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第2章 荒れ果てた故郷
第22話 人質
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コツンコツン、天然の石床を歩く。慎重に歩いているのもあるがここ5分は物静かだ。
目立ったモノや人は居ない、となると待ち伏せ。
考えられるのはそれだろう。事前に相手の情報を出来る限り調べ上げた、【炎の華】のロベリア。残虐行為を繰り返す魔の鞭使いにして炎属性の魔術師、噂だと王国側の人間というのもあるらしい。
炎属性の魔術は確かに広範囲の殲滅能力が高く、戦えば重傷は必至。しかし、私の装備と相性いいだろう。私の炎魔術を使い方上、装備品に強力な耐炎の付呪が施されている。魔術は無効化出来るだろうが問題は鞭か。
そんなことを考えて歩き続けるといきなり広い場所へ出た。
開けた場所の中央には檻がある、待った中に女の子入ってないか?!
「良く来たわね、【炎滅騎士】」
奥から女がやって来た。黒いスリット入りドレスに鞭の入ったベルトポケット、黒い眼に金色の髪を凄い巻いてる。あと化粧がかなり厚塗りってとこぐらいか。多分コイツが盗賊の頭【炎の華】か。
「そうだ、大人しく投降する気にでもなったか?」
「まさか!お前を血祭りに上げてやるわ!!さぁ、そこのガキを助けたければあなたのご自慢の....カタナだったかしら?それを捨てなさい!!お前には過ぎたものよ!!」
なるほど、武器を奪う気か。でも過ぎたものって酷くね??かれこれ20年ぐらいの付き合いだけど。それに絶刀シリーズは使う者を選ぶし。
おし、嫌がらせだ。
「分かった、投げ捨てよう」
「は?」
俺が刀を抜き大きく振りかぶって女の心臓目掛けて投げつける。女が慌てて魔術で防いだがその慌てふためく様子は面白かった。
「お前!!!」
「捨てろと言ったが方法は言ってなかっただろ?」
怯んだ所を見ると、言い逃れは出来ないようだな。
「くっ____良いわ!せいぜい足掻け!!!」
女の背にある穴から10匹ほどの狼がやって来た。しかも単なる狼ではない、魔物だ。
「ファイアーウルフ」
「その通り!炎耐性を持ってるコイツらにいつまでその生意気な態度を取れるか見物ね!!さぁ!犬共ソイツを食い殺せ!!」
デカいファイアーウルフが私に走ってきた。ご主人様のご要望通り食い殺す気か。
「キャウンッ!!!」
「武器なし程度じゃ私の命は取れないわよ」
殴れば一発だけどね。久しぶりの格闘術の出番だ。学院時代、授業とバイトで仕込まれた甲斐があったよ。
結構格闘術は軽視されやすいが、無手ならではの強みもある。こんな風に相手を油断させたりね。
今回は無詠唱の《炎の行進》も使って勢いを上げている。
まぁ、女はびっくりしてるし、ファイアーウルフたちも尻込みしてるな。かなり想定外だったのだろう。
「___っ!その程度で尻込みしてるんじゃ無いわよ!!さっさと行け!」
「アォーンッ!!!!」 「「「「アォーンッ!!!!」」」」
ファイアーウルフたちが遠吠えすると彼らの前方に魔術が展開される。なるほど近づかれる前に《炎の砲撃》でやるって事か。それならこっちも魔術で対応だ。
「「「「「オーンッ!!!!」」」」」
「我が力よ 大いなる炎となって 眼前の炎を飲み込め《炎の波》!!!」
ファイアーウルフたちの《炎の砲撃》に合わせて私も《炎の波》を展開する。砲撃は波に詠唱通り飲み込まれた。さらに追加だ。
「我が力よ 大いなる炎よ 白き花弁となりて 絢爛な炎を敵に与えよ【炎白華】!!」
花弁を形取った白い炎がファイアーウルフたちに触れ、そこから白い炎が彼らを包み焼き尽くしていく。
私が冒険者時代に編み出した魔術だ。
「お前のお株を奪うようで申し訳ないね」
─────────────────────
煽っていくスタイル
目立ったモノや人は居ない、となると待ち伏せ。
考えられるのはそれだろう。事前に相手の情報を出来る限り調べ上げた、【炎の華】のロベリア。残虐行為を繰り返す魔の鞭使いにして炎属性の魔術師、噂だと王国側の人間というのもあるらしい。
炎属性の魔術は確かに広範囲の殲滅能力が高く、戦えば重傷は必至。しかし、私の装備と相性いいだろう。私の炎魔術を使い方上、装備品に強力な耐炎の付呪が施されている。魔術は無効化出来るだろうが問題は鞭か。
そんなことを考えて歩き続けるといきなり広い場所へ出た。
開けた場所の中央には檻がある、待った中に女の子入ってないか?!
