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19話 断罪されし浮気者
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side:マゼン
「離せ!! 離せぇ!!」
「見苦しいな、マゼン伯爵」
「ぐっ……!!」
何故だ。
何故、僕は捕まっている!?
僕はただノエルを連れ戻しに来ただけだ。
ヴァーレイン家に戻るという条件は悪くない。
あそこは資金難で、オルクス家がいなければすぐ破滅するような家。
それに加えて僕という寛大な心を持った人間に愛してもらえるんだ。
絶対に幸せなハズなんだ!!
「傷アリの癖に生意気な事ばかり……!!」
「それがノエルに対する呼び方か」
「ひっ!?」
再び首元に剣を突きつけられる。
な、なんだこの侯爵!?
傷アリを傷アリって言って何が悪いんだよ!!
事実だろ!?
お前だってそう思ってるハズだろ!?
「き、気味が悪いと思わないのか……? 目元に痛々しい傷があるのに」
「そんな事、考えた事もなかったよ。怪我人なら多く見てきたからね」
僕の常識が通じない。
いや、こいつが非常識なだけか?
そうだ、そうに違いない。
落ち着くんだマゼン・オルクス。
こういう時こそ冷静に……
「君の行動はオルクス家を代表して行った行為……私はそう捉えた」
「は!?」
そこに大きな邪念が入り込んだ。
「おかしいだろ!! 何でオルクス家が出てくるんだ!?」
「君は当主候補だろう? 将来、家を背負う人間がワガママを起こすとは思えなくてね」
「っ!!」
確かに僕はラブメアを求めていた。
そこはワガママかもしれない。
だが、ノエルを連れ戻す行為はワガママではない。
家の為にやった必要な事だ!!
そう結論付けてディゼ侯爵に向き直ったのだが、
「オルクス家の為にノエルを連れ戻そうとしたみたいだが……その考えそのものがワガママだという事は気づいているか?」
「へ、いやっ、その……」
何も言えない。
全てが正論でねじ伏せられている気がする。
正論? 僕も正論を言っているぞ?
何故ディゼ侯爵の方が正しいと錯覚している?
何故僕は言い負かされている!?
「ああああああああああっ!!」
「困ったら叫ぶか……まるで子供だな」
「違う……僕は、僕はぁああああああ!!」
この現実は認めない。
ノエルを連れ戻して、
オルクス家とヴァーレイン家の関係を築き直し、
そしてラブメアにもう一度……
全てを壊してやるという気持ちのままに、僕はディゼ侯爵へと殴りかかった。
「がっ!?」
だが、その拳を振り上げた瞬間、ディゼ侯爵の膝が僕の腹部に深く入った。
◇◇◇
「今のは見ていたな?」
「はい、この目でしっかりと」
「領への不法侵入、従者に対する暴力行為と脅し、そして侯爵に対する不敬な態度……」
罪状が次々と並べられる。
これが目の前に倒れている愚かな伯爵の全てだ。
不正を働く貴族でも、もう少しマシな態度はとるというのに。
「爵位剥奪だ。今の罪状を全て公爵家や王家に報告してくれ」
「かしこまりました」
伯爵の品位も落ちたな、と私は頭を悩ませた。
「離せ!! 離せぇ!!」
「見苦しいな、マゼン伯爵」
「ぐっ……!!」
何故だ。
何故、僕は捕まっている!?
僕はただノエルを連れ戻しに来ただけだ。
ヴァーレイン家に戻るという条件は悪くない。
あそこは資金難で、オルクス家がいなければすぐ破滅するような家。
それに加えて僕という寛大な心を持った人間に愛してもらえるんだ。
絶対に幸せなハズなんだ!!
「傷アリの癖に生意気な事ばかり……!!」
「それがノエルに対する呼び方か」
「ひっ!?」
再び首元に剣を突きつけられる。
な、なんだこの侯爵!?
傷アリを傷アリって言って何が悪いんだよ!!
事実だろ!?
お前だってそう思ってるハズだろ!?
「き、気味が悪いと思わないのか……? 目元に痛々しい傷があるのに」
「そんな事、考えた事もなかったよ。怪我人なら多く見てきたからね」
僕の常識が通じない。
いや、こいつが非常識なだけか?
そうだ、そうに違いない。
落ち着くんだマゼン・オルクス。
こういう時こそ冷静に……
「君の行動はオルクス家を代表して行った行為……私はそう捉えた」
「は!?」
そこに大きな邪念が入り込んだ。
「おかしいだろ!! 何でオルクス家が出てくるんだ!?」
「君は当主候補だろう? 将来、家を背負う人間がワガママを起こすとは思えなくてね」
「っ!!」
確かに僕はラブメアを求めていた。
そこはワガママかもしれない。
だが、ノエルを連れ戻す行為はワガママではない。
家の為にやった必要な事だ!!
そう結論付けてディゼ侯爵に向き直ったのだが、
「オルクス家の為にノエルを連れ戻そうとしたみたいだが……その考えそのものがワガママだという事は気づいているか?」
「へ、いやっ、その……」
何も言えない。
全てが正論でねじ伏せられている気がする。
正論? 僕も正論を言っているぞ?
何故ディゼ侯爵の方が正しいと錯覚している?
何故僕は言い負かされている!?
「ああああああああああっ!!」
「困ったら叫ぶか……まるで子供だな」
「違う……僕は、僕はぁああああああ!!」
この現実は認めない。
ノエルを連れ戻して、
オルクス家とヴァーレイン家の関係を築き直し、
そしてラブメアにもう一度……
全てを壊してやるという気持ちのままに、僕はディゼ侯爵へと殴りかかった。
「がっ!?」
だが、その拳を振り上げた瞬間、ディゼ侯爵の膝が僕の腹部に深く入った。
◇◇◇
「今のは見ていたな?」
「はい、この目でしっかりと」
「領への不法侵入、従者に対する暴力行為と脅し、そして侯爵に対する不敬な態度……」
罪状が次々と並べられる。
これが目の前に倒れている愚かな伯爵の全てだ。
不正を働く貴族でも、もう少しマシな態度はとるというのに。
「爵位剥奪だ。今の罪状を全て公爵家や王家に報告してくれ」
「かしこまりました」
伯爵の品位も落ちたな、と私は頭を悩ませた。
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