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第2章 荒れ果てた故郷
第12話 会議(前編)
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おめかしは大変
________________________
「おはようございます、リーティア様」
「え、おはようゴザイマス??」
時刻は朝の4時、いきなりアメリアに起こされ食事を摂らされた。なぜだろう、凄く嫌な記憶が蘇るような...........
食べ終わると横にソフィーを含めた5人の侍女たちがいつの間にか立っていた。一瞬、魔王と5人の部下という妄想が頭をよぎったが、今はそれ所じゃない。
「さて、今日は忙しいですよ」
「えっ、まぁ会議があるし」
「お風呂とシャワーは3回、美容ケアもたっぷりにしますよ」
お風呂、シャワー、美容ケア、たっぷり___思い出した、私が舞踏会とか大勢の人の前に立つときにアメリアが必ずおこなう入念な準備。
まず香油入りの湯槽に染め物かってぐらい入らされる。今回は薔薇の香りだ~と現実逃避を始める。
次に私が一番嫌な時間を過ごす。そう、洗われる時だ、隅々まで.........ホント隅々まで洗われる。この羞恥心は例え100回行われても絶対に無くなることはないだろう。こういうときはもう心を無か透明にするしか方法はない_________。
風呂から上がりタオルで付いた余分な水分を取ると、化粧水やクリームをたっぷり塗られる。それって多ければ多いほど良いとかないからね?
次はヘアメイクの時間。白粉をはたかれ紅を差している間に髪を梳かれる。今は髪短いから結わないだろうけど将来伸ばすのかな。短いままの方がいいんだが。
「リーティア様、これからは髪を伸ばしてください」
あ、先手打たれた。
~~~~~~~~~~~~~
「メイクの方終わりました」
「髪の方も仕度終わりました」
侍女たちがそう告げると道具をテキパキと片付けいく。
「よろしい、では仕上げですよ」
最後の工程は服を着付け。
まずはコルセットを着けられた。やっぱ鎧付けるときよりキツい、コルセットを着けられた方がキツい、これ一日中付けれる貴婦人はおかしいよ。
次に本命の服を着る。魔蚕(蚕のようなモンスターで地球の蚕と同様、人間に飼い慣らされている)から作った肌触りの良いマゼンタ色の魔絹地に金の縁取りが施されたものでかなり上等に仕上がっている服だ。
デザインも良いから私もかなり気に入っている。
「渾身の出来でございます!!」
アメリアの自信満々な宣言と共に侍女たちが鏡を持ってくる。
自分で言うのもアレだが凛々しさが際だっている、この姿を見て令嬢であり領主と言われたら納得だろう。
そしてアメリアの奴イキイキしてる。久しぶりだよ、その笑顔見たの。でもソフィー以外の侍女たちはかなり疲れてる顔をしているんだよなぁ。よくよく考えてみたら俺が4時起きで準備しているのに更にその準備をしているってことはたぶん2時か3時起きだよね、下手したら徹夜だよね??
「あ、ありがとう」
「いえ!私も久しぶりに楽しゅうございました!!」
いい歳して何やってるんだか。あと今のは侍女たちに向けてだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あの後、領主権限を使って侍女5人の皆に半休を与えた。それを告げた時の侍女たちの顔は絶体絶命のピンチに救世主が現れたってぐらいのものだった。かなり辛かったんだな、巻き込まれてご愁傷様。
今はステンとジャックに連れられて会議室に向かっている。
「領主様、これより先が会議室となっております」
「ありがとう、じゃあ入ろう」
「畏まりました」
ステンが会議室のドアに手を掛けようとしたときに男の怒号が聞こえる。
「あんな馬鹿領主の娘が新しい領主だって?!認めねぇぞ!!」
「おい、そんな_____」
「また金を巻き上げて豪遊するに決まってる!!」
............あー、うん。そうだよね、そうなるよね。気持ち分かるよ。真面目にやるよ、やらなかったら首飛ぶもん、物理的に。
「.........リーティア様、しばらくここでお待ちを。あの不敬な者をシメて参ります」
シメるって威圧でだよね?殴るとか首を物理的にって意味じゃ無いよねジャック??
これは怒鳴った本人の命が危ない。私が止めねば。
「いや、入ろう。時間が惜しい」
強行策だが、私が目の前に居れば手は出せないだろう。ステンは私の意図を読んでくれたらしく、ドアを開けてくれた。
流石に入室すると一気に静まりかえった。1人立ち上がって居るがあの人が怒鳴った人かな??
会議室はそれなりに豪奢な作りをしている。部屋の真ん中には長いテーブルがあり、一席を除いた全ての椅子が埋まっていた。あの一席が私の席だろう。早く座ろう、視線が痛い。
集められた面々が私に向ける視線は興味だったり、困惑だったり敵意だったり様々だ。恨まれてるなぁ。
椅子に座ろうと手を掛けようとしたが、ステンが慌てて椅子を引いて座らせてくれた。
そうだ、今の私は貴族で領主だ。しっかりせねば。まずは挨拶だな。
「初めまして。この度、皇帝陛下に任ぜられてこの領の領主になったリーティアと申します。若輩の身ですがこの領に住まう全ての民の為に最善を尽します、どうか皆さまのお力を______」
ドンッ!!!!
