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3話 今だけ貴方を甘やかします
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「マゼン、本当に申し訳ないです……」
「ど、どうしたんだいノエル!?」
目に涙を溜め申し訳なさそうな表情でマゼンに頭を下げる。
当の本人は何について謝罪をされているのかサッパリわからず動揺していた。
「私は愚かでした。私とずっと一緒にいる事が、マゼンの負担になっていると知らずに甘えてばかりで……」
「どうしてそう思ったんだい? 俺の心にはノエルしかいないと言うのに」
嘘ばっかり。
どうせ他の女の事を考えている癖に。
まぁいい。
話を続けましょう。
「先程、マゼンに仕える者から主人は一人でいる時間が好きだという話を伺いました。思えば婚約者とはいえ、マゼンには自由な時間というのが皆無だったように思えます」
「なるほど……そ、それで君はどうしたいと?」
よし、いいわね。
従者から聞いたというのは作り話だけど、上手くひっかかってくれた。
後はマゼンを尊重しつつ己の願望をさりげなくが叶えられる提案をするだけ。
緩みかけた口元を戻し、頭をゆっくりと上げる。
「今後、直接会う機会を減らしませんか?」
「えっ!?」
私の提案に流石のマゼンも驚きを隠せない。
「マゼンがいなければ今の私はいません。なのでマゼンの幸せを第一に考えたいのです」
「ノエル……君という人は」
この提案を受け入れてくれれば、私は復讐に使う為の時間を確保できる。
そしてマゼンにとっては愛しのラブメアと一緒にいる時間を増やせる最高の口実。
「ありがとう……本当にありがとう!!」
あまりにも美味しすぎる提案を彼が受け入れないワケがなかった。
◇◇◇
「いつもありがとうございます。この素晴らしい品物と取引できる事を幸福に思います」
「こちらこそですよ。でも本当にこんなのを高く買取って大丈夫なんですか?」
「勿論。素晴らしい物には相応の価値が必要ですから」
マゼンとの交渉が終わって早一週間。
私は”とある物”の取引を商人と行っていた。
前々から自分が作っている物の取引をして、自前の貯蓄を貯めていたのだが、計画を実行するに辺り本格的に動き始めた。
で、ここから抜け出す為にはお金が必要という事で新しい取引も始めたというワケだ。
「それはそうと、あのマゼン様がラブメア侯爵令嬢と……バレてしまえば王族からの弾圧は避けられませんねぇ」
「所詮は一人の男、という事です。まぁ、傷アリの私に近づく人なんて地位目当てか物好きしかいません」
一応商人にはマゼンの罪状は話している。
愚痴っぽく暴露した形だけど。
このようなお金の取引では、雑談程度に愚痴や裏の情報等が頻繁にやり取りされる。
商人からの話も……まぁ裏社会の商売は怖いんだなぁと肝が冷えるような内容が多かった。
「一つ提案なのですが、マゼン様の愚行に関する証拠をディゼ様にお渡ししてもよろしいでしょうか?」
「ディゼ様に? 何故?」
「最近ラブメア様からしつこくアプローチを受けているようなので、上手く関係を運ぶキッカケになるだろうと」
「ふーん……」
ディゼ様といえば有名な侯爵家の次男だったハズ。
そんな大物とも面識があるのね。
後、ラブメア様って妙にあざとい印象があったけど、他の侯爵家にまで手を伸ばしていたんだ。
浮気した私の婚約者に似たのかしら?
「お願いしてもいい?」
「かしこまりました」
立場は全然違うのに、何故か親近感が湧いてくる。
ディゼ様……いつかお話してみたいわ。
住む世界が違う人との会話を夢見ながら、私はティーカップに残された紅茶を飲み干した。
「ど、どうしたんだいノエル!?」
目に涙を溜め申し訳なさそうな表情でマゼンに頭を下げる。
当の本人は何について謝罪をされているのかサッパリわからず動揺していた。
「私は愚かでした。私とずっと一緒にいる事が、マゼンの負担になっていると知らずに甘えてばかりで……」
「どうしてそう思ったんだい? 俺の心にはノエルしかいないと言うのに」
嘘ばっかり。
どうせ他の女の事を考えている癖に。
まぁいい。
話を続けましょう。
「先程、マゼンに仕える者から主人は一人でいる時間が好きだという話を伺いました。思えば婚約者とはいえ、マゼンには自由な時間というのが皆無だったように思えます」
「なるほど……そ、それで君はどうしたいと?」
よし、いいわね。
従者から聞いたというのは作り話だけど、上手くひっかかってくれた。
後はマゼンを尊重しつつ己の願望をさりげなくが叶えられる提案をするだけ。
緩みかけた口元を戻し、頭をゆっくりと上げる。
「今後、直接会う機会を減らしませんか?」
「えっ!?」
私の提案に流石のマゼンも驚きを隠せない。
「マゼンがいなければ今の私はいません。なのでマゼンの幸せを第一に考えたいのです」
「ノエル……君という人は」
この提案を受け入れてくれれば、私は復讐に使う為の時間を確保できる。
そしてマゼンにとっては愛しのラブメアと一緒にいる時間を増やせる最高の口実。
「ありがとう……本当にありがとう!!」
あまりにも美味しすぎる提案を彼が受け入れないワケがなかった。
◇◇◇
「いつもありがとうございます。この素晴らしい品物と取引できる事を幸福に思います」
「こちらこそですよ。でも本当にこんなのを高く買取って大丈夫なんですか?」
「勿論。素晴らしい物には相応の価値が必要ですから」
マゼンとの交渉が終わって早一週間。
私は”とある物”の取引を商人と行っていた。
前々から自分が作っている物の取引をして、自前の貯蓄を貯めていたのだが、計画を実行するに辺り本格的に動き始めた。
で、ここから抜け出す為にはお金が必要という事で新しい取引も始めたというワケだ。
「それはそうと、あのマゼン様がラブメア侯爵令嬢と……バレてしまえば王族からの弾圧は避けられませんねぇ」
「所詮は一人の男、という事です。まぁ、傷アリの私に近づく人なんて地位目当てか物好きしかいません」
一応商人にはマゼンの罪状は話している。
愚痴っぽく暴露した形だけど。
このようなお金の取引では、雑談程度に愚痴や裏の情報等が頻繁にやり取りされる。
商人からの話も……まぁ裏社会の商売は怖いんだなぁと肝が冷えるような内容が多かった。
「一つ提案なのですが、マゼン様の愚行に関する証拠をディゼ様にお渡ししてもよろしいでしょうか?」
「ディゼ様に? 何故?」
「最近ラブメア様からしつこくアプローチを受けているようなので、上手く関係を運ぶキッカケになるだろうと」
「ふーん……」
ディゼ様といえば有名な侯爵家の次男だったハズ。
そんな大物とも面識があるのね。
後、ラブメア様って妙にあざとい印象があったけど、他の侯爵家にまで手を伸ばしていたんだ。
浮気した私の婚約者に似たのかしら?
「お願いしてもいい?」
「かしこまりました」
立場は全然違うのに、何故か親近感が湧いてくる。
ディゼ様……いつかお話してみたいわ。
住む世界が違う人との会話を夢見ながら、私はティーカップに残された紅茶を飲み干した。
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