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22.鍋焼うどんの受験生
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鍋焼きうどん・・・ある意味私の青春の象徴。夜中に勉強しながらお腹が空いて夜食に作ったうどんの味が身に染みて、心も体もほっこりします。
★★★
鍋焼きうどん・・・ある意味私の青春の象徴。
アルミ製の鍋には魚介のお出汁が良く効いたつゆと玉うどん。具材は蒲鉾、椎茸、ざく切りの葱、そして忘れちゃぁイケナイお麩を一つ。鍋に蓋をしてを石油ストーブにのっけてことことことこと。煮えてきたら頃合いを持て蓋を開け生卵投入、そして再び蓋をして、ことことことことゆっくり優しく穏やかに煮込む。
冬の真夜中、乾いた風声が部屋の中まで聞こえてくる。あと、たまに通る救急車のサイレンとホントにたまに聞こえる酔っ払いの雄叫びと言うか魂の声。これから大人になる私には何故叫ばなければならないのか、その真意ははかり知れないけど、そんなことをしなくても生きていける大人になろう。希望的観測だけど目標の一つと言うことでポケットに仕舞っておきたいな。
ことこと煮える鍋のリズムに合わせて覚える歴史の年号は日本の神秘『弥生時代』。西暦239年は邪馬台国の女王卑弥呼が中国に使いを送った時代で覚え方は『文下さいね卑弥呼より(文(23)く(9)ださいね、卑弥呼より)』なんだそうな。卑弥呼様ってばなんかポップ。もしほんとにそういう性格だったらポテチとコーラ持ってみんなで遊びに行っちゃうぞ。
飛鳥時代と言えば聖徳太子さん。天皇中心の政治をめざして階級制度や憲法を制定時代はどんなだったんでしょ。階級制度は今の時代とはちょっと相いれないかもしれないけど憲法を制定したのは偉いよね。小野妹子が筆頭の遣隋使派遣は西暦607年で『蒸れな(607)がら船に揺られて、遣隋使』って覚えるんだって。船の中、暑かったのかな?空調なしだもんね。航海術も確立されてなかったから大変だったんだろうなぁ、良かったねちゃんと帰ってこられて。
で、時代がぶっ飛んで安土桃山時代。豊臣秀吉さんと石田光成さんが太閤検地、つまり田畑の測量と収穫量調査を本格的に始めたんだけどその年号が1582年。覚え方がこれがまたぶっ飛んでて『秀吉が(石田三成さんも)イチゴ(15)パンツ(82)で太閤検地』なんだって。秀吉さん、そういう趣味だったんですか……
こんな勉強法が役に立つのかはまぁさておいて、鍋焼きうどんがいい加減になってきたみたい。ことことからぐつぐつに変わってお醤油とお出汁の香りが部屋に中一杯に広がって、私のお腹の具合も頃合いで。机に鍋敷きを敷いてお鍋をのっけて蓋をかけたら立ち上る湯気に向かって両手を合わせていただきます。
煮込まれたうどんの優しい食感とほんわか包んでくれるお出汁の美味しさ。しんと静まり返った真夜中の、ほんのちょっとの休憩時間。桜の頃には新しい学校で生活が始まるけれど、それがどんなことになるのかは今は全然想像できなくて正直不安しかないのだけれど、乗り越える糧は今の努力とこの鍋焼きうどん。そう信じれば、未来は明るいよね、うん絶対さ。
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鍋焼きうどん・・・ある意味私の青春の象徴。
アルミ製の鍋には魚介のお出汁が良く効いたつゆと玉うどん。具材は蒲鉾、椎茸、ざく切りの葱、そして忘れちゃぁイケナイお麩を一つ。鍋に蓋をしてを石油ストーブにのっけてことことことこと。煮えてきたら頃合いを持て蓋を開け生卵投入、そして再び蓋をして、ことことことことゆっくり優しく穏やかに煮込む。
冬の真夜中、乾いた風声が部屋の中まで聞こえてくる。あと、たまに通る救急車のサイレンとホントにたまに聞こえる酔っ払いの雄叫びと言うか魂の声。これから大人になる私には何故叫ばなければならないのか、その真意ははかり知れないけど、そんなことをしなくても生きていける大人になろう。希望的観測だけど目標の一つと言うことでポケットに仕舞っておきたいな。
ことこと煮える鍋のリズムに合わせて覚える歴史の年号は日本の神秘『弥生時代』。西暦239年は邪馬台国の女王卑弥呼が中国に使いを送った時代で覚え方は『文下さいね卑弥呼より(文(23)く(9)ださいね、卑弥呼より)』なんだそうな。卑弥呼様ってばなんかポップ。もしほんとにそういう性格だったらポテチとコーラ持ってみんなで遊びに行っちゃうぞ。
飛鳥時代と言えば聖徳太子さん。天皇中心の政治をめざして階級制度や憲法を制定時代はどんなだったんでしょ。階級制度は今の時代とはちょっと相いれないかもしれないけど憲法を制定したのは偉いよね。小野妹子が筆頭の遣隋使派遣は西暦607年で『蒸れな(607)がら船に揺られて、遣隋使』って覚えるんだって。船の中、暑かったのかな?空調なしだもんね。航海術も確立されてなかったから大変だったんだろうなぁ、良かったねちゃんと帰ってこられて。
で、時代がぶっ飛んで安土桃山時代。豊臣秀吉さんと石田光成さんが太閤検地、つまり田畑の測量と収穫量調査を本格的に始めたんだけどその年号が1582年。覚え方がこれがまたぶっ飛んでて『秀吉が(石田三成さんも)イチゴ(15)パンツ(82)で太閤検地』なんだって。秀吉さん、そういう趣味だったんですか……
こんな勉強法が役に立つのかはまぁさておいて、鍋焼きうどんがいい加減になってきたみたい。ことことからぐつぐつに変わってお醤油とお出汁の香りが部屋に中一杯に広がって、私のお腹の具合も頃合いで。机に鍋敷きを敷いてお鍋をのっけて蓋をかけたら立ち上る湯気に向かって両手を合わせていただきます。
煮込まれたうどんの優しい食感とほんわか包んでくれるお出汁の美味しさ。しんと静まり返った真夜中の、ほんのちょっとの休憩時間。桜の頃には新しい学校で生活が始まるけれど、それがどんなことになるのかは今は全然想像できなくて正直不安しかないのだけれど、乗り越える糧は今の努力とこの鍋焼きうどん。そう信じれば、未来は明るいよね、うん絶対さ。
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