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17 オークなんか絶滅しろ②
しおりを挟む中に捕まった女性たちがいるから、人質に取られないようにしないとね、そうなると倒し方はこのスキルだ。
私は隠密と気配遮断を使って、堂々と洞窟に入った。
奥に進むと、オークが報告通り5体。4人の女性が木で作られた檻のような場所の中にいる。
このオークたちに容赦はしない。頭を吹き飛ばしてくれる。
「ロックショット、ロックショット、ロックショット、ロックショット、ロックショットーー!」
私の怒りを全て魔力に込めて、オークの頭を吹き飛ばした。
次々と倒れていくオーク。
何が起こっているかわからない女性たち。
「終わった……」
返り血を浴びていたが、すぐに隠密を解いて女性たちに駆け寄る。
こういう時は私が女性でよかったと思う。
服も着ていない女性たちに向かって男性が血だらけで向かってきたら恐怖だもんね。
「私は冒険者のヒナタと言います。みなさんを助けにきました」
女性たちを見ると、すでに乱暴された後みたいだった。
股から血を流している女性もいる。やはり遅かったか。私はひどく後悔した。もっと早くこの依頼に気がついていれば……。
魔法の練習なんかしていなければこの女性たちを助けられたかもしれない。罪悪感に苛まれ、私は気がついたら目から涙が流れていた。
「遅くなってごめんなさい……」
「い、いえ。ありがとう、助けに来てくれて」
私はすぐに、マイホーム用に作ったバスタオルを無限収納から取り出し、女性たちに渡した。
その後、オークに強奪スキルを使い、オークを収納して、村に向かった。
「リ、リン……!」
私を罵倒していた男性は奥さんが見えるとすぐに走ってきて抱きしめていた。
「あなた……」
「すまない、お前を助けられなくて……」
私はその姿をなぜか見ることができなかった。
私が落ち込んでいると、村長に話しかけられた。
「ヒナタさん、村を助けてくれてありがとう」
「いえ、私がもう少し早くこの依頼を受けていれば女性たちもこんなひどい目に合わなかったでしょう。ごめんなさい……」
「ヒナタさんは優しいのですね。顔をあげて見てください、村の者たちの笑顔を」
私が顔を上げると、村にいた男性たちも、捕まっていた女性たちもみんな涙を流しているが辛そうではない。嬉し泣きなのだ。
ああ、この村の人たちは強いんだな。力なんかじゃなく、精神面でだ。前世で平和ボケしていた私なんかよりもずっと……。
「は、はは……」
こんな強い人たちの前で情けない顔は見せられない。私は涙を拭い村長を見た。
「改めて、村を救っていただきありがとうございます」
村の全員が私に向かって頭を下げた。
「どういたしまして」
私は笑顔でそう言った。
その後は、村の人たちの食料のため、全てのオークをあげた。
オークの肉は日本でいう豚肉と同じだ。街でも食材として重用されているから素材は高く売れるが、村のために提供した方がいいと判断した。
あ、でも討伐証明の魔石だけは回収したよ。
そろそろ帰ると村長に伝え、村を出ようとすると、ダレンとリンがいた。
「ヒナタさん、失礼な態度をとって申し訳なかった」
「ヒナタさん、助けに来てくれてありがとう」
ダレンとリンは頭を下げて、謝罪と感謝を同時にもらった。
「ダレンさん、気にしないでください。私は怒っていませんから。これからも奥さんを幸せにしてあげてください」
「ああ、約束する」
私は涙を流しながら答えたダレンにお辞儀をして、村を後にした。
ウルレインの街に帰りながら、私はオークから強奪したスキルを確認するためステータスを開いた。
名前:ヒナタ
種族:人族
年齢:15歳
職業:魔法使い
HP :136/136
MP :282/282
スキル:水魔法LV5
風魔法LV6
火魔法LV5
土魔法LV5
無限収納
威圧LV4
毒霧LV1
毒耐性LV3
麻痺耐性LV2
気配察知LV5
気配遮断LV2
隠密LV4
発情LV2
ユニークスキル:強奪
な、な、な……。発情だと……。
いらんスキル強奪してしまったーーー!
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