神様のミスで女に転生したようです

結城はる

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21 ワイバーンを蹂躙せよ②

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「え、ちょっと!」

 ワイバーンが、飛んできた私に気が付き、火吹ブレスを吐いてきた。

「おおっと!」

 初めて火吹ブレスで攻撃してきたよ。びっくりしたな。
 とりあえず全てのワイバーンが私に向かって来ている。
 よし、いける!

「ロックストーム!」

 かなりの魔力を込めた岩石嵐ロックストームを放ったことで、とても大きな岩石嵐ができた。全てのワイバーンが竜巻にどんどん飲み込まれていき、無惨な姿で落下していくのが見える。
 全部倒したかな……、と思っていると、3体ほど傷を追いながらも岩石嵐の中から出てきて私に迫ってきた。
 やばい、もう意識が朦朧としているのに……。
 魔力も少ないから、魔法も使えない。
 ここにきて短剣の出番か。
 私はフラつきながらも短剣を握りしめワイバーンに向かって構える。
 すると下から、光の矢が飛んできて、ワイバーンに命中した。
 下をみると、シャーロットが弓を構えていた。
 そうか、シャーロットが助けてくれたのか。
 私は残りの魔力で意識が朦朧としながらも下降していき、地面に無事についたところで意識を失った。



 目が覚めると、目の前にカレンがいた。
 そしてすっかり周囲は夜になっていた。

「あれ……。ワイバーンは……?」
「ヒナタが全部倒したでしょ。ありがとうね」
「ヒナタさんの最後の魔法すごかったです!」

 よかった、全部倒したか。
 しかし、この体勢はなんだ。
 カレンが膝枕してくれている。
 いや、嬉しいよ、こんな綺麗な女性に膝枕されたことなんか前世含めてないからね。
 ってかそもそも膝枕されたことねーや。

「あ、すいません。どのくらい寝ていました?」
「んー、4時間くらいかな」
「結構寝てたんですね、ご迷惑をおかけしました」
「いや、ヒナタは頑張ったんだから気にするなよ」
「シャーロットさんも最後に弓で助けてくれてありがとうございました。私1人だったら死んでいました」
「気にしないでください! 大したことしていませんから……」

 シャーロットが頬を紅潮させながら答えてきた。
 え、なんで照れているんだ。
 惚れられたか。モテる女はツラいね。

「とりあえず、もう遅いのでこのままここで野宿でもしますか」
「うん、そうしようと思っているよ」

 私は何気なく、無限収納からマイホームを取り出した。

 ドン!!!

「なんだこれー!」

 あ、やってしまった。
 まだ頭が回っていないようだ。
 ついついマイホームを召喚しちゃった。
 まぁいっか、疲れているからゆっくり休みたいし。

「私の家です。ここならゆっくり休めますよ」

 2人が口を開けて唖然としていた。なんだろう、見たことある光景だ。
 戸惑っている2人を家の中に招き入れ、リビングの椅子に座らせる。
 私は食事を用意するため、キッチンに向かう。せっかくだからお肉食べたいね。
 森生活で倒したニワトリの魔物を一口大に解体して、溶いた卵を鶏肉にかけて、パン粉をつけた後、油で揚げた。
 即席だけど、唐揚げにはなるよね。リビングの机に座らせた2人に唐揚げを差し出す。

「何これ! うま!」
「お、おいしい!」

 そうでしょう、そうでしょう。
 疲れた後は、お肉を食べると元気が出るよね。
 さらにレモンとビールがあればもっと最高だけど……。
 私特製の唐揚げはあっという間になくなった。
 見よ。2人のほくほく顔。作ってよかった。

「さて、次はお風呂にでも入りましょうか」
「「お風呂!?」」

 2人して同じ反応しなくても。
 せっかくこんな綺麗な女性と金髪美少女がいるんだから一緒にお風呂は入りたいよね。
 身体の隅々まで拭いてあげたいし……。
 早速、前回覚えた混合ミックス魔法でお湯を作り、浴槽に入れた。

「お二人共、お風呂ができましたよ」

 リビングでわくわくしながら待っていた2人を呼びかけ、お風呂に入るよう促す。
 さぁ、ショータイムだ。

 脱衣所で服を脱ぐ2人をみてから、私も脱ぎ出す。
 うん、2人ともスタイル抜群でいい身体でしたよ。
 その後は3人で身体を拭き合った。
 この状況で発情スキル使ったらどうなるんだろう。
 大変なことになるよね。

「それにしてもヒナタはすごいな。いきなり空は飛ぶわ、魔法でワイバーンの群れを殲滅するわ、こんな立派な家を持ち運んでいるわ、料理も上手だわ」
「ははは……。全て秘密でお願いしますね。お二人を信用しているからこそ、私の全てを見せていますので」

 そう、裸までね。

「そっか、ありがとうね。このことは誰にも話さないよ。シャルも約束は守れよ」
「もちろんです。恩を仇で返すような真似はしませんよ!」

 身体を拭き終えると、3人でお風呂に入る。
 ちょうど3人入れる設計で作ったから丁度よかった。
 私だけでなく、2人もすごい気持ちようさそうな顔をしている。3人共、無言で入浴中だ。
 しばらく浸かっているとのぼせそうになったのでお風呂から上がる。
 その後は寝るだけだが、残念ながらベッドは1つしかない。本当に残念だ。

「あの、ベッドは1つしかないので一緒に寝ませんか」
「いやいや! あたしたちは床でも十分だからさ!」
「そ、そうですよ!」

 それはダメだ!
 みんなで一緒に寝たいんだ!

「ダメです! ベッドで寝ないと疲れが取れませんよ。明日帰る途中で倒れられても困るのでベッドで寝てください。これは家主からの命令です!」

 少し……。いや、かなり強引に誘った。
 だって、誰かと一緒に寝たいんだもん。
 人肌に触れると疲れもストレスもかなり軽減するらしいよ。

「わ、わかったよ……」
「は、はい……」

 その後は、3人で眠るには少々狭いベッドでぐっすり眠った。
 あぁ~、満足だ。
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