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しおりを挟む私は2人が起きるまで待つことを決めてマイホームを出す。
2人を寝室のベッドに寝かせて、夕食の準備をする。
「今日はチーズ入りのコロッケにしようかな。しかもお米付き!」
最初はオーク肉の生姜焼きを作ろうと思ったけど、オークに捕まった2人にオーク肉を提供するのは不謹慎になりそうだからやめておいた。
合挽き肉を捏ねて中にチーズを入れる。
溶いた卵をパン粉につけて油で揚げる。
「できた!」
おいしそう……。
早く食べたいけど、2人が起きてくるまで待とう。
この間にお風呂にでも入ろうかな。
「あ~、気持ちいい」
洞窟の崩落によって、髪が埃だらけになっていたから洗ってスッキリだ。
なんだかんだ湯船に浸かるのも久しぶりだからか、すごく気持ちいい。
しばらく浸かって身体が温まってきたのでお風呂から出る。
すると、寝室から2人が出てきた。
「あ、カレンとシャルもおはよう」
2人ともまだ状況を理解していないのか、困惑した目で私を凝視している。
「2人ともオークに捕まっていたでしょ? 助けに来たんだけど、2人が起きないからマイホームで休ませていたんだよ」
2人は状況を理解してきたのか2人揃って頭を下げてきた。
「助かった!」
「ありがとうございます!」
そんな感謝しなくても。
仲間なんだから助けるのは普通だよね?
「気にしないで。2人が無事でよかったよ」
私は2人をお風呂に入るように促した。
2人ともオークに乱暴なことはされていないけど、多少なりとも服も髪も汚れている。
身を綺麗にしてから食事をするべきだ。
お風呂に入っている間に私は、テーブルにコロッケとご飯を準備する。
早く食べたい気持ちを抑えて、2人がお風呂から上がってくるのを待つ。
「お待たせ」
「お待たせしました」
2人も椅子に座ってコロッケを食べ始める。
「あの後どうなったんだ?」
あの後っていうことはオークに捕らわれた後のことだよね。
「オークに捕らわれた姫たちを、突如として降臨した超絶美少女が助けだしたんだよ!」
椅子から立ち上がり、キュピーンっていう効果音が聞こえそうな感じで答える。
2人は開いた口が塞がらない。
「まあ、ヒナタがオークジェネラルを倒したのは分かった……」
ボケに対してツッコミはないのか。これじゃ私がスベったみたいじゃないか。
実際スベっているけど……。
それにしてもあのオークの上位種はオークジェネラルだったのか。
普通に考えればかなりの強敵だけど、隠密のおかげで大して苦労しなかったんだよね。
「2人は何があったの?」
一番聞きたいのはこれだよね。
2人なら頑張ればオークジェネラルくらい負けないと思うけど。
「それが最初はオークを討伐していたんだけど、急にオークジェネラルが現れたと思ったら気を失ったみたいなんだ」
おっと、それはびっくり。
オークジェネラルのスキルか?
それとも第三者の介入か?
でも私が来た時には誰もいなかったけどな。
第三者が2人を狙ったのなら近くに待機していてもおかしくない。
オークのスキルだと考えた方がいいかな。
だとしたら、オークジェネラルのスキルを強奪したかったな。
あの時は2人を助けることに精一杯だったから肉片にしちゃったし。
それで洞窟が崩落するのは予想外だったけど。
「そうだったんだ。もしかしたらオークジェネラルのスキルかもね」
「そうだな。ヒナタが来なかったらあたしたちは今頃オークの苗床だったよ」
そういう表現もあるのね。
柔らかく表現する例えは苗床ね。勉強になりました。
「私は2人に言いたいことがあって冒険者ギルドで待っていたんだけど、中々帰ってこないからここまで追ってきたんだよ」
「そうか。なんの用事なんだ?」
「明日はブルガルド家の護衛依頼でウルレインに帰ることになったんだけど2人はどうするかってね」
「そんなのついていくに決まっているだろ」
「そうですよ!」
即答ですか。
王都に残るかと思ったけど付いて来てくれるんだ。嬉しいな。
その後は3人でベッドに入ってゆっくり眠った。
明日は早朝にブルガルド家に行かないといけないからね。
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