選べません。

ラムネ

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「俺らが居るから大丈夫だよ」

 陸がてっちゃんを背中から抱き締めるのを見てモヤモヤする。たった三時間なのにものっ凄い差を付けられた気がする。だから俺は前に回ってガシッと抱きついた。てっちゃんは「暑苦しい」と嫌がったけど、泣いて腫れた俺の瞼にちゅっとキスはしてくれた。優しい……♡

「離れろ。荷物解いて……晩飯、デリバリーでも頼むか」
「「ウーバーイーツ!?ねえてっちゃん、都会はやっぱウーバーイーツ!?」」

 俺と陸が同じタイミングで喋るなんて珍しくもないだろうに、てっちゃんは大口を開けて笑った。そしてピザのほか、わざわざウーバーイーツに登録して『かつめし』を注文してくれた。

「テレビ観るか先に風呂入るか適当にしとけ」

 てっちゃんは非常にテキパキと片付けを始め、一週間のうちに埃が積もったとか言って床にクイックルワイパーまで掛けた。そして寝室に籠もったあとゴミ袋を持って再登場した。

「なにそれ」
「シーツとか……週明けに捨てるわ。新しいの買うから後で一緒に選ぼう」

 シーツ……!そうか寝室は元カレとの思い出が詰まった場所なんだな……!元カレとイチャコラしたり一緒に寝起きして愛を育んだ場所なんだな……!しかも何気にダブルベッドだし!!

「ジェラシームクムク~~」
「メラメラ~~」
「上書きだな」
「だな」

 二人一緒に寝室に飛び込みバックチョークとリアチョークに縺れ込むと、てっちゃんは汗いっぱい掻いたから嫌だって抵抗した。でも俺らは塩味のてっちゃんでも全く気にしないのだ。一分一秒でも早くてっちゃんと繋がって安心したいのだ。安心させて欲しいのだ。

「待って……!ァン♡」
「てっちゃん可愛い……」
「めっちゃ大好き……」

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