「すまねぇな、うちのもんが。用ならこっちだ着いてきてくれ」
「あ、あぁ」
ギルドマスターの部屋に案内されようとしたときにバンッ!とドアが乱暴に開かれた音がする、振り返ると見覚えのある顔があった。
ジャンヌ、モーリス、ジョフ、エルリック。パーティーを組んでいた仲間たちだった。
ギルドから4人に待機命令が出てたはずだ。解除されたのが2日前でも普通はここまで1週間かかるはずだが..................え、まさか強行軍してきた?
「「「「リーダー!!!」」」」
抱きつかれた。メッチャ苦しい。とりあえず落ち着け皆!!モーリスやめろ骨折れるから!!!
ギルドマスターが気を利かせて会議室を貸してくれた。
そこで私は仲間に裁判で起こったこととその結果、領主をしなければいけないことを伝えた。
「じゃあ冒険者は引退ってことか?」
「そうだね、いつまで領主続けるかは分からないけどたぶん皆引退がするまでは続けることになると思う」
「なるほど。それならパーティーは解散かしら?」
「え?」
「そうだな、リーダーが居てこその【失墜の騎士団】だからなんだな」
「え、ちょっ?!」
「仕方ねぇよ、神に逆らうってことになるし。ちょうど良い機会だ」
「え、皆パーティー解散って事で良いの?いくら私が引退するからって」
私が居てこそっていうのは嬉しいが流石に解散は........
「リーティア?モーリスの言ったように貴女居てこその【失墜の騎士団】よ、それに私たちもいい歳なのよ?」
「あっ................」
私のギフトは【不老】。その名の通り老いることがなく寿命という概念すら無くしてしまう力らしい。私の場合、20歳ほどで肉体年齢が止まったから見た目こそ若いが実年齢は43歳だ。
そうだ、もうパーティーを結成して20年経っていた。もう皆歳をとってる、忘れていた。実際、皆昔と比べて老け始めている。
ちょうど良い機会、確かに冒険者を引退するならこの年齢だ。世話になった先輩たちもそうだった。
私も皆が無理に冒険を続けて命を落とすよりも、冒険者をやめて第2の人生を送る選択肢の方を選んで欲しい気持ちはある。
それに私もそうだが皆、頑固者だ。1度決めたのなら曲げないだろう。
そうなれば、解散の手続きもしなければいけないか。
「解散した後は皆どうするの?」
「俺は別の所で働こうと思う」
「俺は実家に帰るかな、最近魔物の被害が酷いらしくて」
「おらは治療院か教会で働こうと思うんだな」
「私は物見遊山かしら、フリーの踊り子も良いけどね」
皆ずっと考えてたのかな、第2の人生。なのに私はずっと冒険者を続けていくものかと.............。リーダー失格だ。
「リーティア、気にするな」
「俺達は楽しい楽しいセカンドライフを送るからよ」
「たまには連絡してちょうだい」
「俺達も頑張るんだな」
「皆..........ありがとう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ではAランク冒険者パーティー【失墜の騎士団】の皆さまのパーティー解散及び冒険者を引退の手続き、完了致しました。今まで尽くしてくださった皆さまにギルドを代表して感謝を申し上げます」
こうして国の英雄と讃えられた、Aランク冒険者パーティー【失墜の騎士団】は解散した。結成当初からメンバーの離脱が無かったパーティーは私たちぐらいだろう。
この夜は近くのレストランの個室を借りて宴会をした。酒を飲みながら今までの冒険や失敗談などに華を咲かせて夜を明かした。
そして_______
ジョフは冒険者ギルドに職員や教官ではなく、ティカレスという街のギルドマスターとして就職することが決まり。
エルリックは実家のセルフィス家で騎士団の教官として招かれた。
モーリスはこの国の国教であるリシャ教が運営する治療院で働くことになったという。
ジャンヌは学術院や学園などから芸術の講師としてスカウトされたらしい、彼女の性格なら学術院へ行くだろう。
そして私は領主の務めを果たすため、アレクサンドラ領土に向けて出発した。
───────────────────────
第1章はこれで終わりです。
次から本格的に物語が動くと思います。←
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる