SNOW LAGOON ―.。*°+.*雪六花の環礁*+。*°+.― 〔妄想科学漫遊道行〕

ゆじじ

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神騙り

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ナノテクノロジー、いわゆる微細加工技術は伸び悩んでいた。
実際、その世界で金属原子の部品を組み合わせて動作させるには様々な制約が有り過ぎたのだ。

その点、生物が長い時を積み重ねて来た細胞を構成する様々な分子、代表的な物は分子モータや伸縮分子、色々な働きをする酵素達だろう。
粘り気の様な応力の働く世界をものともせず、力強く活動する。

世界中の化学者達が静かに熱狂的に競い合う、塩基配列RNAをデザインし組み合わせ、又は酵素で分解し……新しい蛋白質アミノ酸高分子を合成して――また組み合わせ、分解し、組み合わせ――幾百幾千通り以上の可能性のある限り。
有用な分子部品が出来た時には遺伝子DNA組み換えをし、細胞内での発現プログラムを観察、トライアンドエラーを繰り返し、繰り返し、繰り返し、――そして、新たな生体プラスチック分子での構築強化案、新たな光合成システム構築の中での量子反応。

急激な生体機械技術の奇蹟の様な発展が続き、トリニティユニットを基本とする様々な科学技術に根を拡げ枝を何処までも伸ばして征く様な、これまた急激な進化をもたらしたのであった。

――その結晶たる生体メインサーバユニットの化身、ハムスター三姉妹はプラントからお弁当として持って来たのだろう。『ひまわりの種』を無心にカリカリし、ぱんぱんに頬袋を膨らませ続けていた――

未緒「かわいー……カワユイよぅ」

マットの上で枕に顎を乗せ、足を交互にパタパタさせながら視線の先にハムちゃんず(ぇ)を捉え続けて悶えまくる未緒。

しらたま〔ねず公の分際で、吾輩に三途の川を渡らせて地獄を観させようとした。その怨み、絶対に晴らさずにおくものかコンチクショウ〕

切れ味の鋭そうな爪の生成パターンを幾つかデータ化、コイツ等いつか狩ってやる……と、何時もより激昂している自分に気付かず、はしゃぐ未緒を見て一抹の寂しさも感じてそわそわと落ち着かないでいる一匹の猫叉が居た。

未緒「えへへへ~」

締まりの無い口からヨダレが出ている未緒、食欲のみに支配され只のネズミと化しているハムちゃんず……なんか残念な姿に、急激に醒めてゆくモノを感じて猫叉は(んー?あれーー??)と変な顔で訝しげるのだった。

******************

――ツッコミ不在、ボケ始めると永遠に収拾が着かなく為るんじゃないか?……なんて思っていた時期も吾輩には在りました。

ハムちゃんず〔(((余はマンプクじゃ~ゲフリ、おやすみ~)))〕

ようやく話が出来るかと顔を向けると、セリフと共に……『ころころころりんっ』………―――

しらたま〔あら、丸くなって並んで寝ると〘みたらし団子三姉妹?〙……って、寝るんじゃねぇえええっっっ!!!〕

自然に身体が反応し、『すぱぱぱぁあぁーんっ!!!』っと、何処からともなく取りい出したるハリセンの様なモノが、唸りを挙げて綺麗な破裂音を炸裂させた。脳内ファンファーレと供に覚醒した気分に。

しらたま〔お嬢様っ!吾輩、見事にツッコミスキルを獲得する事が出来ましたっ!〕
ハムちゃんず〔(((なんてコトすんのよっ!このドぐされ猫っっ!!……やだっ、お肌が赤く為ってるじゃないっ!)))〕

ポーズを極め『キリッ』とする吾輩に、下から喚きながら詰め寄るハムちゃんず。
毛の下だからどうせ見えないだろと、吾輩は『フッ』と小馬鹿にする様に鼻で笑う。その顔にハムちゃんずの後ろ足×三が『メリッ』と込んだ。

ハムちゃんず〔(((どうやら、どちらが上か決着を着けなきゃ為らないみたいね?勘違い猫)))〕
しらたま〔望む所だ、周りの迷惑も考えやしないで本能のまま行動しやがるKY鼠共〕

表情を消し、ゆらりと後ろ足で立ち上がり雷光を纏う三体。顔を洗い、震脚の踏み込みと尻尾で床にひび割れを入れる一体。
背景は荒れ狂う嵐の中での劇画調、龍虎相打つかはたまたハブとマングースかむさ苦しい筋肉ダルマのオッサン達か。
色々とナニかが可笑しい緊張感の高まりの中、双方の姿がいきなり掻き消え激突す……る?

未緒「みたらしちゃん…………しらたま……おだんご…………うへへへへぇ~」

何時の間にか眠りこけていた未緒の、寝言に続いて可愛らしいお腹の音が……盛大に鳴った……。
互いに殴り掛かろうとしていたポーズで『『『『ビクッ』』』』と凍り付いた四体は『『『『ズザザッ』』』』と後退り、本能的に未緒に向かって仰向けにお腹を出し降参のポーズをするのであった。ガクガクブルブルと涙目で――

******************

翌朝、吾輩はゴキゲンである。

メインサーバが復活した事もあって、味噌や醤油に砂糖等々が少量ながらも栽培プラントのすぐ側で生産されていたのが判ったのですぐ様入手。これで未緒に美味しくヘルシーな和食を作ってやれる。

今迄は容器におさかなと塩をブチ込んで魚醤を造り、コレに糖度の高い野菜を合わせて煮詰めてタレを造っていたりしたのである。
旨味は偉大なる海で事足りる、海藻に貝類やおさかなの骨等々、選り取り見取りである。茸も胞子で休眠状態からプラントで栽培されたモノが早速冷凍保存されていた。冷凍されると旨味成分が増すのである。

試験的に飼育されていた牛豚鶏等は全滅だった……クローン肉や分子構築体は技術的にも簡単なのだが、都市の理念に『我々は生命の輪の軛から脱却し高次の存在となり得るその時まで、この世界の全てから生命を分け与えられているのを忘れてはならない』とあるので行われていない。
果物等は今の処無い、樹木は全て枯れ果てていたので種子から育てるしか無かった。当分の間、ビタミン類は野菜か魚醤と魚介類を合わせて醗酵させるしか無いだろう。

しらたま〔それにしても、端末が全部ハムスターに変体した時は驚いたな〕

端末を操作しようとして前足をかざした時『汚い手で触らないで下さる?』といきなり跳ねて『ポンキュッ』とゆう感じでハムスターに成って逃げて行った。
他の端末も同様である、それを数十回繰り返して流石にこちらも呆れて数メートル先に群れて威嚇してくるハムスター達に『未緒の為なんだがな』と告げると渋々といった感じで一匹がこちらに来て端末に戻ったのであった。

未緒「おはよーしらたまちゃん……う~まだねむいよぅ」
しらたま〔お嬢様、こちらが本日の朝食になります〕

未緒は昨夜、遅くまでハムちゃんずとじゃれ逢っていたので今頃起きて来たのであるが……目が眠そうである。
吾輩は『キリッ』として卓袱台に膳を置き、未緒の前へ押し出す。ご飯、大根と焼いて甘くした葱に烏賊のきな粉揚げのお味噌汁、振り塩して焼いたおさかなの厚切り身、韓国風味付け海苔に浅漬けの小鉢である。
久し振りの本格的な朝ご飯に目を輝かせた未緒は眠気が吹き飛んだ様だ。よしよし。

未緒「いただきまーす……しらたまちゃん、みたらしちゃんたちどこ?」

お箸を指に挟んで両手を合わせた未緒が、ふと気付いた様に尋ねてくる。

しらたま〔みたらし……?あぁ、お団子ハムちゃんずのコトか〕

知らないと頭を横に振ろうとした時に不意にドアが開き、キャリアウーマン風の知らないおねーさんが入って来た。
靴を脱いで畳の上にあがり、未緒の隣に腰を下ろして脚をくずすと訝しげにするこちらに向かって話し掛けて来た……。

しらたま〔記憶に無いな……一体何者だろう?〕
おねーさん「おはよう御座います……しらたまさん、私にも朝食を頂けますか?」

相手はこちらを知っている様だ……もしかして都市上層部の生き残りだろうか?今迄、ろくに食事にありつけ無いでお腹を空かせているかも知れないな。
余裕を保って用意してある、直ぐに未緒と同じ膳を用意してどうぞと押し出す。

おねーさん「有り難う御座います……それでは頂きます」

両手を合わせ食べ始める。暫し眺めて、小さ目の薄い唇で一心不乱に食事をする姿にある小動物を連想させる。
未緒も同じ様に感じたのか、おねーさんに向かって口を開く。

未緒「おねぇちゃん……もしかして、みたらしちゃん?」

******************

カリカリ……カリカリカリ……カリカリカリカリッ!……そんな幻聴が聴こえて来そうな食事風景が目の前で続いている。
吾輩の少年時と比較してもハッキリと大人だと分かる、1.5倍くらい在る人型に出来る女と云う外見なんだから……食欲に敗けてどうするよ、人型に成った時点でハムちゃんず時の本能なんて無くなっている筈なのに……。
未緒は早々に返事を諦めた様で、今は自分の食事に集中している。『ほわーっ』とした顔で幸せそうだ、無心でカリカリしているみたらしより何百倍も……いや、何千倍もマシだった。

流しの縁に載り、吾輩と未緒の食器を前足と尻尾で洗っている。
近付いて来る気配に視線を向けると漸くようやく食べ終えたのだろう、みたらし……?おねーさんが膳をこちらに運び食器を水に沈める。

おねーさん「ご馳走様でした、とても美味しかったです」

そう言ってほっぺたにご飯粒の付いた顔で未緒の隣りに戻って行った。うをい!
前足と尻尾をタオルで拭きつつ、玄米茶の用意をする。……ああ、茶葉が欲しい。お茶の入った急須と湯呑みを載せた盆を尻尾で支え、吾輩も卓袱台まで戻り湯呑みにお茶を注ぎながら未緒とおねーさん、それから自分の前に置いた。
卓袱台の中央の籠には、醤油ダレで焼いた魚骨と小海老を米粉で包んで焼いた骨せんべい?が鎮座して居る。骨は熱でホロホロに成っており煎餅より軟らかい、未緒にはカルシウム!……ミルク無いし。

しらたま〔お嬢様、食後のお茶を用意致しました〕
未緒「ぼりぼり……んみゅっ(ごくん)!いつもすまないねぇ、爺さんや」
おねーさん「……(ご飯粒ほっぺた)……」

誰も彼もボケを興している、吾輩のツッコミスキルはまだレベル1、ボケスキルは99である。『ツッコンだら負けだ!』的スパイラルを起こしつつ、どんどん気まずく為って逝った。
……やがて未緒が飽きたのか「つまんなーい!」と言いつつ、畳の上に倒れ込みゴロゴロしだした。
そしておねーさんのタイトスカートのお尻から、ピコピコと動くピンクの……尻尾?を見付け『捕まえた!』とばかりに握り込むと同時に、おねーさんの頭から『ハムみみ』が飛び出した。

おねーさん「やっ!だっ、駄目です未緒様マスター!そんなトコロ掴んじゃ……ひっ」
未緒「みたらしちゃん、これなぁに?……あっ、カワイイおみみ!!」
おねーさん「も……もう駄目ですぅ、らめえぇぇ!!!」

おねーさんが腰に未緒をぶら下げ這いずる様に逃げようとして『ガクッ』と腰を抜かし、子供の情操教育にとても悪そうな嬌声を挙げた途端『ポンッキュウゥゥー』っと、音と共に大量の光の線が溢れ出した。

余りの眩しさに目を閉じ再度開くと、ハムスターの白いお腹が顔に張り付いていた……憮然として払い落とす。
直ぐに部屋の様子が目に飛び込んで……思わず『なんじゃあっ!こりゃぁぁあああ!!』と、卓袱台返しを試そうになる。一匹一匹、違う姿で伸びている部屋を埋め尽くさんとする数千匹のハムスターに……何とか踏み止まれた……が、しかし――

みたらし〔(((もう、未緒様マスターったら強引なんだからぁ)))〕

――卓袱台の上でバカなセリフを吐き、ナニかの事後の様なポーズを取る三匹に……力の限りの『卓袱台返し』が炸裂した。

******************

しらたま〔で、バカやって無し崩しに為ってたが……お前等、結局何しに来た訳?未緒を主人扱いしてる様だが?〕

今更だが卓袱台の上で正座?している三匹に改めて尋ねてみる。
未緒は数千匹と遊んでいる。百匹位に乗り、波打つハムスター達の上を滑る様に移動していた。ハムスターウェーブ?コースター?楽しそうに大きな喚声を挙げている。

しらたま〔ナニアレ?すんごい楽しそう!?〕
みたらし〔(((しらたまさん?・・・おいコラ、ペド野郎!)))〕

おっと、思わずウズウズしてしまった。今は話している最中だった……って、誰がペド野郎やねん?

みたらし〔(((全く、あんな小さなマスターを婚約者だなんて……光源氏も真っ青ですわ……まさかもう)))〕

?……あぁ、市民権云々の時の……てか、妄想逞しくない?……吾輩、どんな扱いになってるのか……考えるだに恐ろしい。
クラッキングしたとはいえ、移民関連で一番手っ取り早いのが家同士の婚約者だったんだが……養子縁組は独り身には手続きに時間が掛かるか承認されないし、女の子だしなぁ。

みたらし〔(((ふぅ、ハムスター達……齧歯類型化身アバタータイプ〘絹毛鼠きぬげねずみ〙は、この都市の守護神たる各メインサーバ〘ウルズ〙〘ヴェルザンディー〙〘スクルド〙の端末です)))〕
みたらし〔(((特に名付けて戴いた私達三体は端末としての機能は勿論、三女神の統合神格AIとして未緒様マスターをサポートする為の最適化を行なった結果、女性秘書タイプと成り護衛兼お世話係をする為こちらに参りました)))〕

人型の時に本能に負けてハムスターのまま行動するとか、未緒にデレる?とバカな事して変な影響が有りそうで怖いが、護衛としては優秀そうだ……よな……たぶん。

しらたま〔取り敢えず不安しか感じないが……これから宜しくな〕

そう言ってから握手をしようと前足を差し出すと『パシッ』とはたかれた。

みたらし〔(((貴方の様なペド野郎は未緒様マスターには近付けさせません)))〕

ポップ調な背景の中、『キィーーーーーー!!!』『フゥーーーーーー!!!』と威嚇し合った結果、凄絶な取っ組み合いが始まった。

未緒「しらたまちゃんとみたらしちゃん、なかよさそーだよね!」
ハムスター達〔((((((コクコク))))))〕

ケンカが続くもほのぼのとした時間が流れる中、何時の間にか未緒は纏わり付くハムスター達と一緒に眠りに入っていた。
海上都市は今日も平和そうだった――――その時までは。

みたらし「しらたまさん、少し宜しいですか?」
しらたま〔……どうぞ〕

いきなり名を呼ばれ、真剣な――緊急時の姿に先を促す。

みたらし「早期警戒飛行中の猛禽類型化身アバタータイプ『ミサゴ03』が南西20.20,135.85にカッター1フリゲート1を視認、国籍は不明、海賊船の可能性高、なおカッターは被弾損傷している模様」
しらたま〔続けて〕
みたらし「ミサゴ03より追加、フリゲート武装は7mmと12cm、カッターに向けて7mmで銃撃中、カッターの乗員を視認、子供のみ十数人、負傷者有り」

半身達に連絡、ドアに――

みたらし「未緒様マスターに危害が及ぶかも知れ無いわよ」

沸騰する怒りを抑え、急ぐ――

みたらし「全く、慣性制御と間力強化のコードUL」

光る糸が触れ……――LINK,DL,COMPLETE!

しらたま〔直ぐ戻る〕

領域確保、展開したソレを吾輩の意識が喰らい同化……――加速した。





******************

参話了。
此処まで読んで下さり本当に有り難う御座います。多謝です!でわまた。
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