「いい加減にしろ!!暴君!!!」
──────────────────────
かなり不穏になって参りました。
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「おはようございます、リーティア様」
「え、おはようゴザイマス??」
時刻は朝の4時、いきなりアメリアに起こされ食事を摂らされた。なぜだろう、凄く嫌な記憶が蘇るような...........
食べ終わると横にソフィーを含めた5人の侍女たちがいつの間にか立っていた。一瞬、魔王と5人の部下という妄想が頭をよぎったが、今はそれ所じゃない。
「さて、今日は忙しいですよ」
「えっ、まぁ会議があるし」
「お風呂とシャワーは3回、美容ケアもたっぷりにしますよ」
お風呂、シャワー、美容ケア、たっぷり___思い出した、私が舞踏会とか大勢の人の前に立つときにアメリアが必ずおこなう入念な準備。
まず香油入りの湯槽に染め物かってぐらい入らされる。今回は薔薇の香りだ~と現実逃避を始める。
次に私が一番嫌な時間を過ごす。そう、洗われる時だ、隅々まで.........ホント隅々まで洗われる。この羞恥心は例え100回行われても絶対に無くなることはないだろう。こういうときはもう心を無か透明にするしか方法はない_________。
風呂から上がりタオルで付いた余分な水分を取ると、化粧水やクリームをたっぷり塗られる。それって多ければ多いほど良いとかないからね?
次はヘアメイクの時間。白粉をはたかれ紅を差している間に髪を梳かれる。今は髪短いから結わないだろうけど将来伸ばすのかな。短いままの方がいいんだが。
「リーティア様、これからは髪を伸ばしてください」
あ、先手打たれた。
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「メイクの方終わりました」
「髪の方も仕度終わりました」
侍女たちがそう告げると道具をテキパキと片付けいく。
「よろしい、では仕上げですよ」
最後の工程は服を着付け。
まずはコルセットを着けられた。やっぱ鎧付けるときよりキツい、コルセットを着けられた方がキツい、これ一日中付けれる貴婦人はおかしいよ。
次に本命の服を着る。魔蚕(蚕のようなモンスターで地球の蚕と同様、人間に飼い慣らされている)から作った肌触りの良いマゼンタ色の魔絹地に金の縁取りが施されたものでかなり上等に仕上がっている服だ。
デザインも良いから私もかなり気に入っている。
「渾身の出来でございます!!」
アメリアの自信満々な宣言と共に侍女たちが鏡を持ってくる。
自分で言うのもアレだが凛々しさが際だっている、この姿を見て令嬢であり領主と言われたら納得だろう。
そしてアメリアの奴イキイキしてる。久しぶりだよ、その笑顔見たの。でもソフィー以外の侍女たちはかなり疲れてる顔をしているんだよなぁ。よくよく考えてみたら俺が4時起きで準備しているのに更にその準備をしているってことはたぶん2時か3時起きだよね、下手したら徹夜だよね??
「あ、ありがとう」
「いえ!私も久しぶりに楽しゅうございました!!」
いい歳して何やってるんだか。あと今のは侍女たちに向けてだ。
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あの後、領主権限を使って侍女5人の皆に半休を与えた。それを告げた時の侍女たちの顔は絶体絶命のピンチに救世主が現れたってぐらいのものだった。かなり辛かったんだな、巻き込まれてご愁傷様。
今はステンとジャックに連れられて会議室に向かっている。
「領主様、これより先が会議室となっております」
「ありがとう、じゃあ入ろう」
「畏まりました」
ステンが会議室のドアに手を掛けようとしたときに男の怒号が聞こえる。
「あんな馬鹿領主の娘が新しい領主だって?!認めねぇぞ!!」
「おい、そんな_____」
「また金を巻き上げて豪遊するに決まってる!!」
............あー、うん。そうだよね、そうなるよね。気持ち分かるよ。真面目にやるよ、やらなかったら首飛ぶもん、物理的に。
「.........リーティア様、しばらくここでお待ちを。あの不敬な者をシメて参ります」
シメるって威圧でだよね?殴るとか首を物理的にって意味じゃ無いよねジャック??
これは怒鳴った本人の命が危ない。私が止めねば。
「いや、入ろう。時間が惜しい」
強行策だが、私が目の前に居れば手は出せないだろう。ステンは私の意図を読んでくれたらしく、ドアを開けてくれた。
流石に入室すると一気に静まりかえった。1人立ち上がって居るがあの人が怒鳴った人かな??
会議室はそれなりに豪奢な作りをしている。部屋の真ん中には長いテーブルがあり、一席を除いた全ての椅子が埋まっていた。あの一席が私の席だろう。早く座ろう、視線が痛い。
集められた面々が私に向ける視線は興味だったり、困惑だったり敵意だったり様々だ。恨まれてるなぁ。
椅子に座ろうと手を掛けようとしたが、ステンが慌てて椅子を引いて座らせてくれた。
そうだ、今の私は貴族で領主だ。しっかりせねば。まずは挨拶だな。
「初めまして。この度、皇帝陛下に任ぜられてこの領の領主になったリーティアと申します。若輩の身ですがこの領に住まう全ての民の為に最善を尽します、どうか皆さまのお力を______」
ドンッ!!!!
「いい加減にしろ!!暴君!!!」
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