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67 ケータの迷宮攻略(クロト迷宮編)②
しおりを挟む第三層をクリアした俺は、階段を降りていき直線の通路で少し休憩していた。
「少し、魔力を使いすぎた……」
魔力回復薬を飲み、身体を休ませて自然回復スキルで体力も回復させる。
ここまでは大方順調だ。
何組もの高ランク冒険者が総出で挑んでクリアできそうなイメージであった。
本来であればこの迷宮は1人で挑むものではないが、俺のステータスが高すぎるため、仲間を連れてきても逆に足手纏いにすらなる。
第四層はどんな魔物がいるのか分からない。
今までの傾向だと、あまり地上では見たことがない魔物ばかりだ。
迷宮攻略は今までしたこともないし、周りの冒険者も挑んだやつはいなかった。
古い書物からクロト迷宮・ラケシス迷宮・アトロポス迷宮の情報を集めてはいたが、この迷宮は500年ほど前に突如として出現したそうだ。
第一層からの魔物が強くて、倒せたとしても宝箱が出現しないため、冒険者にとっては腕試しのための迷宮として有名になっていた。
この3つの迷宮は誰1人として第三層まで行った者がいなく、そして今の時代では挑む冒険者もいなくなってしまったため、階層ごとの魔物の情報も得られていない。
でも、最終階層が第五層だという情報は書物に書いてあった。
つまりあと二階層をクリアすればクロト迷宮は踏破できる。
しかし、詳しい情報がないため第三層の火山地帯のエリアには驚いた。
少し階段を降りただけで目の前が火山地帯とは……。
迷宮というのは恐ろしいものだ。
「そろそろ行くか……」
長い時間休憩ができたので、そろそろ第四層のボス部屋へと向かう。
扉を開けると、目の前に広がっていたのは海だ。
「なんだここ……?」
あたり一面に広がる海。
俺がいま立っている場所は、島にある海岸だ。
島といっても、そこまで大きいわけではない。
ボスはこの島にいる魔物なのか、それとも海の中にいる魔物なのか。
しばらく待っていると、海の方から魔物が出現してきた。
「グオオオォォォ!」
「クラーケンか!」
海から現れたクラーケンは俺に向かって、攻撃を仕掛けてくる。
8本ある足を器用に使って、連続で振り下ろしてくる。
一本一本振り下ろしてくる足を回避しながら、魔法を放つ。
「ウインドインパルス!」
風撃をクラーケンの足に放ち、消し飛ばす。
「もう1本!」
再度風撃で足を消し飛ばす。
すると、先ほど消し飛ばしたクラーケンの足が再生していた。
「なに!?」
自己再生能力でもあるのか。
クラーケンって案外面倒な魔物なんだな。
「それなら再生が間に合わない魔法を打ち込むまでだ」
ここは力技でいこう。
大魔法を行使して、一瞬で消し炭にしてやる。
「インフェルノ!」
クラーケンに向かって灼熱地獄を放つ。
海にいる魔物だと火魔法が使いやすい。
やっぱり陸での戦闘だと火魔法は延焼していくため扱いづらい。
あっという間にクラーケンが炎に包まれて、消滅していく。
しかし、自己再生能力が働いているのか、少しずつ再生もしているがさらに炎に包まれて燃えていく。
まさに生き地獄のような光景だ。
再生しては燃えて、また再生しては燃えてを繰り返している。
「ゴオオォォォ……」
徐々に再生も追いつかなくなり、クラーケンは跡形もなく消滅していった。
「終わったか……」
さて、これで第四層もクリアだ。
「どこに扉が開かれるのかな」
周囲は海である。扉がどこかに現れるのかもしれない。
そう思って待機していると、再度海から魔物が現れた。
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