「良く来たわね、【炎滅騎士】」
奥から女がやって来た。黒いスリット入りドレスに鞭の入ったベルトポケット、黒い眼に金色の髪を凄い巻いてる。あと化粧がかなり厚塗りってとこぐらいか。多分コイツが盗賊の頭【炎の華】か。
「そうだ、大人しく投降する気にでもなったか?」
「まさか!お前を血祭りに上げてやるわ!!さぁ、そこのガキを助けたければあなたのご自慢の....カタナだったかしら?それを捨てなさい!!お前には過ぎたものよ!!」
なるほど、武器を奪う気か。でも過ぎたものって酷くね??かれこれ20年ぐらいの付き合いだけど。それに絶刀シリーズは使う者を選ぶし。
おし、嫌がらせだ。
「分かった、投げ捨てよう」
「は?」
俺が刀を抜き大きく振りかぶって女の心臓目掛けて投げつける。女が慌てて魔術で防いだがその慌てふためく様子は面白かった。
「お前!!!」
「捨てろと言ったが方法は言ってなかっただろ?」
怯んだ所を見ると、言い逃れは出来ないようだな。
「くっ____良いわ!せいぜい足掻け!!!」
女の背にある穴から10匹ほどの狼がやって来た。しかも単なる狼ではない、魔物だ。
「ファイアーウルフ」
「その通り!炎耐性を持ってるコイツらにいつまでその生意気な態度を取れるか見物ね!!さぁ!犬共ソイツを食い殺せ!!」
デカいファイアーウルフが私に走ってきた。ご主人様のご要望通り食い殺す気か。
「キャウンッ!!!」
「武器なし程度じゃ私の命は取れないわよ」
殴れば一発だけどね。久しぶりの格闘術の出番だ。学院時代、授業とバイトで仕込まれた甲斐があったよ。
結構格闘術は軽視されやすいが、無手ならではの強みもある。こんな風に相手を油断させたりね。
今回は無詠唱の《炎の行進》も使って勢いを上げている。
まぁ、女はびっくりしてるし、ファイアーウルフたちも尻込みしてるな。かなり想定外だったのだろう。
「___っ!その程度で尻込みしてるんじゃ無いわよ!!さっさと行け!」
「アォーンッ!!!!」 「「「「アォーンッ!!!!」」」」
ファイアーウルフたちが遠吠えすると彼らの前方に魔術が展開される。なるほど近づかれる前に《炎の砲撃》でやるって事か。それならこっちも魔術で対応だ。
「「「「「オーンッ!!!!」」」」」
「我が力よ 大いなる炎となって 眼前の炎を飲み込め《炎の波》!!!」
ファイアーウルフたちの《炎の砲撃》に合わせて私も《炎の波》を展開する。砲撃は波に詠唱通り飲み込まれた。さらに追加だ。
「我が力よ 大いなる炎よ 白き花弁となりて 絢爛な炎を敵に与えよ【炎白華】!!」
花弁を形取った白い炎がファイアーウルフたちに触れ、そこから白い炎が彼らを包み焼き尽くしていく。
私が冒険者時代に編み出した魔術だ。
「お前のお株を奪うようで申し訳ないね」
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煽っていくスタイル
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