神様のミスで女に転生したようです

結城はる

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22 Bランクへ昇格

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 みなさんおはようございます。ヒナタです。

 朝起きたら、私の手がカレンの胸に当たっていました。
 そのまま胸を揉んでみる。おお、柔らかい……。
 昨日お風呂で見た時は大きいと思ったけど、揉んでみると手が沈む。
 普段は防具のせいで、胸の大きさがよく分からなかったけど、Fカップくらいありそうだ。
 次は、シャーロットの胸を揉んでみる。
 こっちは少し控えめだ、私より小さいからBカップと推定する。
 朝からなんか発情してしまっているが、発情スキル発動してないよね。
 平常運転だと思う。

「あんた何してんの?」

 シャーロットの胸を楽しんでいると、後ろからカレンに声をかけられた。
 まずい、胸を揉むのに夢中になりすぎた。どう言い訳しよう。

「え、あの……。カレンさんとどっちが大きいかなと思って……」

 焦ったから墓穴を掘った。私って焦ると本当にダメ人間になるな。サーシャに初めて会ったときにプロポーズしたことを思い出すよ……。

「ってことはあたしの胸も触ったってことだよね」
「……はい」

 呆れたように私を見てくるカレン。これは機嫌を直してもらわないと。

「べ、べ、別にやましい気持ちがあったわけじゃなくてですね、あ、そうだ! 朝食にタマゴサンド作りますね!」

 よし、話題を変えることに成功した……?
 いまだに目を細めて疑うように私を見ているが、逃げるようにキッチンへと向かった。
 完全に怪しまれていると思うけど、街に帰ったら会う機会も少なくなるだろうし我慢しよう。
 私がタマゴサンドを作っていると、シャーロットも起きてきて、リビングにいる。

「さぁ、できましたよ」

 朝食のメニューは少しだけ豪華にタマゴサンドにトマトも挟みました。飲み物は牛乳です。
 シャーロットの胸が大きくなるよう願いを込めて準備しました。

「おぉ、昨日のやつもおいしかったけど、トマトを挟んでもうまいな!」
「朝からこんな豪華な朝食を森の中で食べられると思いませんでした」

 よし、カレンさんは朝のセクハラを忘れてくれたみたいだ。作戦成功だ。

「朝食を食べたら、急いで街に帰りましょうか。ギルマスにも報告しないといけませんし」

 2人はタマゴサンドを口に頬張りながら頷いた。

「あ、でも討伐証明の魔石とか回収しないといけませんね」
「それなら昨日、ヒナタが倒れていた間に回収しといたよ。全部で63個あったぜ」
「そ、そうでしたか。ご迷惑をおかけしました」
「あたしたちは何もしてないから、これくらいは気にするなよ」

 朝食を食べ終わり、3人で仲良く街に向かった。



「ワイバーン63体の討伐とは……。本当に信じられん」
「事実よ。ヒナタが全部倒してくれよ。それについては、あたしたちが保証する」

 夕方に街に着き、ギルマスに報告をした。
 信じられないという顔をするギルマスにカレンが答えてくれる。

「でも、3体は、シャーロットさんが討伐しました」
「いや、あれはヒナタさんの魔法で、すでに深傷ふかでを負っていましたから……」

 一応、シャーロットも討伐したことを報告すると謙遜された。

「そうか、信じるとしよう。どうやって討伐したか気になるが、秘密にしたいということだったからな、聞かないでおこう。あと、今回のワイバーン襲撃については君達が解決したことは秘密にしておくが、領主様にだけは真実を伝えようと思うがよろしいかね」
「はい、それで構いません」
「あたしもそれでいいぜ」
「わ、私も大丈夫です」

 これで、私が英雄として祭り上げられるのを回避できた。一安心だな。

「それでは報酬の話をしよう。討伐の依頼料に加えて、ワイバーンの魔石を合わせて金貨120枚だ。あと、ヒナタさんのランクを上げるが、今回の功績を考えるとAランクでも問題ない。だが、DランクからいきなりAランクに上がったという前例もないため、私の権限ではBランクが限界だ、これで許してくれ」
「報酬については、3人で分けますので40枚ずつでお願いします」
「ちょっとヒナタ、何言ってんだよ!?」

 カレンが驚いた表情で叫んだ。

「何って、3人で協力して討伐したのですから、きっちり3等分するべきです」
「いやいや、あたし達はほとんど何もしてないんだから、そんなにもらえないって」
「でしたら、口止め料として受け取ってください。そもそも2人がいなければ、私は死んでいたかもしれないので当然の報酬ですよ」

 私は無理矢理押し切る。
 正直お金に困ってもいないのでなんの問題もない。

「ヒナタは一度決めたら強情だからな……。わかったよ! ありがたく受け取るぜ」
「あ、ありがとうございます」

 私の中では、胸を揉ませてもらったお礼もあるが、それは言わないでおく。

「よし、せっかくだから、今夜は3人で飲みに行こうぜ!」
「いいですね、行きましょう」

 これでBランク冒険者か。
 Cランクを目指していたけど、かなり早くランクが上がってしまった。
 私の容姿でBランクとはさらに変な目で見られそうだよ。
 トラブルに巻き込まれませんように。
 っと、いけないこれはフラグになる!
 
 その後は3人で酒場に行き、遅くまで飲み明かした。
 この世界に来て初めてビールを飲んだが、なかなかイケるものだ。
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